令和7年2月メッセージ — 全てが崩壊してゆくさまを目撃する私たちは、そっと咲き始める梅の花に“人生の春”への胎動を感じる

2月

トランプ第2次政権発足にトップアイドルの引退、巨大組織の崩壊の混迷の中で — 二黒土星2月は、心の豊かさを護るために“慈愛”の心を忘れずに生きるとき

2月を迎えました。アメリカでは先月、ドナルド・トランプ氏が大統領が就任し、正式に第2次政権が発足しました。4年ぶりに返り咲いたトランプ氏は、大統領就任演説で関税の強化、LGBT政策の中止、WHOの脱退と、矢継ぎ早にこれまでの民主党政権下で行われていた政策の転換を表明し、世界に衝撃を与えました。

第2次トランプ政権が今後、どのような政策を打つかに注目が集まりますが、トランプ大統領の任期中に日本から米軍基地が撤退する可能性もあり、今後の日本の外交政策についても、大きな転換を迫られていると言えるでしょう。

その日本では、かつて国民的人気を誇ったアイドルグループのリーダーを務めた人気男性タレントが、女性への性加害を理由に芸能界引退へと追い込まれました。疑惑の発覚から僅か38日での引退という、驚天動地の幕引きでした。

これと連動し、その深い関係性が指摘された某巨大民放テレビ局も、これまでの企業倫理の問題点が多く露見し、有力なスポンサーが次々と離れるなど、かつての隆盛が嘘のように存亡の危機に立たされています。これらの事象は、因果応報の報いが速まる“風の時代”の代表的な事例として、今後も占星術の世界でも長く語られてゆくことでしょう。

また、先月は福島での断続的な震度5レベルの地震や、埼玉で大規模な道路陥没が起きるなど、新年から人々を震撼させる災害が発生しました。穏やかならざる一年の予感と、未来への不安を覚えた方も多くいらっしゃったかと思います。どうか国土の安寧を、祈りたいものです。

立春を迎える2月3日、月運が三碧木星から二黒土星に移ります。旧暦でも正月を迎え、正式な令和7年のスタートとなる時です。二黒には“地球、大地、慈愛、貞節、母性愛、迷い”といった象意があります。

 “土”の星ですので、今月は、誰もが目先の困難に果敢に立ち向かい、大切なものを護るために、粘り強く目標を成し遂げようと奮闘する暗示です。 市井では、物価高による経済苦で事業の継続や上級学校への進学が厳しい状況となる方が多く出てきそうですが、クラウドファンディングなどの草の根の支援の動きで、協力し合って乗り切る動きも増えそうです。

ひたむきに生きようと奮闘する人々がいる一方で、西洋占星術の観点では“風の時代”入りし、パラダイムの地殻変動が起きていることもあり(後述)、凶悪犯罪や傷害事件などの増加が懸念されます。また、海外からの移民が日本に大量に流入していることで、価値観の違いによる日本人とのトラブルが多発するかもしれません。戦火、自然災害(地震、津波、噴火)の発生も懸念されます。個々の人間が、二黒の象意である“慈愛”の心を忘れずに生きたいものです。

2月の月運の干支は、 “戊寅(つちのえとら)”。春を迎えた、山のイメージです。今月は自信が漲り、決断力が増しそうです。政治家や経営者の方は、かねてからの懸案については今月、重要な判断を下すと良いでしょう。才能が豊かになる暗示もあるので、創作活動をされている方も、良いアイディアが思い浮かぶかもしれません。負けず嫌いな点が強く出ると周囲とのトラブルに発展する可能性もあるので、その点は注意しましょう。

二十八宿は“胃宿”。今月は頭の回転が速くなり、チャンスを巧みに掴めそうです。目標に向け情熱的に行動しますが、気性が激しくなる傾向があるので、言動や行動には十分に注意しましょう。特にSNS上でのむやみな争い事、誹謗中傷は一気に運気を下げるので避けましょう。

重要な契約や勝負事に関しては、大安の2日、8日、14日、20日、26日、一粒万倍日の6日、13日、18日、25日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方は、上記の日を選びましょう。なお、今月は西南の方位が暗剣殺となりますので、この方角への旅行等は控えるのが得策です。ただ10日までは天一天上期間ですので、家の掃除さえしっかりしておけば月初は方位に障りはありません。

天王星と木星の順行で社会も個人も目の前の景色が変わる — この激震走る季節を共に乗り切る、運命の相手との出逢いに期待を

西洋占星術の観点で言えば、1日は牡牛座の天王星が150日ぶりに逆行を終え順行に転じます。天王星はウイルス、ネットワーク、変容、解放を意味しますが、ITの進化によるテレワークの定着やノマドワーカーの更なる増加、副業の解禁、電子マネーの更なる浸透が促され、日本人のライフスタイルが一層、変化する流れが出てきそうです。“自分らしさ”の追求がキーワードと言えるでしょう。

4日には、やはり逆行していた双子座の木星が120日ぶりに順行へ。停滞感を覚えていた出来事、休眠中であったプロジェクトが何かのきっかけで再び、一気に動き出しそうな気配です。物質的成功よりも、魂が共鳴し合う仲間同士が緩やかに支え合う“互酬性”にスポットが当たり、深い繋がりを求める動きが社会の至るところで出てくるでしょう。

同じ4日には、魚座の金星が牡羊座に移動します。今月は、仕事面や人間関係に何らかの新たな展開がもたらされ、明らかに去年までと“空気”が変わったのを実感するでしょう。引っ込み思案、単独行動が多かった人は、失敗しても良いので積極的に自らコミュニケーションをとってみましょう。好きな趣味などを媒介に、共通の話題で盛り上がれる新たな友人を見つけることができそうです。

12日の22時54分には、獅子座で満月(スノームーン)が起こります。この時期は、色々と新しい人生を送るために必要な環境、人脈がトントン拍子で揃ってくる感覚を肌で感じることができるでしょう。自分の個性を押し殺すことなく、趣味や得意分野を評価されることで、自信がつく時です。一緒にいて心地好い仲間と過ごし、底抜けに楽しい時間を過ごすことができそうです。また、告白をきっかけに新しい恋愛が始まる方もいらっしゃるでしょう。“生きていることが楽しい”という気持ちに、満たされる時です。

14日のバレンタインデーには、水星が魚座に移動します(~3/3)。この時期は、魂の深いところで共振し合った人と、互いの全てを受け入れて愛するコミュニケーションを欲するでしょう。それは異性愛というより、人類愛というスケールの大きな繋がりかもしれません。テレパシーやサイキック能力が花開く時でもあるので、3月の天体の激動期を前に、様々な形で警鐘を乱打する人も多く出現しそうです。

そして28日の9時46分に起きる魚座での新月は、正月から着実に進めてきた人間関係の清算などをここで終え、自分の健康管理を優先し、新しい時代に合わせた生活習慣の改良を志向する時です。また、男性と女性が1対1で、恋愛や結婚などで親密な関係を築くタイミングとなるでしょう。本物のお相手が、やってくる時です。この時期に始まった人間関係は強固な信頼で結びつき、最期まで続くご縁となるかもしれません。すべてを受け入れるような無条件の愛の共振に、良い意味で身を震わせる真冬となりそうです。

この時期の世間では大学受験が終わり、進学の為に地方から都会に出てくる学生も多いでしょう。まさに多くの人が、過去にピリオドを打ち、新しい生活を始めるタイミングです。素敵な未来への予感で心を満たす、月末となりそうです。

風の時代に入り、最初の新年を迎えました。大きな時代のパラダイムの転換期に立ち会っていることを、いま生きている誰もが、感じていることでしょう。この時代の変わり目に、現代の変革の波に通ずる、幕末から明治維新の頃を題材とした小説を再び、読み返しています。今月は、水戸天狗党の首領として幕末にその名を遺し、ことし没後160年を迎える、武田耕雲斎(1803~65)の辞世の句を紹介しましょう。

咲く梅の花ははかなく散るとても 香りは君が袖にうつらん

(訳)咲いている梅の花は儚く散ったとしても、 香りは君の袖に移るだろう——

梅は、春の訪れを告げる花ですが、季節の主役である“桜”へとバトンタッチするまでの、渋い脇役のような存在です。地味な存在とも言えますが、私たちに新しい季節の到来を知らせてくれる、重要な役割を担っています。

街で梅を眺める機会が増える季節が、今年もやってきました。2日の節分を過ぎてから正式な令和7年の号砲が鳴りますが、まさに今月はあらゆる分野でリセット、再スタートの機運が高まってゆく気配です。このような激動期の渦中に在っても、読者の皆様が魂の絆で結ばれた必要な人物と出逢い、楽しい春への予感で胸に期待が膨らむ2月となりますよう、祈念しております。






(了)

 

 

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