苦手な人がいるんです!
よく「苦手な人がいるんです!」という話を耳にします。
とても切実な問題だと思います。
苦手な人がいると、心にドッシリと重たい何かがのしかかってくるのですよね。
とっても辛いですよね。
苦手な人、いても不思議じゃないよ!
でも、それはそれで良いのです。
何故なら、「私、苦手な人や嫌いな人っていないの! 全員大好き!」って、まずあり得ないからです。
表向き、そういう表現をする人はいても、きっと本音は違います。
それに、もしも本当に全員が大好きだとしたら、それはそれで頭のネジがズレてしまっているような気もします。
対人関係に限らずですが、「快」の感情しかいない人や「不快」の感情しかない人って、やはり変だと思いませんか。
偏りすぎているというか、極端すぎるというか。
人が本来持っているであろう感情の何かが欠落しているような。
だから人間関係にしても「好き」「嫌い」はあってもちっとも不思議ではありませんし、それで良いのです。
誰かを苦手と思っても、嫌いと思っても、そんな自分を必要以上に責めなくて良いのです。
苦手な人がいるということは罪ではないのです。
「あの人さえいなければ……」
誰かに対して苦手意識を持つことが悪いわけではないとわかっても、やっぱり苦手な人が好きになれるはずもありません。
「嫌いな人を好きになりましょう!」という人もいますが、それがまた難しい問題だったりして、考えれば考えるほど苦しくなってしまう人も多いと思います。
ですから、無理に苦手な人を好きだと思う必要はありません。
ただ「あの人さえいなければ……」という考えは危険なので注意が必要です。
世の中の対人トラブルのほとんどはこの気持ちが強くなりすぎて自分を制御できなくなってしまった人たちではないかと思います。「末代まで呪ってやる……」という発想も同じですね。
私も人間ですので、その気持ちはよくわかります。
そういう時もあると思います。
ただ、ここで思い出して欲しいことがあります。
それは「コントロール出来るのは他人ではなく、自分」ということです。
苦手な人や嫌いな人に「いなくなって欲しい」と願っても、余程の策を練るか、本当に呪いでもかけない限り難しいと思います。
そうするとマイナスの気持ちが膨れ上がってくるだけで、余計に苦しくなってきます。
相手は消えてはくれませんからね。
苦手な気持ち、嫌いな気持ちは否定しなくて良いのです。
ただ、相手が自発的に消えることを望んでも、どんなに憎んでも、そこに救いや癒しはありません。
そして、それは結果的に自分を傷つける行為なのだということを理解して下さい。
私にとっての最善の策って……?
コントロールできるのが自分だけとわかったら「私には何ができるだろう?」という問いが重要になってきます。
攻撃すれば報復されると思います。
媚びれば相手がつけ上がると思います。
でもリスクを最低限にするにはどうしたら良いかは考えた方が良いです。
地味なことですが、あいさつの仕方、言葉の選び方、表情の作り方、ジェスチャー。
これらを少しずつ変化させながら様子を見て下さい。
ここで感情に流されるとアブナイです。
これは相性ですので善悪ではないのです。
怒りは怒りを呼び、嘆きは嘆きを呼びます。
仮に相手が酷い態度をしていても、相手がそういう人だと自分がきちんと理解していれば「怒り」にも「嘆き」にもシンクロしなくて良いのです。
影響を受けて同質化してしまうと、それはどんどん連鎖してしまいます。
言動をマイナーチェンジしながら、マイナスの感情に同調しない。
これを徹底してみて下さい。
極端な改善はなくとも、そのスキルが身に着くと他の場でもきっと役に立ちますよ。
でも、どうしても無理で辛かったら、痛手ではありますが、自分からその人の傍から離れて下さい。
「なんで私が……」と思うかもしれませんが、必要以上に関わり続けるより、ずっと身を守れますから。
苦手な人に、自分の人生を悪い方向に引っ張られ続けるなんてとんでもありません。
距離間を大切に。
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