令和3年10月メッセージ — コロナ禍の沈静化と向き合う私たちは、漸くめぐり逢えた“心友”と、遠き空に微かな希望を観る

10月

新首相の下で日本が再び上昇できるかの瀬戸際で — 六白金星10月は、これまでの忍耐や努力が報われ新しい仲間と歩き出す時

10月を迎えました。
この1年半、全国的に猛威を振るったコロナウイルスの感染者数は、形の上では沈静化の様相を見せています。緊急事態宣言は、まん延防止条例と共に解除となりましたが、新たな変異株の登場の可能性もあり、再びの冬の到来を前に、十分な危機感を保つことが必要となるでしょう。新型コロナを起因とする企業倒産による失業者は、既に2万人を突破しました。都内の主要な公園で行われているホームレスへの炊き出しには、若年層も増えていると聞きます。経済が好転する要素は見当たらず、今後も厳しい局面が続きそうです。政局に目を向けると、私が正月から予測していた通り、岸田文雄(昭和32年7月29日生/山下火丁酉七赤金星=飛躍運))氏が新しい自民党総裁に選出されました六白金星辛丑・令和3年のスタートにあたって——風の時代を迎えた私たちは、魂の仲間と懐かしい夢に向かって動き出す 参照)。今回は派閥の縛りが効かず、ベテランと若手の世代間対立も取りざたされましたが、今後も党として一つにまとまってゆけるかが課題となりそうです。岸田政権が発足してすぐに衆議院の任期満了選挙となりますが、今後のわが国の進むべき道を考える上で、大変重要な選挙となるでしょう。

寒露を迎える10月8日、月運が七赤金星から六白金星に移ります。
六白金星は、“天”を表す星です。
天は尊い、高貴のイメージですから、父性、権力闘争、支配といった面が強調されます。
また“完成”、“施し”、“首相”、“勝負”といったキーワードも挙げられます。
一方で“結婚”といった象意もあります。
この秋は、岸田首相の誕生に伴う新しい政権が発足し、その政策が注目を集めそうです。衆議院の総選挙が目前に迫り、選挙後の議席数次第では日を置かずに政局となる為、野党も巻き込んだ権力闘争が激しさを増すでしょう。一方で、 “結婚”の意味もあるように、先々月、先月からの流れでつき合い始めた男女が電撃入籍を果たしたり、長く交際したカップルが遂に結婚に辿り着くなどというケースが増えそうです。

10月の月運の干支は“戊戌”。実り豊かな秋を迎えた、山のイメージです。
“戌”は忍耐、勤勉、努力を表す字なので、今月はこれまでの忍耐や努力が報われ、良い金脈や人脈に恵まれる暗示があります。理知的で世話好きな面がある一方、負けず嫌い、言葉がきつくなるといった意味もあります。心当たりのある方は注意しましょう。
二十八宿は“心宿”。
今月は、あなたの許に様々な情報が集まり、洞察力に優れ本質を見抜く能力が高まりそうです。また一方で秘密主義になり、自分の事は他人に明かさない傾向が出るようです。執念深く物事に悲観的になりがちにもなるので、その点は注意しましょう。また、新しい友人をつくることにツキがあると出ています。今月知り合い、意気投合した人は、今後大きな力になってくれるかもしれませんので、大切にしましょう。なお、今月は北西、南東の方位が大凶となりますので、この方角への旅行等は控えましょう。ただ、12日から27日は天一天上ですので、この間はどの方位に進んでも障りありません。

 

ルノルマン&タロットによる個人面/社会面の月間リーディング — “船”“騎士”、そして“ワンドの2(逆)”“太陽(逆)”のカードが暗示する2021年10月の暗示は

10月の月間リーディングを、個人の生活面はルノルマンカード3枚引きで、社会情勢はタロットカードを使用し、スリーカードスプレッドで占いました。
ルノルマンリーディングで出たのは、『船』『指輪』『騎士』のカード。
『船』は“チャレンジ、夢、冒険”を、
『指輪』は“契約、約束、婚約”を、
『騎士』は“吉報が届く、待ち人来る、メッセージ”を表します。
今月の個人面は、今いる場所を離れ、新しい環境に向かって人生の大きな転換期に自ら飛び込んでいく暗示が出ています。それは転職や独立による仕事の変化であったり、長年住み慣れた土地を離れる引っ越しであったり、或いはパートナーとの恋愛の結実=結婚による環境の変化、といったこともあるでしょう。その新しい環境は、実は遠い昔、前世に縁のあった場所であるかもしれません。懐かしさと新しさが交差する中で、未来への希望を抱く秋となりそうです。

10月

社会情勢を占ったタロットカードで出たのは『太陽(逆位置)』『ワンドの2(逆位置)』『月(正位置)』。アドヴァイスカードは『恋人(逆位置)』。
“太陽(逆位置)”は将来への不安、悲観、自分だけで処理できない問題の屹立といった象意を、“ワンドの2(逆位置)”は、方向性が定まらない、不測の事態、空回り”を意味します。 “月(正位置)”は先が見えない、不安定、停滞、自ら創り出す恐怖などを暗示します。そしてアドヴァイスカードの“恋人(逆位置)”は正しい選択ができない、誤った情報が流布される、相互不信やバラバラな状態を表します。

10月

総合すると、この10月は、コロナの感染そのものよりも、経済的損失やメンタルを病んだ人へのケアが社会問題として浮上してくる気配です。コロナ禍によりバイトができなくなった大学生が生活に困窮し、犯罪に手を染めざるを得ない状況に陥るなどの問題が、深刻化するかもしれません。自営業の方は家賃の支払いが行き詰まったり、企業ではリストラの動きが加速したりと、社会は停滞の色を濃くしそうです。今月は4日に岸田自民党新総裁が国会で第100代首相に指名され新内閣が発足しますが、速やかな現金給付などの政策が出てこない場合、国民は失望し閉塞感は増すでしょう。また、ワンドの2の逆位置が出ていることから、今月は何かしらの“不測の事態”に注意が必要です。コロナ患者の実数は低減傾向ですが、一方で経済的な問題が、今月は重くなってきそうです。どうか、希望を失わずに日々を生きたいものです。

 

木星以遠の5惑星が次々と順行に転ずる10月 — 怒涛の如く変転する社会環境の中で、自分を支えてくれる真の友人との密な交流を

西洋占星術の観点で言えば、10/22までは太陽は天秤座に入っています。今月は対人関係、パートナーシップの中で、あなたの魂の成長が用意されていそうです。ご縁の強いソウルメイトとの出逢いの可能性もあるでしょう。水星も、天秤座で19日まで逆行しています。新しい仲間との交流の一方で、再会を願っていた懐かしい人物と、思いがけずご縁が復活するかもしれません。メールの行き違いや交通機関の遅延には注意ましょう。既得権益を象徴する冥王星は、山羊座で10/7、半年ぶりに順行に転じます。これまで隠されていた“闇”が、白日の下に曝される流れが出てきます。土星は11日まで、木星は18日まで共に水瓶座で逆行していますが、この辺りは政界や芸能界の大きなスキャンダルが出るかもしれません。収賄事件の露見、立件などがあれば、総選挙前に大動乱の様相となるでしょう。また、個人面ではこの時期は、過去の傷が抉られ、停滞感や劣等感をいつも以上に感じやすい時です。心身を病み、うつ病の発症や自殺を考える人が増える時期でもあります。心当たりのある方はしっかりと休養をとり、必要に応じてカウンセラーなどにSOSを出すようにしましょう。

6日20時6分には、天秤座で新月。月末まで天秤座に同室している火星の影響も相まって、いわゆる“風の時代”がいよいよ色濃くなり、皆のフットワークが軽くなりネットを介しての活発なコミュニケーションが展開されそうです。その中から新しい恋愛、共同事業の話も出てくるでしょう。ビッグビジネス、ライフワークが訪れる気配です。翌7日には金星が射手座に入り、恋愛の進展が早まる流れに。11日から19日まで土星、木星、水星の立て続けの惑星順行を経て、20日23時57分に起こる牡羊座での満月(ハンターズムーン)の頃は、チャレンジ精神が盛り上がり、新しい使命を果たす為に困難とも思われる試練を、一段も二段も乗り越える決意を固めそうです。また、海王星は12/1まで魚座で逆行しています。地震、水害にはこの秋、細心の注意が必要です。先日も記しましたが、この秋はまさに、新旧の人間交差点の只中で、“一つひとつの出逢いは、神聖なものである”ということを、再認識する時となるでしょう。

秋も日に日に深まり、いよいよ来年に向けての新しい展開を、おぼろげながら考え始める季節となりました。

今月は、作家・石坂洋次郎が、昭和14年に中央公論に発表した随筆『依願退職』の末尾に付した俳句を引きましょう。

 

柿ひとつ

空の遠きに

堪えむとす

 

秋田での安定した教員生活を捨て、作家として独立する決意と不安を表した際に詠んだ一句ですが、石坂はその後、小説『青い山脈』で敗戦の灰塵から起ちあがる日本人に希望を与え、流行作家としての栄光を掴みました。

それまで傍に在った旧いものを捨てると、新しい“何か”が、自分の許に入ってきます。

逃げ場所のない覚悟を決めた人ほど、大きな幸福の物語を掴むことが、できるのです。

読者の皆様におかれては、引き続きの厳しい環境の中でも、心から信頼し合える仲間と心を温め合い、生命を躍動させる10月となりますよう、祈念しております。

 

(了)

 

姓名学者・八田運命総合鑑定所主宰/八田靖彦

 

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