【乙女座編1】モッくまくんのはれんちギリシャ神話分析 ~『闇』を握りなおした乙女~

乙女座

こんにちは! 占星術家・セラピストの木星です。

牡羊座から始まり、いよいよ乙女座まで
やってきましたよー!

早速、乙女座神話をご紹介して
いきましょうー。

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冥府の王に見初められた乙女

乙女座

豊穣の女神デーメーテールには
ゼウスとの間にコレー(乙女)と言う
名の娘がおりました。

ある時森で遊んでいたコレーは
ひときわ美しい水仙を見つけます。
その花に手を伸ばすと……

大地が裂け、
黒馬に乗った冥府の神ハーデスが
現れると、たちまち彼女をさらって消えて
しまいました。

コレーの母デーメーテールは
帰らぬ娘を探し回り幾日もさ迷い歩きます。

ついに太陽神から
娘が姿をくらませた理由を
教えてもらったデーメーテール。
しかもそこにはコレーの父ゼウスも
加担していたと知るのです。

怒ったデーメーテールは
ゼウスに激しく講義します。
「冥府の神ハーデスならば、娘の婿として
申し分ないではないか」とさとすゼウス。

デーメーテールの怒りはますます募り
ついには地上から姿を消し、大地に実りを
もたらすのをやめてしまいました。

草木は枯れ作物は実らず、困ったゼウスは
やむなくハーデスの元に使者を送り
コレーを開放するよう伝えます。

その頃コレーは出された食事にも手を付けず、
ハーデスの申し出を拒み続けていました。

ようやくゼウスの通達により
大地に戻れることとなったコレー。
帰り際、冥府の神ハーデスは
ザクロの実をコレーに渡してやります。

冥府のものを口にした者はいずれ
冥府に戻らなければならない。

そんな掟があるにも関わらず
あまりに見事なザクロの実に魅せられ
コレーはついに、4粒だけ食べてしまいます。

そのためコレーは一年に4カ月だけ
ハーデスの妻として、冥府で暮らすことと
なりました。

以来、1年のうち4カ月は
デーメーテールの嘆きによって
大地に実りが消えてしまう、冬の季節が
生まれたと言います。

 

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乙女座

モッくま
「先生。なんか真っ白な灰が
あなたの周りをチラホラ舞ってますが、
どうされました?」

木 星
「燃え尽きた……。
やりきったよ、モッくま……」

モッくま
「前回の獅子座神話から、ちょいちょい
『終了』の空気かもし出してますね。

ただでさえ数少ないマニアックな
ファン層に支えられているのに。
そんな態度じゃ
しまいにTRINITYさんから干されますよ」

木 星
「あ それは困るw」

モッくま
「しかも今回の神話は、なんだか
ひかえめな美少女が主人公だし
面白そうじゃないですか」

木 星
「チッチッチッ
甘いなあ、モッくまくん。
コレーは冥府の王に見初められる
くらいだから確かに美少女だけど。

一見ひかえめに見えて、
この子はツンデレのムッツリスケベよ」

モッくま
「ムッツリスケベって
久しぶりに訊きました」

木 星
「言葉のチョイスが
2つ前の元号ですが
なにか?(リンッ)。

まあ、コレーのムッツリぶりは
後から触れるとして……。

いつものように
他の神話と比較することで
乙女座神話の本質が見えてくる。

一つ前の星座、獅子座と比べてみましょっか」

モッくま
「はい。
12星座を『人の成長ストーリー』と
とらえると。
牡羊座から乙女座は
『自分』と言う一個の個性を確立する時期。
獅子座と乙女座で力を合わせ、いよいよ
『個性』の総仕上げってわけですね」

木 星
「獅子座の主人公、ヘラクレスは……
① 出生:人の子(父はゼウス)
② 性別:男
③ 使命:英雄としての使命を全うし、神の一員となる

乙女座の主人公、コレーは……
① 出生:神の子(父はゼウス)
② 性別:女
③ 使命:まだ使命なき少女がいずれ神の一員となる

獅子座と乙女座はこんな風に、
陰陽になってる。
個人の個性が『固まる』とは
個人の『統合』を意味するけれど。

『統合』在るところには
必ず陰陽の対が存在するのよ」

モッくま
「なるほどー。
ヘラクレスは神が与えた試練に立ち向かい、
能動的に

『オレらしさ = 個性』

を確立した。一方で
コレーは常に受け身ですもんねえ」

木 星
「美しい水仙はゼウスが咲かせたものと
言われるけれど、
父が与えた『魅惑の花』のせいで
ハーデスに隙を与え
ハーデスが渡したザクロの実を
食べることで、やむなく冥王の妻となる。

常に『自分より大いなるもの』たちの
差し金……というか導きによって、
人生が決定されていく」

モッくま
「乙女座は社会や環境など、個人を
越えた大きな存在に従順だから……。
神話にもそんな質が表れているんですね」

木 星
「まあね。ここで注目すべきは
獅子座の抱えた『母の毒』。
つまりは『獅子座の闇』が
乙女座神話では洗練されて
また登場している点。気づいたかしら?」

モッくま
「ほう……。どこでしょう?」

木 星
「今度は『母』ではなく
『父』の思慮によって、乙女座は『闇』を
もう一度、にぎりなおした」

モッくま
「ふーむ。どうやらそこに、乙女座さんの
魅力の本質がありそうですね」

木 星
「その通り。
次回はそちらを掘り下げていきましょう♪」

モッくま
「君の10個の天体も、意外と乙女座さんに
集まっているかも! 自分の生まれた瞬間の
星の配置(ホロスコープ)を知りたい人はこちら!
http://moccuma.net/wp-content/plugins/horoscope/

木 星
「ではまたね~♪」

 

著:占星術家・木星
神話の絵:eARTh yukiyo

 

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