崇高なイタリアのスローフード 〜後編〜

何かを狂信的に崇める類のスピリチャリティを示しているのではなく、人間が、本来あるべきナチュラルな姿で、自然の法則に従い、他の生き物と仲良くし、地球と心地良いハーモニーを奏でながら生きていくことなのです。

口から入れる食べ物を通じて、自分と世界との関係をゆっくりと問い直そう。他者といかにコミュニケーションをとっていくのか、大地からの恵みをどう やって口まで運ぶのか。 自分と友、自分と家族、自分と社会、自分と自然、自分と地球全体の関係を。

そういう根源的な関係性の問題の根底に食があるのです。

地元の旬の食材を使った、愛情のこもった手料理をみんなでテーブルを囲みながら美味しくいただく。ひと昔前は当たり前の光景でした。
ただ躍起になって身体に良いということだけを理由に、地球の反対側から高価な食物を取り寄せて食することではなく、自分の魂(スピリット)にとって健康的な環境の中で、周りとの調和を保ちながら、美味しくいただく。

そして、そんな生き方がスピリチュアルな生き方の根底なのです。

それは、何かを狂信的に崇める類のスピリチャリティを示しているのではなく、人間が、本来あるべきナチュラルな姿で、自然の法則に従い、他の生き物と仲良くし、地球と心地良いハーモニーを奏でながら生きていくことなのです。

イタリアの盆栽家、エドワルド・ロッスィ

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(写真上 : 盆栽家 エドワルド・ロッスィ 本 :「床の間の飾り」を出版したば かり。)

パドヴァ郊外に住む盆栽家、そして生粋のスローフーダーでもある友人のエ ドワルド・ロッスィ。

当時27歳、妹の持っていた一冊の盆栽の本との出会いから、彼の盆栽人生 が始まった。4年間の独学の期間を終えた後、数多くのマスターに師事する。 約30年の月日が経った現在、約500人もの人がイタリア全土から彼のもとに学びに来ています。

自宅とスクールが建つ大きな敷地の中には、無農薬のりんごの木や地方特産の梨の木が生えており、100体以上ある盆栽はそれぞれが独特の魅力を持っている。

スクールで毎週のように開催されるセミナーのランチは、エドワルドの妻シルビアの愛情のこもった スローフードが振舞われます。

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(写真左 : シチリア島とプーリアの良質な小麦粉でできた パスタ、ビゴリ(bigoli)を作る 作業)

シンプルな料理にこそ、素材の良し悪しがはっきりと浮かび上がる。

テーブルにパスタの機械を取り付ける作業から始まり、パ スタが出来上がるまでには、45分以上はかかったと思うが、プロセッコ(ベネト州で生産されるブドウを主に使用した白発泡ワイン)を片手に、会話を楽しみながら一緒に作業しながら食事が出来上がるのを待つのも、スローフードの醍醐味です。

イタリアの食卓で必ずと言って登場してくるのが「バルゼレッタ」これは、落語のように最後に落ちがある笑い話で、これは何ともイタリアらしいと言えばいいのか、バルゼレッタのほとんどが性的な話。その地方独特の方言で面白おかしく語る。

そしてエドワルドにバルゼレッタを語らせたら右に出る者はいない。
バルゼレッタを巧みに話し、食卓に花を咲かせる術を持つことは、スローフーダーとしての大切なステータスなのかもしれない。

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(写真上 : エドワルドの手作りパンと、リグリア、スペイン、サレント産の オリーブオイル)

オリーブオイルの産地として有名なものは、 プーリア、シチリア、リグリア が挙げられる。ブルスケッタ、サラダには味が強いオイル、ミネストローネ、 魚料理には味の薄いオイルを使います。

 

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