【さそり座編1】モッくまくんのはれんちギリシャ神話分析 ~『恋』という名の死を知る者 ~

さそり座

木星
「ちなみに……。
自分の中の男性性と女性性の
バランスに、かたよりがあればあるほど
恋は激しくなるの、知ってた?」

モッくま
「え! そうなんですか?」

木星
「例えば女性なら、
自分の中の男性性が上手く育っていないとき。
実際の男性に、『自分に足りないもの』を
見いだして、強烈に必要と感じる。
これが恋」

モッくま
「じゃあ、人間は成熟すればするほど
恋をしなくなるんですか?」

木星
「相手しか見えないような、激しい恋は
だんだん少なくなっていく。
ちゃんと成長していればね」

モッくま
「恋をしないなんて、
年を取っちゃった感じで寂しいなあ」

木星
「その代わり。
自分と相手を同等に尊重する、
『愛』に移って行くのよ。

さそり座はその前段階。
牡羊座から乙女座までを通して
内なる闇と光、
内なる女性性と男性性を
自分なりに育んだ。
そうして生まれた『個性』を天秤座で
お披露目し。

今まで盲点だった『足りない部分』を
さそり座で
他者に投影して発見するの。

さそり座で起こる『恋』が激しければ
激しいほど、
『今まで足りなかったもの』が
急速に育まれ、
まるで別人のように変容してしまう」

モッくま
「オリオンが失明後、
アルテミスに出会うことにも
意味があるんですか?」

木星
「もちろんよ。
自分の中の、圧倒的に足りない女性性を
恋によって補った男は、
一回死んで再生した。

死 = 失明
再生 = 視力が戻る

と考えて。
そうなったとき男はもう、
かつての次元で
行動することができない。

彼は復讐のため、姫の父親を殺そうと
するけれど
『姫に恋をしていた過去の自分』とは
もう別次元にいるために、
その父親と、対峙(たいじ)することすら
できないの」

モッくま
「なるほど……」

木星
「オリオンは
『未熟だった内なる女性性』を
人間の娘に恋をしておぎない、
変容した。

けれどこの恋は、
成熟への前段階。

オリオンにとって真に
足りない女性性とは、
月の女神アルテミスなんでしょうね」

モッくま
「それはつまり、内なる女性性が
『女神に値するほど、素晴らしい』
と言うことでしょうか」

木星
「その通り。
そしてこのポテンシャルの高さは、
すべての人間に言えるのよ」

モッくま
「さそり座の質を持たない人間は
いませんものね……。
たとえ、そのサインに天体が無くとも、
サインの力は働いている。
でも……」

木星
「なに?」

モッくま
「モッくま調べじゃ、
月の女神アルテミスは処女神であり、
そもそも『いい感じ』になった
オトコはギリシャ神話史上
オリオン一人のようですが……。

『やるやん! オリオン!! このこのっ』と
エールを送りたいのは山々ですが、
とは言え、この二人は結ばれていません。

と言うことは、
オリオンの内なる女性性は
からくも女神にまでは届かなかったとも
言えるんじゃ……」

木星
「まあね。
だってここで、
女神レベルの女性性が
自分に統合されちゃったら。
人間の成長ストーリーも、
もう終わりかけじゃない」

モッくま
「たしかに……。
『ホタルの光』が流れてきそうな
勢いですねw」

木星
「まだまだ人類の成長物語は続くのよ。
とは言えここで、オリオンが大サソリないし
アルテミスに殺されることも
大切な意味があるから。
次回はそのあたりを掘り下げて行きましょ」

モッくま
「楽しみにしています!

君の10個の天体も、意外とさそり座さんに
集まっているかも~。
自分の生まれた瞬間の
星の配置(ホロスコープ)を知りたい人はこちら!
http://moccuma.net/wp-content/plugins/horoscope/

木星
「まったね~♪」

 

文:占星術家・木星
神話の絵:eARTh yukiyo

 

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