木 星
「そう感じるわよね。
でも……。神話の中での神の行動が
どんなに不条理に見えても。
やっぱり神は神。
人とは違う、大きな視点で動いているの。
鹿 = 娘 = 女性性
アガメムノンは
娘を生贄にする前に森で鹿を殺してる。
鹿はアルテミス所有のものであり
もっとも原初的な、人のエネルギー。
女性性のパワーであり
『才能の元種(もとだね)』を表しているの」
モッくま
「娘殺す前に、既に内なるオンナを
殺(ヤ)っちゃってるってワケですか……」
木 星
「そう。つまりね。
女神アルテミスの神託
『風を吹かせて欲しくば、娘を生贄にせよ』
は、一つのチャンスだった」
モッくま
「チャンス?」
木 星
「内なる男性性に力を与え続けるのを、
そろそろ止めるチャンス」
モッくま
「あっ そうか!
ここでアガメムノンが出航を諦めていれば。
娘は死なず、トロイア戦争も起こらず
美女ヘレネだって
本当に愛した男と平和に暮らせた」
木 星
「戦争とは、人間のもっとも根源的な
命、感情を犠牲にし
力で相手を打ち負かすパワーゲーム。
つまり『過剰な男性性優位』を象徴する。
同時にね?
領土の拡大 = 意識の幅を広げすぎる
殺し合い = 混乱
もイメージさせるわ。
アルテミスはここで、
『お前達が殺した内なるオンナ(鹿)、
才能の原初的な元種を、
神に返しますか?
それとも、もう一度その元種に
息吹を与えますか?』
と問うた。
『娘を生贄に捧げよ』と言う神託によって。
運命とは、神の問い。
この深遠なアルテミスの問いに対し
アガメムノンは、またもや
『才能を殺す』道を選び、
戦争が象徴する『思考の混乱』の中に
飛び込んでしまったのよ」
モッくま
「ひえ~。それによって
もたらされた代償がありますよねw」
木 星
「そう。あくまでこれは
一人のヒトの内側で起きていること。
最も原初的なエネルギー。
内なるオンナを殺し続けると、
わたし達はその女性性に復讐される」
モッくま
「妻クリュタイムネストラに
刺された……あのシーンですね。
衣服の首と袖を縫い付けて……
これにも、何か意味があるんですか?」
木 星
「そうね。
首と手足が思うように動かない。
これは
神経系へのダメージを連想させるし……。
何より『動けなくなる』
こともシンプルに物語ってる。
つまりね。
双子座さんがあまりに
情報集めに夢中になるとき。
それが喜びのうちは、思考の優位性が
才能として発揮されているのだけど。
そもそもの動機。
なぜそれを学んだの?
どんなトキメキが原動力だった?
と言う、根源的なエネルギーを
忘れて情報だけに集中すると。
パニックを起したり
やる気がひどく減退し、
動けなくなったり
なんてことが起こる」
モッくま
「なるほどー。
そうなったときに大切なことは?」
木 星
「いったん、
外からの情報をシャットアウトすること。
双子座の性質上、これをすると逆効果と
感じるかもしれないけれど。
まずは偏った内側の
『オンナとオトコのバランス』を
整えるの。
ボディのケアをしたり、
美味しいものを食べたり、
悲しくなったらいっぱい泣いて、
ハートを抱きしめてあげる。
まあそれと……。
そこに至る前に早い段階で
死にそうになってる
『内なるオンナ』の存在に気付き
ケアしてあげることね」
モッくま
「ふむふむ。
良く分かりました!
いやー……。神話にはその星座の持つ
強味と繊細さ、どちらも丁寧に描かれて
いるんですねー」
木 星
「あなたのホロスコープも
意外と双子座に天体たちが集まっているかも♡
どうかこちらをチェックしてみてね。
http://moccuma.net/wp-content/plugins/horoscope/
」
モッくま
「次回は、かに座神話でお会いしましょうー!」
《木星(もくせい) さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/jupitar/?c=174109