木 星
「……。
とは言えね。
今回、かに座神話を細部にわたって
分析するより。
他の神話と比較し、全体を見た方が
分かりやすいわ」
モッくま
「ほう……。と、言いますと?」
木 星
「水の星座は
魚座、かに座、さそり座よね」
モッくま
「はい」
木 星
「魚座 = 美の女神 アフロディーテ
かに座 = 最高女神 ヘーラー
さそり座 = 月の女神 アルテミス
水の星座はギリシャ神話の3大女神が
メインキャラクターなのよね」
モッくま
「確かに。
他の星座神話には、女神は
あまり登場しませんよね」
木 星
「つまり水の星座は
女性性の本質を表している。
魚座神話が『妊娠』を
暗に物語ってるってのは
初回で話したでしょ?」
モッくま
「覚えてますよ。
水の中で、リボンで繋がった母と息子。
確かにザ・妊娠ですよね」
木 星
「つまりね。
魚座 = 妊婦
かに座 = 母
さそり座 = 恋人
女性の持つ三つの本質を
この3星座は語ってる」
モッくま
「んー。けれど子を宿さない女性や
母とならない女性、
恋をしない女性も世の中には
居ますよね?」
木 星
「重要なのは、
神話は『現実の女性』を
示しているのでは無いと言うこと。
あくまで『女性性』。
『妊娠』がもたらす、
別生命とのワンネス感。
本能的な、宇宙的な『なにがしか』の宿り。
才能の元種。
原初的なパワー。
そういうものが女性性の本質と言うこと。
『母』も同じく。
育む力。相手の成長のために
闇をたずさえ呑み込む力。
その闇を超えるチャレンジの機会を
我が子同然の相手に与える……
深遠な、母としてのパワー。
それが女性性の一面として
誰しもに備わっている。
なんだったら男性にもね」
モッくま
「なるほど。
内なるオトコ、内なるオンナは
肉体が女でも男でも存在する
って言うアレですね?」
木 星
「イエス。
そういう意味で、女性性の本質は、
『妊婦』・『母』・『恋人』なのよ」
モッくま
「けど木星さん。
さっき、ちょっとドキリとするようなこと
言いましたね。
かに座の『母』の本質は
闇をたずさえ呑み込む力
って。
確かにヘーラーはことあるごとに
ヘラクレスを呑み込んで、
死に追いやろうとしてますよね……。
ヘーラーはヘラクレスの義母ですが……。
これが『母』の
相手の成長のために
闇をたずさえ呑み込む力
なんですか?
ヘーラーは別に、ヘラクレスの成長を
願っているようには見えませんが……」
木 星
「言ったでしょ。
神の行動は、人間目線で見れば
ただの醜い嫉妬でも。
その背後には『大いなる意図』が
隠れているって」
モッくま
「あ、そうでした!
と、言うことは……
ヘーラーは『かわいい子には旅をさせろ』
みたいな感じで
あえてヘラクレスに
無理難題を吹っかけているってこと?」
木 星
「まあね。
だいたい、おかしいと思わない? この神話」
モッくま
「何がですか?」
木 星
「ヘラクレスにあっけなく踏みつぶされる大蟹。
このシーンにいる?
ヒドラとの戦いだけで十分じゃんw
映画だったら編集過程で
絶対カットされてるシーンよ?」
モッくま
「そ……それは……。
かに座さん達も薄々感じながら、
あえて触れなかったデリケートな部分かと……。
『あたし達の神話って、物語的に
あっても無くてもいいよねー。
ていうかむしろ無い方がいいよねー』的なw」
木 星
「このシーンに『暗喩(あんゆ)』を
読まなきゃ、必要無いって言ってるの」
モッくま
「暗喩(あんゆ)……。物語の背後にある
メッセージですね」
木 星
「つまりね。この大蟹とは
恐らくヘーラーからの
助け船だったんじゃ無いかと、
わたしは思うのよね。
この辺りの神話の細部が
まだ手に入らなくて
解釈が難しいんだけど……。
ヒドラ = 呑み込む母
であるならば、
大蟹 = 育む母
の象徴。
『わたしを踏んで、上へと昇れ』
と言って、自らを差し出す母の愛」
モッくま
「それが……『踏みつけられる大蟹』の
象徴ですか……」
木 星
「かに座は本当に深い意味を持つサインで
一言では難しい。
かに座の持つ愛のすごみ。
この辺り、次回もう少し掘り下げていきましょ」
モッくま
「はい! 楽しみにしています!」
木 星
「さて、自分の生まれた瞬間の
星の配置図(ホロスコープ)に
蟹座が入ってるかを
知りたい人はこちら~
http://moccuma.net/wp-content/plugins/horoscope/
」
モッくま
「ではまた、次回お会いしましょう♪」
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