わたし、霊能者になりました⑦~神社にお呼ばれ~霊能生活カミングアウト

すると、
白い玉砂利が視える。

そして、左手から正面にかけて渡り廊下のようなものが直角に曲がって続いていて、私の正面には神様のいる本殿が視えた。

とりあえず、視えたものをますじに伝えた。
が、「そんな曖昧じゃなくて。ズバリ! 地名とか!!! ん~、じゃあ、りえちゃん! どこに行けばいいか、みほじにご神託!」

「え? あたし?」

もらい事故のようにしてこのリーディングに巻き込まれたりえちゃん。
それでも四の五の言ってた私に対し、りえちゃんははっきりくっきりこう言った。

「伊勢でしょ。てか、他に浮かばないよ?」

一瞬、場が凍りついた。

てか、私だけ凍りついた。
ますじはとっても満足そう。
「遠いから近場で、とか思ってたでしょう?」高笑いをされた。

知ってたけど知りたくなかった。
だから散々抵抗したのに。
旅費とかどうすんだ。予定も入ってるのに。

という、そんな私のエゴなどお構いなしに、神様からの啓示はこうして突然にやってくるのであった。

 

【鶏ってそういうことだったのか!】

そのちょうど2週間後、私は伊勢の地に立っていた。
参拝した伊勢神宮内宮大神宮には、やきとりセンターで視た白い玉砂利と本殿への渡り廊下とあの本殿があった。
そしてあろうことか、鶏がいる。

あの、やきとりセンターのポスターにいたのとそっくりな、赤いトサカをした鶏だ。

なんで? あんなふざけた(←いけない態度)リーディングだったのに。

至近距離で見つめ合う、鶏と私。

(今、心が通った!)確実にその瞬間があった。
私の人生において、こんなに鶏と心を通わせたことが今まであっただろうか。

私が首を伸ばすと彼も同じように首を伸ばす。
落ち着け、と念を送るとファサっと座り込む。
確実に今私たちはひとつになっている。

まぁ、それはさておき。

その後、調べたところによると。

天の岩戸に閉じこもってしまった天照大神を引っ張り出すためにひと役買ったのが、「長鳴鶏(ながなきとり)」という尾の長い鳥で、この長鳴鶏こそが鶏であり、暗くなった世界に再び光を蘇らせることに貢献したことから「神の鳥」と言われるようになったんだとか。

そーゆーオチ?

今年の始まりに母から「あんた、伊勢子(母のいとこ)に連絡入れといて!」と幾度となく催促をされ、10月初旬にやっと何年かぶりに連絡を取り合ったこともここへきて思い出した。
「伊勢、メッセージきてたね」と、また深く自覚する。
なってみないとその点がどんな意味を持っていたのかわからない、ということが山ほどてんこ盛りなのが、私たちが見ている世界の実情で。

そんなことを考えたりしていた私の横で、
「アマテラスさん、やきとり好きなんだよね~」と、
りえちゃんがぽつりつぶやいた。
(食べる系?)さっきの、心通わせた鶏のことを思い出し、ちょっと切ない気分になった私であった。

 

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