令和7年4月メッセージ — 全てが焼き尽くされる春を迎えた私たちは、“魂のふるい分け”を前にそれでも新たな出逢いに輝かしい未来を想う

4月

国と国、組織と組織、個人と個人の間で“火”を噴く危険性が高まる時に — 九紫火星4月は、他者との無用なトラブルを避けつつ自身の“道”を切り拓く時

4月を迎えました。入学や入社などで、希望を胸に新たなステージに踏み出す方も多いのではないでしょうか。社会全体も明るい要素があれば良いですが、現在の社会情勢は一段と不透明で、暗いものとなっていると言わざるを得ません。

中東情勢は、パレスチナのガザ地区で停戦協議が行き詰まる中、イスラエルが大規模な空爆を再開しました。対抗するハマスもロケット弾を発射し、事態は再び悪化しています。この地で命を落とされた、5万人以上とも言われる尊き魂の冥福を、祈るばかりです。表面上は平和を保っている日本でも、物価高、貧困化の長期化を背景に社会全体が不安、不透明の度を増し、日本人の波動が落ちているのを感じます。

先月は、人気を集めていた女性動画配信者が、金銭トラブルで動画の配信中に惨殺されるという痛ましい事件が起きました。今後、恋愛やお金のトラブルで簡単に人命が奪われる事件が、社会問題化してゆくかもしれません。価値観の転換を余儀なくされる時代の端境期は、混乱の渦中にあって人心も荒廃しがちです。このような厳しい環境の中でも、自分を律し、誠意を持って日々の生活を送ることを、新年度の誓いとしたいものです。

清明を迎える4月4日、月運が一白水星から九紫火星に移ります。九紫には陽気さと共に、“物事をはっきりさせる”という意味があります。
また“高貴さ”を表すので、他者への思いやりに欠けるという点もあります。
象意としては“破壊、分裂、対立、戦争、解雇、憎悪、離婚”といった特徴があります。
また“再会、二度目”といった、“復活”の面も強調されます。

“火”の星ですので、今月は小競り合い、口論からくる喧嘩、暴行や傷害などに要注意です。また、かつて好きだった人との劇的な再会で、燃えるような恋愛がスタートすることもあるでしょう。“解雇”の象意があるように、今月は企業の倒産や事業の不振で雇い止めに遭ったり、職を失う方が増えるかもしれません。
自然災害の面では、“火事”(火山の噴火)には、特に警戒が必要となるでしょう。防災グッズや、避難経路の確認をしておきましょう。

4月の月運の干支は、“庚辰(かのえたつ)”。今月はどこまでも昇る龍が如く、激しい闘争心で自身の道を切り開いてゆく一カ月となりそうです。正義感や自信が増すので、様々な面で成果は上がりそうですが、その反面、他者との無用なトラブルには注意しましょう。家庭や配偶者を大切にすることで、トラブルを避けられそうな雰囲気です。

二十八宿は“畢宿”。“畢”は、“うさぎを捕まえる網”のことを指します。今月は、狩猟本能が強まり、自分の意志を貫き、勇猛果敢に目の前の物事に取り組もうという気持ちが強まりそうです。恋愛や、新たな交際のチャンスもやってきそうです。ただ、旧い問題の再発や意志の強さからの軽率な言動、他者との口論には注意しましょう。

重要な契約や勝負事に関しては、大安の6日、12日、18日、24日、29日、一粒万倍日の3日、4日、13日、16日、25日、28日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方も、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は南となりますが、9日までは天一天上となります。自宅の掃除さえしっかりしていれば、月の前半は方位に障りはありません。


海王星の牡羊座移動、土星-海王星の合が世界を揺さぶる4月 — 全ての景色が塗り替えられる中で、強い絆で結ばれたご縁との出逢いを心の支えに

西洋占星術の観点で言えば、先月は30日に海王星が牡羊座に移動しました(~2038.5.22)。“不安定、アート、共感性、幻想、宗教、水害”といったキーワードがある海王星が“医療、軍事、暴力、労働運動、新たな始まり、加速”等を表す牡羊座に入ると、穏やかな平和の中で揺蕩いながら育んでいた文化芸術を愛する気持ちを、社会での激しい戦火や闘争の中で、どれだけ維持し、現実の世界で守ってゆけるかの真価が問われる13年間となってゆくでしょう。

“地に足がついた四次元”とも言える行動を志向する中で、これまでにない人脈との交流、往来が起き、人間関係のご縁も大幅に変わってゆきそうです。戦乱が続く世相の中で、各国の愛国心も高まりを見せ、デモや騒乱も増えるかもしれません。この時期は、黒船が来航し国内で佐幕派と開国派の内戦の萌芽があった1861年以来の、165年ぶりの本格的な移動のプレ期に入ります(2025.10/22~2026.1/27の間は魚座にいったん戻る)。日本も何らかの形で、国際的な戦争に巻き込まれる事態となるかもしれません。

また一般に、土星以遠の天体(トランスサタニアン)がサインを変える時は、大規模な自然災害やパラダイムの刷新感が強まる出来事が起きると言われています。天王星が魚座から牡羊座に移動した2011年は、東日本大震災が発生しました。今回の海王星の移動は“全てを溶かし、洗い流す”暗示があるので、津波等の水害には特に警戒が必要と言えるでしょう。また、この時期は土星と海王星がコンジャクション(“合”)となります(2025.3.28~2026.5.2)。コンジャクションとなった当日には、ミャンマーでM7.7の大地震が起き、1600人以上の方が犠牲となりました。

前回、土星-海王星の合が起きた1989(平成元)年には、サンフランシスコ大地震、ベルリンの壁崩壊と、やはり世界を揺るがす事件が起きています。土星は5/25まで魚座に滞在していますが、前回の魚座土星期間(1994.1.29~1996.4.7)の日本は総理大臣の目まぐるしい交代(細川護熙→羽田孜→村山富市→橋本龍太郎)、阪神大震災、地下鉄サリン事件といった社会を混乱、震撼させる事象が発生しています。パラダイムの大きな転換期、“魂のふるい分け”とも言うべき作用で、今後も多くの人命が失われる可能性があります。引き続き心の準備と、物理的な準備を、しっかりとしておきましょう。

13日9時22分には、天秤座で満月が起こります(ピンクムーン)。この満月は、パートナーシップ、ソウルメイトとの関わりの中で成長することにスポットが当たります。リアル、またはネット上で知り合った新たな仲間との交流を通して、人間関係が“本当ご縁のある人に絞られてゆく”流れに入ります。入社や入学など新たなステージに進んだ方は、同じ職場やクラス、サークルなどで知り合ったばかりの人と意気投合し、電光石火で新たな恋愛がスタートする方も多いでしょう。

またこの日から5/4までは、再び全天体順行期間となります。今月は半ばから月末までは、物事がスムーズに進みやすい時です。そして28日4時31分には、牡牛座で新月を迎えます。新年度と連動する、まさに人生の新しいChapter(章)のスタートとも言える時です。やる気に満ちている時なので、入学や就職などで新しい生活基盤を得た人は、積極的に自己開示をしてご縁を繋いでゆきましょう。

4月は、文字通り“はじまり”の季節です。
今月は、唐の詩人・白居易が16歳の時に作った詩である、「古原草を賦し得て送別す」の一節を引きましょう。


「野火焼けども尽きず、春風吹いて又た生ず」

野焼きで、草々が焼き尽くされ、
真っ黒になった野原でさえ、春になれば、必ず新しい命が芽吹いてくる —


人生というものは、常に難事が立ちはだかるもの。

しかし真正面から誠実に取り組めば、必ず、春風が吹く時が来る —


経済的、精神的苦境に翻弄され、全ての希望を失い、まさに絶望という名の瓦礫が積まれた人生の焦土を前に、ただ立ち尽くす場面があった人もおられたでしょう。

しかし、そのような艱難を乗り越え、それでも生き抜くことを選んだ人には、必ず人生に希望の春が、訪れるはずです。桜が咲き誇る季節が、今年もやってきました。TRINITY読者の皆様に於かれましては、それぞれの新しいステージで、素敵な出逢いで魂を輝かせる4月となりますよう、祈念しております。





(了)

 

 

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