一宮千桃のセンスアップ☆シネマレビューPART.305「君のクイズ」

なぜ? 正解できた??
クイズ界の謎に挑む快エンタメ作の登場!!

クイズとか、なんの興味もなかったんだけど、本作を見てクイズの世界って奥深いんだ、
と驚いた。ただの幅広い知識だけじゃなくて、出題者の口の形、息の継ぎ方、ピンポンを押す反射神経、また出題問題の分析、過去問の分析、回答者の表情など、多岐に渡る。

新しい知見を得ての喜びと、その複雑なクイズの世界を小説化(本作は小川哲の原作。推理作家協会賞受賞作)し、映画化したことにも驚愕。開巻から夢中になって観た。
面白い!! しかし、クライマックスの展開は今風の展開で、少し「んーっ…」と思ってしまった。
今の根強い社会問題なのでこの描写は必要なのか…しかたないのか…と正直悩ましいところではあった。

さて、お話は人気クイズ番組の生放送の決勝戦から始まる。賞金1000万円を賭けた勝負に挑むのはクイズ王三島と挑戦者本庄。あと一問で勝者が決まる最終問題。問題が今まさに読み上げられようとした瞬間、本庄はピンポンを押し、なんと正解を言い当て優勝してしまう!!!  
ええっなんで?? 問題聞いてないよね?? とこちらも三島も会場の観客も狐につままれたような???状態。回答を事前に知っていた?? やらせ?? と頭の中はぐるぐる。そして、テレビ局への数々の反響に敏腕プロデューサーの坂田は検証番組を企画。 三島も出演することになるが、当の本庄は…。

  

回答者の裏側の様々なドラマ
リアルだからこそ人を魅了する

なぜ、本庄が一文字も問題を聞かずに正解できたのか?という謎を検証していくのがメイン。
そこには様々なドラマがあるのだが、三島のエピソードがありそうでリアル。
そういうすれ違いって人生であるよな、と。そして、希望がある。そう、一歩踏み出せばやり直せる、と思わせてくれる。

見所はやはり、謎を解いていく検証の数々だろう。解き明かされるクイズの問題の世界が興味深い。
クイズ番組はエンタメなので、テレビ局の対応も腐ってて面白い。三島を演じる中村倫也と堀田真由が好演。クセモノ敏腕プロデューサー役のムロツヨシはちょっと最近、演技が鼻につくかなあ~?
しかし、クイズの正解者の裏側ってこんなに人を魅了するんだ。でも、それは原作の凄さと監督の手腕だろう。久々頭フル回転で見入った秀作!!

監督・脚本 吉野耕平
原作 小川哲
脚本 おかざきさとこ
出演 中村倫也 神木隆之介 ムロツヨシ 森川葵 水沢林太郎 福澤重文 吉住 白石みずほ 
   大西利空 坂東工 ユースケ・サンタマリア 堀田真由
配給 東宝
※119分
※5月15日(金)から全国ロードショー
©️2026 映画『君のクイズ』製作委員会