新型コロナ騒動は収まる気配がなく、4月7日夜にも緊急事態宣言が出される見込みですね。
志村けんさんのニュースは大変ショックでした。
芸能人や有名人にも次々と陽性の人が現れ、「他人事ではない」「明日は我が身」という想いが強まります。
電車はガラガラ、見る人もなく桜は散りゆき、みんなが顔をマスクで隠し……気分も塞ぎがちになりますね。
●コロナウイルスとは何者か?
まず「ウイルス」とは何でしょうか?
よいイメージはないと思います。
「病気を引き起こす危険なもの」という印象ではないでしょうか。
現在の生物学では、ウイルスを生物とはみなしません。
では無生物かというとそうでもないのです。
「生物と無生物の中間的なもの」という、なんとも歯がゆい言い方をします。
ウイルスは自力では生きられず、他の生物の細胞に寄生して増えていきます。
ウイルスは細菌よりはるかに小さく、かの野口英世は、細菌の存在は意識していたものの、ウイルスという存在にまでは想いが至らなかったために、黄熱病に倒れてしまいました。
そんなウイルスの仲間の一つが「コロナウイルス」です。
「一般の風邪」は、ライノウイルスやコロナウイルスなどの感染が主な原因です。
●ウイルスは変化し続ける!
ウイルスはきちんとした細胞構造を持たず、遺伝子が無防備な状態で存在しています。
このため、遺伝子は容易に変化してしまいます。
他のウイルスの遺伝子とくっついたり混ざったり、化学変化を起こしたり……インフルエンザの予防接種を毎年しなければならないのは、このようにインフルエンザウイルスが毎年少しずつ変化していくためです。
そして、「コロナウイルス」の一種が大きく変化して現れた新種、それが今猛威を振るっている「新型コロナウイルス」なのです。
●白血球を味方につけよう
ではウイルスから私たちのからだを守るには、どのようにすればよいのでしょうか。
もちろん感染しないことが大切ですが、もし感染してしまった場合、私たちの血液中にある「白血球」がウイルスを退治してくれます。
白血球はウイルスだけでなく、体内に侵入した細菌、菌類、寄生虫、ガン細胞などから体を守る警察のようなものです。
しかし白血球はなかなかデリケートでときに暴走し、無害な物質に過剰反応した末、私たち自らの体さえも傷つけてしまいます。
これが「アレルギー」です。
反対に、白血球が働かなくなってしまう病気がかつて人類を震え上がらせた「AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)」です。
白血球は面白いことに、精神状態の影響を強く受けることが知られています。
明るい気分になれば活発化し、暗い気分になると活動が低下するのです。
「病は気から」というのは強ち迷信とは言えません。
また白血球は、過剰なストレスを避け、栄養と睡眠をたっぷり取ることで正常に働きます。
すぐにできるコロナ対策は、ベタですが規則正しい生活をし、明るい気分でいることとも言えます。
※AIDSの研究は進み、現在では適切な治療を受ければ平均寿命くらいまでは生きられるようになりました。
●ウイルスは悪者とは限らない
ここまでのお話で、「ウイルスが憎い」「ウイルスなんてなぜ存在するの?」と思われた方も少なくないでしょう。
しかし、ウイルスは必ずしも悪いことばかりするとは限らないのです。
先ほどお話しましたように、ウイルスは「遺伝子+αのシンプルな構造」をしていて、「遺伝子の運び屋」ということもできます。
動物などに感染したウイルスが遺伝子を残し、動物の進化などに一役買うこともあるのです。
ヒトの遺伝子にもウイルスの遺伝子の残骸と思われるものが残っていて、もしかするとなんらかのウイルスによって、ヒトはここまで進化した可能性も否定はできません。
ウイルスは、人知の及ばないところからやってくるガイド(メッセンジャー)なのかもしれません。
●新型コロナウイルスから人類へのメッセージは
では、新型コロナウイルスは人類に厳しい試練を与え、人類をどんな方向に導こうとしているのでしょうか。
人類は地球を我が物顔で占領し、環境を破壊し放題でした。
そんな人類に「おとなしくすること」「謙虚になること」を教えようとしているような気がしてなりません。
さらに経済至上主義を捨てて、持続可能な世界を築くこと、それを真剣に考えろ、と激怒しているのかもしれません。
辛い自粛ムードを機に、学校とは? 労働とは? 経済とは? と考えなおし、それらは本当に人間界に必要なのか、再検討する時期なのかもしれませんね。
《金子 大輔 さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/turquoisemoth/?c=146217