第125回★賛否両論! イギリスの発酵食品
今や世界で愛される和食。そんな和食に欠かせないのが味噌や醤油に代表される発酵食品です。麹菌や乳酸菌など微生物の働きによって善玉菌の増殖を促し、整腸作用が期待できる発酵食品は、ヨーロッパでもヨーグルトやチーズはじめ、ザワークラウトやケフィアなどオリジナリティ溢れる溢れる食品が存在します。ではイギリスではどんな発酵食品が愛されているのか?
その代表とも言えるのが「マーマイト」。
ビールを作る工程で生まれる酵母を主原料とした発酵食品で、真っ黒なペースト状が特徴的。そのお味は塩辛さと独特のコクがあり、好き嫌いがはっきり分かれる食品としても知られています。イギリス家庭ではカリカリに焼いたトーストに塗って食すのが一般的。(しょっぱいからか、マイルドなバターをトーストに塗ってから、その上にマーマイトを塗る人もいます)。
イギリスで販売されている通常の「マーマイト」は黄色いキャップがついた真っ黒なボトルですが、真のマーマイト愛好家のためにマスター・ブレンダーによって作られた「マーマイトXO・エクストラ・オールド(Marmite XO extra old)」なるものも販売されていました。どちらのボトルにも栄誉ある英国王室御用達の称号がプリントされています。
またスーパーマーケットのお菓子の棚では、「マーマイト」とのコラボ商品「マーマイト・ライスケーキ(Marmite rice cakes)」も発見しました。こちらはサクサクの食感が特徴的なお米のスナック菓子で、焦がし醤油のような風味を感じる、ついつい手が伸びる美味しさでした。他にもポテトチップス、ナッツなど、さまざまなコラボ商品も展開しています。
そんな「マーマイト」の起源は、19 世紀後半にドイツの科学者によって偶然発見されたのだとか。 その後1902年にイギリスのバートン・アポン・トレントにて設立された「マーマイト・フード・カンパニー」によって「マーマイト」が販売されました。細胞の代謝や赤血球の生成などに不可欠なビタミンB群が豊富な「マーマイト」は、イギリス人たちの強い味方として愛され続けています。
コラボ商品の「ナリーンズ・マーマイト&チーズ・オートケーキ(Nairn’s Marmite® & cheese oatcakes)」は、腸も喜ぶ食物繊維が豊富な全粒オーツ麦はじめ、マーマイト酵母エキス、チーズパウダーなど発酵食品同士がコラボしています。美味しく食べながら腸内環境も整いそう♪