【背守】
昔、背守という風習があったそうです。
大人と違って、子供の着物の後ろには縫い目がなく、後ろから魔が入り込むと考えられていたので、魔除けのために背中に刺繍をしたのだそう。
それで目を作る。
たとえ、一針でも。
子供が守られますように、という祈りを込めて。
写真がその背守です。
昔は事故も多かったので、何かあった時にその縫い目をつまんで引き上げられるようにということも考えられていたようです。
最初は一針……だったのかもしれないけど、そのうちお母さんたちも凝ってきちゃったのでしょうね。
様々な図案が出来てきました。
もちろんその一つ一つにはきちんと意味があって、深い祈りを感じます。
親が子を思う。その祈りを形にしたのが背守。
【神飾り】
日本人は古くから八百万は神である、ということを知り、様々な神々や自然界に祈りを捧げてきました。
横文字スピリチュアルが流行るずっと前から。
そう何千年、何万年も前から、日本人は祈りの民族です。
例えば神々さまへの捧げものとして、あるいは感謝のしるしとして。
または願いを込めて結ぶ。
結びはまた産霊(むすひ)でもあり、天地を結ぶ。人と人を結ぶ。
そんな祈りが形になった神飾りやしめ縄。
【お正月飾り】
もともと年神様を迎えるしつらえがお正月飾りや門松。
来る年が良い年でありますように。
来年も神々さまが私たちと共にあって下さいますように。
そんな祈りを込めながら縄をない、飾りを作る。
お正月だから何となく飾るのではなく、そこにははっきりした意図があり、祈りがありました。
そして昔はそうやって、一つ一つ祈りをこめながら自分たちの手で作っていたのですよね。
文明を否定はしないけど、機械で作られたものには祈りがない。
私たちはいつの間にかお金や時間と引き換えに、この大切な習慣や祈りの時間を手放してしまったけれど、でも日本にはそれを守り続けて下さっている方がいらっしゃるのです。
【天皇陛下の元旦】
天皇陛下はお正月2日と3日は一般参賀に出られます。
では1日は何をされているのでしょうか。閣僚などの新年祝賀をお受けになり、あとはご家族とゆっくり?
違います。
天皇陛下は元旦の朝四時くらいから四方拝という最も重要な祭祀を執り行われます。
真冬の寒さの中で、早朝から冷たい畳の上に正座をされ、たったお一人で長時間にわたり、東西南北の諸神に「豊作」「国民の平和と安寧」をお祈り下さるのです
飛鳥時代から連綿と続いているというこの四方拝は、宮中祭祀の中でももっとも重要な祭祀で、代理は認められず、ただお一人天皇陛下だけが行えるそうです。
寒さの中で、ご高齢のお体には答えるでしょうに、ただひたすらに国民の幸せをお祈り下さる。
アメリカの大統領もイギリスの女王陛下もそんなことはしません。
日本の天皇陛下は諸外国とは違って祭祀王ですから、お祈りがお仕事です。
元旦の四方拝を始め、年間30回にもわたる祭祀を行っておられます。
私たちのためにいつも祈って下さっているのですね。
ちなみに伊勢神宮の宮司さんも天皇陛下と同じことをされているそうです。
日本は祈りの国。
そして私たちは幸せを祈られている存在。
私たちはこういう方たちに知らないうちに守られているのですね。
そして私たちもいつの間にか知らないうちに手放してしまった大切な祈りの時間を、自分たちの手に取り戻すのです。
気づかないうちに手放しているから、何を手放したのかも、わからないかもしれないけれど。
祈りは意乗り。
例えばね、意図をするというときに、意図できるのは自分のことだけだけど。
祈りはね、自分以外のもののために意を乗せることができるのですね。
意乗ることができない、あの人やこの人のために、あるいは地球や自然や動物たちのために、私が意乗って差し上げることができる。
それはとっても素敵なことで、人間にしかできないこと。
宇宙は私たちの祈りに必ずこたえてくれるのです。
そして、祈りを形にしていく。
生きていくって結局そういうことだ、と思うのです。
新しい年。
あなたはどんな祈りを形にしていきますか?
スピリチュアルセラピスト美月結でした。
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