度重なる地震の恐怖、コロナの第8波、スタグフレーションの悪化 — 一白水星12月は、厳しさを増す生活環境の中で、強い意志をもって自分の道を切り拓く時
早いもので、今年も最後の月を迎えました。
まさに“激動の壬寅”ともいうべき一年を振り返る時期ですが、その余裕がないほど、現在進行形で社会情勢、経済は大きく揺れ動いています。先月は、都内のコロナウイルス感染者が再び1万人を突破し、いよいよ“第8波”の到来が懸念されています。また、発表された10月の消費者物価指数は103.4%と、昭和57年以来、40年ぶりの水準となりました。先月はスーパーで売られている食料品だけでなく、ハンバーガーや回転寿司など外食産業も値上げを余儀なくされましたが、給与が上がる好材料は見つからず、一層のスタグフレーションの深刻化が必至な状況です。岸田政権は、不祥事による閣僚の相次ぐ辞任で、土俵際に追い込まれています。年内に大きな波乱の芽が、まだ残されているでしょう。自然災害の面では、先月はインドネシアで300人以上が死亡・行方不明となる大地震が起きました。日本でも全国で中規模の地震が頻発し、市井では大地震の予震かという声も上がっています。一方、開催中のFIFAワールドカップでは、日本が強豪ドイツに奇跡的な逆転勝利を収めるなど、明るい出来事もありました。また、同大会では史上初の女性審判として、日本人女性の山下良美さんの活躍が、大きな話題を呼びました。その凛とした姿は、これからやって来る“風の時代”を生きる女性の理想像を、体現しているとも言えるでしょう。どうか、この師走が未来に希望を持てる一ヶ月となるよう、祈りたいものです。
大雪を迎える12月7日、月運が二黒土星から一白水星に移ります。
一白には“交合、色情、親愛、引力、慈愛”といった象意があります。
また“貧困、苦悩、孤独”といった、“闇”の面も強調されます。
“水”の星ですので、この年末は皆が水のように多くの人から必要とされ、多くの新しい恋愛や共同事業がスタートする暗示です。先月の月食の影響は今月も続くので、紆余曲折を経た男女が再会して復縁したり、一気に恋の炎が燃え上がるケースが、師走の街を彩りそうです。一方、苦労を暗示する星でもあるので、一段と厳しい経済状況による、生活苦との戦いを強いられる方も多くなるかもしれません。また今月は“水”の月の影響から、自然災害の面では“水害”には特に注意したいところです。激しい地震による、津波の発生が懸念されます。繰り返しになりますが、いつ何時天災が起こっても対処できるよう、枕元にリュックと靴を備え、すぐ避難できる態勢を整えておきましょう。また、災害が起こった際は、ATMが使用不可となる可能性が高いと言えます。万が一の為に、手許には、すぐに使える現金を常備しておきましょう。
12月の月運の干支は、“壬子(みずのえね)”。
真冬を迎えた、大河のイメージです。
今月は、誰もが厳しい環境の中でもやる気に満ち、強いエネルギーでどんどん自分の思うとする道を切り開いてゆきそうです。また、大河のようにゆったりとした気持ちを志向するので、束縛されることを嫌う傾向があるようです。周囲を気にせず、自分の意志で決断し行動してゆくことで、良い結果を得られるでしょう。
二十八宿は“畢宿”。
今月は、正義感が強くなり、とにかくパワフルに動き回る月となりそうです。ただ、勢いあまっての舌禍や軽率な言動からくる友人関係のトラブル、パワハラには注意しましょう。また、新しい年を前に、旧い問題の再発には気をつけましょう。重要な契約や勝負事に関しては、大安の6日、12日、18日、28日、一粒万倍日の12日、13日、24日、25日、百事吉の22日に設定すると良いでしょう。告白やプロポーズを考えている方は、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は北ですが、6日~21日は天一天上となります。この期間は部屋の掃除をしっかりしておけば、方位に障りはありません。
クリスマスを控え、眩いイルミネーションが街を彩る12月 — 積極的に行動することで、末永く支え合えるパートナーシップの構築を
西洋占星術の観点で言えば、今月は22日まで太陽が射手座に滞在しています。またコミュニケーションを司る水星、恋愛やときめきを表す金星も、ともに7日まで射手座に入っています。この初旬は先月に引き続き、積極的に行動することで恋愛が成就する流れです。木星も20日まで、魚座に滞在しています。これから繋がってゆくパートナーシップ、本気で愛してゆく恋人を選び取る時です。生活力があり、また肉体的に優れているなどの“強い異性”に惹かれ、頼りたくなる気持ちが強まる時期です。8日は13時8分に双子座で満月を迎えます(コールドムーン)。この時期は、SNSなどを媒介として、文章や言葉で友人や知人と積極的にコミュニケーションをとることで、来年以降の新たな展開に繋がる暗示が出ています。新たな恋人に恵まれ、素敵な予感で胸を膨らませている方もいるでしょう。火星も双子座で、年明け1/13まで逆行しています。この師走は多くの情報が錯綜し、国際情勢やコロナ関連ではフェイクニュースが飛び交うかもしれません。牡牛座の天王星も年明け1/23まで逆行していますが、進んでゆく社会構造の変化、価値観の見直しという激しい転換期にあって、“偽物”を掴まないよう、正しい人間関係、情報、知識を選び取りましょう。またこの時期は、“言葉”が大事な意味を持ってくるので、くれぐれもネット上での誹謗中傷や舌禍、口論は避けましょう。木星は、20日に再び牡羊座に移動します(~’23 5/17)。自分がこの人生で果たしたい魂の願い、年来の夢の実現に向け、改めて自身のライフデザインを組み直してゆく時間です。そして23日19時17分には山羊座で新月。生活してゆく為の社会での足場を維持しつつ、自分らしい生き方を志し、準備をしてゆくタイミングとなるでしょう。これまでの自分の歩みを振り返りながら、未来を見据えて準備に邁進する、忙しくも充実した年末となりそうです。
クリスマスを控えた街は、今年も眩いイルミネーションで、去り行く年を華やかに彩っています。それは同時に、ロマンティックで、燃え上がるような“愛”が生まれる季節の到来を、告げています。
人間の歴史が続く以上、“愛”はいつも、永遠のテーマです。
日本で初めて、“愛”という言葉を使って詩を書いたのは、石川啄木だと言われています。
本年最後の稿では、1905(明治38)年に啄木が発刊した処女詩集『あこがれ』に収められた、「人に捧ぐ」の最後の一節を引きたいと思います。
“峻(ここ)しき生命の坂路も、
君が愛の炬火心(たいまつ)心にたよれば、
黯(くら)き空に
雲間も星行く如くぞ安らかなる。”
(現代訳)
険しい人生の坂道を登る時も、
あなたの愛を松明にして、心の頼りにすれば、
暗い空の雲の間に星を見るように、 私の心は安らかです。
啄木はこの詩を綴った7年後、僅か27歳の若さでこの世を去りました。
そして彼がこの詩を捧げた最愛の妻・節子も、啄木が世を去った翌年、彼を追いかけるように、その生涯を閉じました。
共に30歳にも満たなかった、余りにも短い生涯でしたが、その僅かな人生の瞬間の中で二人はめぐり逢い、そして互いを松明のように照らし合い、命の時間を、駆け抜けてゆきました。
険しい人生の坂道を登る、魂で結ばれたお相手の行く手を、傍らで優しく松明の如く照らし続ける、12月としたいものです。
この師走は寒さが一層厳しさを増してゆきますが、『TRINITY』の読者の皆様にとって、穏やかな年の瀬となりますよう、祈念しております。
今年も一年、私のコラムを読んで頂き、誠にありがとうございました。
それでは、良いお年を。
(了)
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