『エナジーヴァンパイア』は危険! ~アナタは本当に善良な市民ですか?~

もしかしたら自分も知らず知らずに相手を不快にさせ、エネルギーを吸い取っているかもしれません。

『エナジーヴァンパイア』には色々なタイプがいます。たとえば、どんな会話をしても「やっぱり、私はダメな人間ですね」という結論で勝手にまとめてしまうタイプ。フォローを何万回入れても相手は自己否定を続けて来きます。だからと言って「うん、そうだね」なんて言おうものなら、被害者意識を主張して今度はこちらを加害者扱いして来る危険性も高いです。もう、接しようがないわけです。会話の結論は決まっているのに会話が終わらないというこの苦痛はたまったものではありません。

しかし、だからと言ってゲームではないので相手を倒してしまおうとか、攻撃して黙らせようとするわけにはいきません。ここがポイントなのです。
『エナジーヴァンパイア』と関わったら、自己防衛のためとはいえ攻撃はできません。こちらが加害者にされてしまうからです。だからこそ怪物的なネーミングで呼ばれているのでしょう。

 

VS『エナジーヴァンパイア』

一番の対処法は逃げることです。逃げられない場合は決して共感しないこと、そして批判しないことです。共感したら「この人はわかってくれる……」と勘違いされて嬉しくなって永遠に相手のエネルギーが減って来るような呪文(愚痴や批判など)を唱え続けます。批判したら、敵として認識されます。

だから、極端にいえば「そうなんですね?」「そう思うんですね?」「へぇ、そうなんだぁ……」という傾聴もどきのワードを繰り返し続けるのがオススメです。共感も否定もしないけれど、一応話は聴いているのだと思わせるのです。そうすれば、少なくとも敵とは認識されにくいです。

それらを繰り返していると、相手もこちらのパターンに気付くかもしれません。そうしたら「ごめんね、口下手で。うまく自分の考えが言葉にならくて……」といって話をぼかして下さい。自分の意見をうっかり口にしてしまうと、そこから『エナジーヴァンパイア』のペースに持っていかれてしまいます。そうなると、エネルギーが吸い取られて自分が弱ってしまいます。

後は逃げるタイミングを計るか、「そうなんですね?」を繰り返して、相手がこちらから納得のいく言葉(……が何かは知りませんが……)を得られないとわかって飽きてくるか、諦めるまで持久戦に持ち込むかが無難です。とにかく相手の期待に応えない(ペースに乗せられないこと)ことで、相手が「この人に話してもラチがあかないな……」と思わせれば良いのです。もっとも、ラチがあかなくてウンザリしているのはこちらだということは内緒です。

 

私は本当に善良な市民なのか?

『エナジーヴァンパイア』と関わると厄介極まりないです。だから徹底して身を守る必要があります。しかし、『エナジーヴァンパイア』は自覚がありません。ということは、つまり、もしかしたら自分も知らず知らずに相手を不快にさせ、エネルギーを吸い取っているかもしれません。実はそれがいちばん恐ろしいことだと私は思います。だからこそ、『エナジーヴァンパイア』から逃げる時以外は、相手に対して思い遣りの心を持って、できればエネルギーを奪うのではなく、相手が元気になるような、楽しくなるようなコミュニケーションを目指して下さい。

 

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