< 本当の現実は死後の世界 >
「のび太くん、起きろ……のび太くん」
「ん~……なぁに、ドラえもん……もう朝ぁ~?」
「そうだよ、やっと朝が来たんだよ!」
「え~、それじゃ、もう学校に行く時間……?」
「学校なんてないよ」
「え……あ、そっかぁ。僕は大人になってたんだっけ……。じゃあ、会社の時間か……」
「会社もないよ」
「どうして……? あぁ、そうだ。そう言えば、僕、もうお爺ちゃんになってたんだっけ……? かわいい孫や子供たちに囲まれて、あたたかい寝床の中で安らかにそっと目を閉じて……あれ? ってことは、僕、みんなに看取られて、確か死んじゃったんじゃ……」
「死んだんじゃないよ。君は、やっと目を覚ましたんだよ」
「目を覚ました?」
「そうだよ」
「どういうこと? みんなはどこへ行っちゃったの?」
「夢の中(3次元の世界)だよ」
「夢……?」
< 3次元は夢の世界 >
「そう。今までのことは全部、君の(魂の学習や修行のために)見てきた夢だったんだ。そして今、ようやく目を覚ましたこっち側の世界が、正真正銘の本当の“現実”なんだよ」
「何を言ってるの、ドラえもん……。それじゃ、パパやママは? ジャイアンやスネ夫やしずかちゃんは……? みんな、僕の夢だったってこと?」
「そうだよ」
「じゃあ、みんなは本当は存在しないの? もう、みんなとは会えないの?」
「ちゃんと会えるよ」
「だって……僕の今まで生きてきた人生は、全部、夢だったんでしょ? そしたら、みんな夢の中の世界でだけ存在してたんでしょ?」
「そんなことはないよ。こっちの“現実”はね、願えば何でも叶うんだ。会いたいと思った人に、いつでもどこでも会える世界なんだよ」
「パパやママや、みんなに会いたいと思えば、今すぐにでも会えるの?」
「その通りだよ」
「夢の世界にいる時も、会いたいときはいつでもみんなに会えたよ? なにが違うの?」
「こっち(現実)の世界にはね……というか、もっと正確に言うと『君が目覚めたこの現実世界』には、イジメや仲間外れなんてものはないんだ。威張った会社の社長もいなければ、意地悪な上司もいない。いがみ合いも争いもないし、もちろん犯罪や戦争だってないんだ」
< いじめも犯罪も戦争もない死後の世界 >
「それは、なんて素晴らしい世界なんだ! それなら最初っから寝なきゃ良かったじゃない。そうすれば辛い夢を見ることも、今まで散々大変な思いをする必要もなかったのに……」
「それは違うんだよ、のび太くん。こっちの現実世界が平和で幸せなのは、君が夢の世界でどんなに辛くても頑張ったからなんだよ」
「僕が頑張った……? どういうこと?」