「運任せ」の部分には、見えない力が大きく働く! ~プロ野球ドラフト会議のくじ引きから、見えない存在の調整力を考察する~

くじ引き

私は昔から、プロ野球に興味を持っています。今から約30年以上前は、セ・リーグとパ・リーグの人気の差が非常に大きく、テレビ中継はセの巨人戦しかない状態でした。パの試合結果は、スポーツニュースでも映像が流れることはなく、勝敗の結果だけで終わったものです。

若かった私は友人と、ロッテの本拠地であった川崎球場へ何度か遊びに行きました。常に応援団はいたものの人数は少なく、球場内は閑散とし、観客数は1000人にも満たなかったと思います。

そうした状況から、これからプロを目指す若い選手達は皆、セのチームに入ることを希望していました。プロ野球ドラフト会議でパのチームに入ることを嫌がる姿は、その関係者やファンを悲しい気持ちにさせていたことでしょう。

現在は人気の差がなくなってきた両リーグ

現在では、パ・リーグ各球団の営業努力などにより、セパの人気の差がほとんどなくなってきました。その大きな理由として、球団がない都道府県へ、いくつかの球団が移動したことが挙げられます。そのため地域密着型となり、どの球団も熱心なファンを多く抱えることに成功したのです。

 それ以外に、パ・リーグのドラフトの成功が、人気上昇に大きな影響を与えたといわれています。ドラフトにかかる若手の人気選手は、複数の球団が欲しがり指名します。その場合、くじを引いて獲得球団を決定します。すなわちドラフトは、球団の力の強さや人気のあるなしに関係なく、まさに運だけで決まるのです!

人気球団ほど弱いドラフトのくじ運

長年、このドラフトのくじ引きに注目し続けたところ……気がついたのは、「最も人気がないチームが、当選くじを引くことが多い」ということ。集計した訳ではありませんが、かなり高い確率だと体感しています。

昔から最も人気がある巨人と阪神のくじ運が、非常に悪いのです。それに対して、ロッテや楽天など他に比べるとファンの数が少ないとされる球団が、くじで人気のある選手を獲得することに成功しています。

くじ引き

 例えば昨年の2024年は、巨人、阪神、DeNA、中日の4球団が金丸選手を指名し、くじ引きをしました。この時私は、最も人気がなさそうな中日が引くのではないか、と予想したところ……やはり、中日が当選くじを引いたのです。

同じく2024年の人気選手である宗山選手は、広島、ソフトバンク、日本ハム、楽天、西武の5球団が競合しました。そしてやはり、最も人気度が低いだろうと思われる楽天が、当選くじを引いたのでした他の年でも、この法則が発動していると感じる例は大変多く、枚挙に暇がありません。長いこと、一番の人気選手をパが持っていく……という流れが続いたのです。

目に見えない存在が、人気の均等化に力を貸している

これは、単なる偶然でしょうか? 運の法則を考えると、勢いのあるところや強いところが、当たりくじを引くものです。ところが全く逆のパターンになっています。プロ野球の中で、唯一の運任せであるドラフトくじに、何かの目に見えない存在が力を貸してくれている……と、私自身は考えています。それだけ、顕著な結果が出ているのです。

くじ引き

その何者かは各球団の人気の差を均等にし、全ての人達が楽しく平等に観戦できる状況を作り出してくれているのではないでしょうか。

あの閑散としていた川崎球場や、パのチームに入るのを嫌がっていた人達のことを思うと……そうした存在に、感謝の気持ちでいっぱいになります。このように、運に任せる部分には、目に見えない存在の調整力が働くことが多いのでしょう。








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