短編小説『春(プリマヴェラ🌼)』~フェアリーとの対話「Making New Friends 新しい友達🌹」 ~幸せタイムリーPART.77

「春」は卒業、移転、引っ越しの季節でもある。 別れもあれば、出会いもある。

☆~エンジェルセラピスト友紀が語る~ 天使との対話 マドンナリリー☆

春分の日も近づき、過ごしやすくなってきた今日この頃。
ケリーは最近、新しく購入したばかりのお気に入りのブルーメタリックのハイブリッドカーの燃費の良さに痛く感動し、どこまでもドライブしたい気分に駆られるのを抑えきれず、ここひと月はひまを見つけては、ひとりブラ~っと自分へのご褒美にと美術館巡りをするのが楽しみのひとつとなっていた。

 

先週は「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」、今週は「ボッティチェリ展」。

クリスチャンでもあるケリーにとってキリスト教の宗教画を眺めていると、心が落ち着き、特に天使画は心を穏やかにし、平安な気持ちに導いてくれるのであった。

同じ大天使ガブリエルの「受胎告知」も描き手によって随分と違ってみえるものだった。
ダ・ヴィンチはとてもシャープ、ボティチェリは柔らかくてエレガント。
「それぞれ素敵だけど、どっちか決断せよ! と言われたらダ・ヴィンチかな」なんて心の中で囁きながら、誰にも時間を縛られず、ゆっくりと自分のペースで鑑賞できる贅沢はまさにご酸味だった。

先日に足を運んだ「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」は休日ということもあり、館内はとても混んでいて、「糸巻きの聖母」を見るのに30分も並んだ教訓から「ボッティチェリ展」は平日に行くことにした。
しかし、予想に反して平日だというのにゲストの足は絶えず、少しづつ前に進むといった状態だった。

「ラーマ家の東方三博士の礼拝」「玉座の聖母と天使および聖人たち」「書物の聖母」次々と人気の名画が続く。
いがいにも「美しきシモネッタの肖像」の周りに人だかりができていた。
後方から「この絵が一番素敵!」といったご年配の女性の声が聞こえてきた。

一点を見つめる瞳はとても聡明で、曇りのない、偽りのない、揺るぎない力と透き通るような純白の肌は純潔を意味するのか? 静かだけと穏やかで、それでいて力強さも感じられる女性だった。

ギリシャ神話が題材とされている「ヴィーナス誕生」はいつも泡の女神アフロディーテを彷彿させてくれる。
水の中でブクブクと自由に泳いでいるような、陸と海を自由に行き来する人魚になったような軽やかな気分にさせてくれるのだ。
そして、なぜか遥か彼方の海洋国家アトランティスや昔、読んだローマ帝国の海上船なども頭に浮かんできて、勇ましさも伝わってくる絵だ。
真ん中の貝殻の上の女神は日本の天女に似ていてとても親近感を感じる。

左側の風の女神たちは「青天の霹靂」と言わんばかりに突如、天王星たちが出現したような驚きと風の清々しさが伝わって来るとても革新的な絵だった。
この清々しく前進力溢れる絵を眺めているとこれまでの思いが頭を巡らすのだった。

そしてフェアリーカードの「Making New Friends」のメッセージが私の耳元で囁く、
「昔の友人があなたから離れて行くかも。
そして新しい友人があなたの人生に現れるでしょう。」

その後、このカードのメッセージ通りの経験をした。8年前のことである。
そして、また今年もこのメッセージが私の耳元で囁いている。

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わたくしことケリーは8年前にセラピスト業に転身した。

その頃、あるエンジェル講座に参加し、二人ペアになり、
お互いに「今、一番必要なメッセージを教えて」と交換リーディングをした。
出たカードは「Making New Friends」だった。

その時、直ぐに学生時代から親しくしているある友人の顔がポンッと頭に浮かび上がった。
社会人になってからも、旅行やグルメ、ショッピングや映画などよく共に行動していた。
「えっ! 嘘、離れていくの? まさか!!」頭をよぎった。