あるある! うつ病に関する素朴な疑問!
~安心して下さい! よくよく考えればそんなに難しい事ではありません。~

カウンセリングは病気を診るところではなく、自分自身の心を見つめ直す場所で、カウンセリングを受けるところで自分自身の力によって解決の糸口が見えて来たりするものなのです。

油断大敵! まだまだ続く梅雨!

雨が続いて本当に疲れますね。一体、今年の梅雨はいつまで続くのでしょうか。気象病(特に梅雨のダルさの影響)で心身がグッタリしてしまった方も本当に多いようです。7月になり、梅雨ストレスから解放されたと思って、気が抜けてしまい不調になった方もチラホラ見受けられます。まだまだ油断大敵です。くれぐれも健康には気をつけてくださいね。

わからない!? 不調の本当の原因は!?

さて、「梅雨とか、そういうの関係無く、いつも具合が悪いんですけど……」という方も実際は少なくありません。特にうつ病の方は場合によっては一年中ツライと感じる方もいると思います。もしくは、自分がうつ病だと知らずに悶々と苦しさを抱え込んでしまっている人もいらっしゃるかもしれません。そのようなわけで、今回は、うつ病に対するQ&A(代表的なモノを2つ)をお届けしたいと思います。

Q1:私、うつ病だと思うんですけど、どうしたら良いですか?

A1:うつ病だと「思う」のであれば、本当に自分自身が病気なのかどうかを確認したいですよね。そのような時は信頼できる医療機関に受診した方が良いです。

うつ病という病名がつくかどうかは自分では決められません。

当然と言えば当然ですが病名をつけて良いのは医師だけです。くれぐれも自分で病名をつけないように気をつけてください。信頼できる医療機関に行って「うつ病かもしれない」ではなく、現在お悩みになっている症状や問題点を具体的に説明して下さい。そうすることで、より具体的な診断をしてくれると思います。ちなみにカウンセラーは医師ではありませんので病名について語りたいときはお医者さんの方が良いでしょう。

Q2:友達がウツっぽいんですけど、どうしたら良いですか?

A2:まず「ウツっぽい」という言葉の意味について触れますね。「ウツっぽい」という言葉は「うつ病」と同じではありません。よく勘違いされる方がいらっしゃるのですが「うつ状態」と「うつ病」を混同しがちなのですが、「うつ状態」というのは、病名ではなく文字通り状態そのものを指しています。「うつ病」というのはお医者さんがつけた病名です。確かにどちらも似ているのですが、簡単に言えば「うつ状態」なら場合によっては数分後には元気になるかもしれないということです。

人間は誰しも感情を持っていますので、ハイテンションの時もあれば凹んでいる時もあるのです。もし、ホンの少しでも凹んでいたら「うつ病」と診断されてしまったら、世の中の100%が「うつ病」ということになってしまいます。でも、そんなハズありませんよね。「ウツっぽい」というのは「ぽい」という状態であって病名ではないのです。参考までに覚えておいてください。

では本題に入ります。ウツっぽいお友達をどうしたら良いかということですね。基本的には、話を聴いてあげれば良いと思います。話し合うというよりは、聴いてあげるというスタンスが良いと思います。単にウツっぽいだけならさほど問題ありませんが、深刻な場合だと言葉のキャッチボールでコミュニケーションを深めあうつもりだったのに、自分の言葉で相手が余計に深刻になってしまう可能性があるからです。

特に相手が本格的に深刻な時は助言に敏感になります。助言を求めてきたら答えても良いですが、こちらから善意で助言するとそれが原因で関係がこじれてしまう事もあります。「そんなこと言われなくてもわかっているよ!」、「それが出来ないから困っているのに!」、「いちいち理屈こねないでよ!」、「私の気持ちはまるでスルーなのね…」となってしまう事も少なくないようです。

確かに助言というものは、具体性を帯びていて効力があり、実行可能な範囲であれば嬉しいです。しかし、助言の殆どは自分で考えて出た案と似たような内容だったりします。助言する際は、相手が思いついていないであろう役に立つアイディア限定にした方がお互いのためかもしれません。ウツっぽいお友達が、たまった鬱憤を吐き出せる環境を作ってあげるのがベストです。

様子を見て、やはりタダ事ではないというか、一時的なウツっぽさではない気がした場合は、友達として話をしてあげるだけでは解決しない場合もあります。拉致があかず最悪の場合、ケンカに発展してしまうこともあります。お友達の症状が芳しくなければ、一度カウンセリングを受けることをお勧めします。

稀に「カウンセリング? それって私がビョーキだって言いたいの!?」と怒りだす方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、「カウンセリングは病気を診るところではなく、自分自身の心を見つめ直す場所で、カウンセリングを受けることで自分自身の力によって解決の糸口が見えて来たりするらしいよ」と教えてあげてください。実際、カウンセラーは病名をつける権利は持ち合わせておりません。

症状が重い時は、自分で考えて行動することが難しくなってしまうこともあります。そんな時に無理強いはタブーですが「カウンセリング、一緒に付き添ってあげるよ」と声をかけてあげても良いと思います。

私はお勧めしませんが、「病院に定期受診して薬、貰っているからカウンセリングはいらない…」という具合に薬物療法を好み、カウンセリングを嫌がる方もいらっしゃいます。その際は、複雑な心境にこそなりますが、「信頼できる担当医さんがいるなら、それはいいことだね。専門的なことは私にはわからないから、感じた事などをそのお医者さんに全部伝えてあげてね」と言ってあげれば良いと思います。

人生におけるほぼすべての最終決定権は自分自身が持っています。

だから、良かれと思っても緊急事態で無い限りは相手の意思を尊重してあげてください。

(※薬物療法を推奨している訳ではありません。薬物療法のみに依存しすぎると危険です。うつ病治療で大切なのは生活習慣や食生活の見直し、自分の心に向き合うことなどです。様々なアプローチが必要です。何事もバランスが大切です。)

うつ病のない世の中に!

上記2つ以外にも、たくさん質問はあると思います。ただ、大抵の場合は、この2つのQ&Aを抑えておけば、比較的に事は快方に向かうのではないかと思います。

うつ病の危険なところは放置すると悪化する可能性が高まることです。一昔前は「うつ病は心の風邪」という言葉も流行りましたが、そんなに簡単なモノではありません。だからといって、人生が滅茶苦茶になってしまうほど深刻かというと、決してそういうわけでもありません。

思い込みで深刻になってしまったり、自己治療で失敗したり、どうして良いかわからず放置して悪化したりせず、きちんと然るべきところできちんと対処すれば、リスクは大幅に減らせます。

うつ病という言葉は浸透してきましたが、まだまだ意味は広まっていません。当事者たちが一生懸命調べても、それだけでは残念ながら足りません。うつ病にならないような環境をみんなで作って行こうという意識と、うつ病に対する周囲の理解もあると世の中はもう少しだけ良くなるのではないかと思います。

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