トランプ復活に石破失速、激震走る世界情勢の渦中で……四緑木星12月は、ご縁でつながった周囲の人々を明るく励ますことで自身の運が上がる時
早いもので、今年も最後の月を迎えました。急に寒くなりましたが、読者の皆様、体調など崩しておられませんでしょうか。
先月行われた注目のアメリカ大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ前大統領が民主党のカマラ・ハリス副大統領を破り、4年ぶりに大統領へ復帰することになりました。かつて強力なリーダーシップで様々な改革を断行し、その政策は国内外に大きな波紋を呼びましたが、トランプ復活で日本に今後どのような影響が及ぶか、注目したいところです。
今年あったことを振り返ってみると、“風の時代”の本格化によりこれまで“土の時代”に権威、権力を備えた大学、政党、宗教団体等の影響力が大幅に低下し、また芸能界では長く頂点に君臨したカリスマが続々と活動休止や引退、死去等で表舞台を去るなど、社会に大きな動揺が走った一年となりました。
先月の冥王星水瓶座入りで正式に“風の時代”のスタートを迎えた私たちが今後為すべきことは、国や政府、会社など“上部組織”に依存せず、同じ理念で共鳴し合う同志や友人といったフラットに繋がる仲間と、手を携えることです。どんな過酷な状況に陥ったとしても、“タテ”ではなく“ヨコ”の連携で生き抜いてゆくという決意を、新たにする年末としたいものです。
大雪を迎える12月7日、月運が五黄土星から四緑木星に移ります。四緑木星は、“風”を表す星です。往来、遠方、交通、取引、盛況といった象意があります。人に例えれば、旅人、迷い人、商人といった、距離感を持って“動き”を表すもの、また信用、縁、調うといったキーワードが浮かび上がります。
先月の五黄土星は“帝王”という、政治指導者を表す象意でしたが、まさにそのイメージの通り、総選挙の大敗後になんとか第2次内閣を組織した石破首相は、首相指名の場面での居眠りやリオデジャネイロサミットで見せた数々の無作法をあり、内閣支持率が危険水域に入っています。アメリカでのトランプ大統領復活の影響もあり、年明けには再び首相退陣、新政権誕生の可能性が高まるかもしれません。個人面では、“往来”“遠方”の月でもありますので、インターネットを通して知り合った遠方の人と繋がったり、交際が始まったりというようなイベントもありそうです。
12月の月運の干支は、“丙子(ひのえね)”。今月は、真冬の空に輝く太陽のように、周囲の人々を照らし、明るく励ますことで自身の運気もアップしそうです。特に管理職や指導的立場についておられる方は、部下や後進の指導、教育で活躍する場面がありそうです。頭脳も冴えるので、仕事面で新たな業績を積めるかもしれません。
二十八宿は“奎宿”。今月は金銭感覚に優れ、財布の紐をギュッと絞める場面が多そうです。ロマンティックな気持ちが強まる気配なので、心を動かされると、取りつかれたように相手に対して溺れてしまうかもしれません。直感で突進して、のめりこまないよう注意しましょう。また、両親が高齢の方は、親族と相続に関する話し合いを持っておくと良いでしょう。
重要な契約や勝負事に関しては、大安の1日、7日、13日、19日、25日、一粒万倍日の13日、14日、25日、26日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方は、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は東南となるので、この方位への旅行や出張等は極力控えましょう。ただ、10日までは天一天上期間ですので、月の前半は家の掃除さえしっかりしておけば、方位に障りはありません。
“風の時代”入りから初のクリスマスを迎える12月 — ようやく巡り会えたソウルファミリーと、絆を暖め合う穏やかな年の瀬を
西洋占星術の観点で言えば、1日15時21分に、射手座で新月を迎えます。ペンディング中だった案件、休眠中だったプロジェクトが動き出す時。また、停滞していた人間関係が、復活する時でもあります。7日には、恋愛と美の星・金星が水瓶座に移動。今月は、これまで縁のなかった世界に住む異性との出逢い、予想だにしなかった場面でのご縁結びがあるかもしれません。恋愛に於いてもビジネスに於いても、どちらかが上でどちらかが下ではなく、フラットな楽しい雰囲気で関係が始まりそうです。
また同日、獅子座の火星が逆行に転じます(~2025.2/24)。この時期は闘争心やエネルギーが誤った方向に転ずる可能性があるので、テロや強盗傷害、女性は特に性的暴行といった事件に巻き込まれぬよう、十分注意しましょう。恋愛面では、過去に出逢っていた異性から突然連絡が来たり、久々に再会した友達と恋に落ちたりするなど、急転直下の嬉しい出来事が起こるかもしれません。意中の男性がいる女性は、ライバルに奪われる前に自ら動くことで、幸福な結果を得られるでしょう。
翌8日には、魚座の海王星が5ケ月ぶりに順行に転じます。これまで温めてきた夢や希望、やりたかったことを現実に落とし込み、行動する時です。来年に向け綿密に行動を立て、実現のために必要な“縁”を、繋いでゆきましょう。15日18時01分の双子座満月(コールドムーン)のテーマはズバリ、“家族”、そして“仲間”。今年も、多くの方に人間関係のふるい落とし、大幅な入れ替えが起こったかと思いますが、最後に自分の近くに残ってくれたソウルメイトに、感謝の気持ちをしっかりと伝えながら、来年への希望を語り合う時間を過ごしましょう。
16日には、射手座の水星が逆行を終え順行に転じます(~2025.1.8)。滞っていたコミュニケーションが再び円滑になり、その流れの中で特定の相手とのご縁が深まり、クリスマスイブ前に新たな恋愛がスタートするかもしれません。この時期は“言霊”の力が強まるので、大切なこと、叶えたいことはしっかりと口に出して行動しましょう。
21日には冬至、22日には太陽が山羊座へ。そして大晦日、31日7時26分の山羊座の新月では、この一年の過去を清算し、来年に向けて希望に満ちた、新たな人生の物語に身を投ずる覚悟が決まりそうです。厳しい寒さの中でも、笑顔と楽しい会話で心を暖め合う、年の瀬としたいものです。
今年も、クリスマスを控えた街は、眩いばかりの飾りつけとイルミネーションで、去り行く年を華やかに彩っています。それは同時に、穏やかで、しかし燃え上がるような“愛”が幾つも生まれる季節の到来を、告げています。
人間の歴史が続く以上、“愛”はいつも、永遠のテーマです。日本で初めて、“愛”という言葉を使って詩を書いたのは、石川啄木(1886~1912)だと言われています。年内最後となる本稿では、今年も1905(明治38)年に啄木が発刊した処女詩集『あこがれ』に収められた、「人に捧ぐ」の最後の一節を引きましょう。
“峻(ここ)しき生命の坂路も、
君が愛の炬火心(たいまつ)心にたよれば、
黯(くら)き空に
雲間も星行く如くぞ安らかなる。”
(現代訳)
険しい人生の坂道を登る時も、
あなたの愛を松明にして、心の頼りにすれば、
暗い空の雲の間に星を見るように、
私の心は安らかです。
啄木はこの詩を綴った7年後、僅か27歳の若さでこの世を去りました。そして、彼がこの詩を捧げた最愛の妻・節子も、啄木が世を去った翌年、彼の後を追うかのように、その短い生涯を閉じました。共に30歳にも満たなかった、余りにも短い生涯でしたが、その僅かな人生の瞬間の中で二人はめぐり逢い、そして互いを松明のように照らし合い、与えられた命の時間を、駆け抜けてゆきました。
啄木が生きた時代の100年後の世界を生きる私たちも、険しい人生の坂道を登る、魂で結ばれたお相手の行く手を、傍らで優しく、松明の如く照らし続けたいものです。必要なご縁と手を携えて、激動の“風の時代”を、生き抜きましょう。今年も一年、私のコラムを読んで頂き、誠にありがとうございました。それでは、良いお年を。
(了)