来年で没後70年。今もなお若者の心をとらえて離さない天才作家・太宰治は、本当に自らの意志で死を選んだのか。
お陰様で、三島由紀夫を取り上げた第1回は、多方面から反響を頂きました。
姓名判断という占いの観点から文学者を論じたテクストが存在しなかったので、読んで頂いた皆様にも新鮮に思って頂けたかと存じます。
第2回の今回は、やはり三島と近代文学の双璧を成す、太宰治を取り上げたいと思います。
来年、没後70周年を迎える太宰。
そのデガダンな生き様と箴言に溢れた名作の数々は、経済的繁栄を謳歌しながらも自己の未来に希望を見出せない、現代の若者の心をなおとらえて離しません。
前回取り上げた三島とは思想的には対極に位置する彼ですが、その最期は奇しくも、三島と同様、“自裁”という形でした。
筆名と本名の対比から、三十九年の生涯を駆け抜けた、彼の心の内奥を探ってゆきましょう。
姓名判断の基本事項の確認を
今回、はじめて読んで頂く方のために、改めて姓名判断の基本事項を記します。
“人格”とは、姓の最後と名の最初の字数の合計。
主に30代~50代の運気を支配します。
“外格”は、姓の最初と名の最後の画数の合計。
人間関係の幸運・不運を表します。
“地格”は、名前の画数を合わせた合計。
基礎体力や金運、恋愛運と幼少期~青年期の基本運勢を支配します。
“総画”は、姓名の全ての画数を合わせたもの。
人生全般のおおまかな運勢と最晩年を表します。
太宰治の本名と安倍晋三首相の姓名学での共通点-人格の最大凶数“20”との戦い
筆名『太宰治』は人格19、外格13、地格9、総画23。
基本的な性格を表す人格と、幼年期・恋愛運を支配する地格が大凶。
日本では“9”=“苦”として禁忌とされる数だが、その数意は「鋭い性格で孤独を好み、移り気で人間関係に波乱。ために挫折と敗北感を得やすい」。
青森の名家に生まれながらもその身分への罪悪感から左翼運動に走り、更に恋仲になった女性との心中事件を起こすなど、破滅的行動を繰り返した背景はこの画数の凶意か色濃く見えます。
ただ、外格の13、総画の23は計算高さの入った社交性とユーモア、他人に文句を言わせない分野での一代の成功を暗示。
井伏鱒二とのつかず離れずの交遊や数々の名作の執筆、そして死後の名声の獲得という点は、この強い吉運の星が支配していると言えましょう。