歴史から辿るイギリスの神秘〜今でも目には見えないエネルギーを伝え続ける国

イギリスはエネルギーヒーリングにも医療保険が適用されるというのは都市伝説であり、事実ではないようです。

【どこか日本と似た精神性を感じさせるイギリス】

日本から遠く離れていながらも、イギリスという国の精神性はどこか日本人と通じるものがあるように感じられます。
それは、イギリスも日本も島国であり、なおかつ木々や緑を特別なものと考える文化があるからかもしれません。

イギリスの歴史は古く、今から5000年以上前には、現在も残っている「ストーンヘンジや、ドルメン、メンヒルといった祭祀用の石碑」が作られています。

そして、紀元前9世紀から5世紀にかけて、ケルト系の民族が国家形成します。

ケルト民族といえば、イギリスの古代部族というイメージが強いのですが、実はストーンヘンジなどはそれよりも昔から存在していたわけです。

ケルト民族はその後、ローマ人によって支配され、さらにその後、ゲルマン人、ノルマン人なども侵攻し、狭い国土の中に多くの小国が乱立することになります。

 

【キリスト教の裏側に感じられる多様な文化】

このあたりも、日本と似たところですが、ほぼ単一民族で争っていた日本に比べると、「さまざまな文化がヨーロッパ各地から流入していた」のがイギリスの特徴といえるでしょう。

その後、宗教改革によって、キリスト教が国教として取り入れられ、現在でも「キリスト教徒が国民の7割近く」にのぼっています。

それにもかかわらず、イギリスはスピリチュアルな分野に非常に懐が広い国なのは、こういった多くの文化という過去から続く豊かな歴史があるからなのかもしれません。

 

【心霊主義が社会現象になった国】

(フォックス姉妹/画像提供・ウィキペディア)

基本的にキリスト教は死後の世界を認めていません。

しかしながら、スピリチュアルという言葉の発祥ともいえる心霊主義、スピリチュアリズムが登場したのは、イギリスから多くの移民がわたった「新大陸アメリカ」だったのです。
ニューヨーク郊外のハイズヴィルで起こったポルターガイスト現象をきっかけに、霊と交信できるという「フォックス姉妹」という霊媒が一躍有名となり、それから数年でそのブームはヨーロッパまで伝達されました。
その中で、特に心霊主義を歓迎し、「社会現象にまでなったのがイギリス」だったのです。

このようなこともあり、現在まで続く世界的老舗の心霊現象研究団体「The Society for Psychical Research」が設立されたりもしています。

こちらは略称の「SPR」として知名度が高いので、名称を聞いたことがある、という方も多いかもしれません。
今から100年以上前、1882年に設立されたこちらの団体は心霊現象や超常現象を科学的に研究することを目的としたものです。

当時の心霊主義がどれほど注目されたかというと、SPRの支持者の中には、『シャーロックホームズ』の作者であるコナン・ドイル、『不思議の国のアリス』の作者であるルイス・キャロル、『トムソーヤーの冒険』の作者であるマーク・トウェイン、さらには心理学者のカール・ユングなどといった、現代でも知られている「多くの著名人」が存在したことからもわかると思います。

 

【小説でも現実でも魔術の本場であるイギリス】

さらに、ほぼ同時期のイギリスでは、心霊主義だけでなく、ヨガをはじめとした「東洋哲学や、エジプト神話、タロット、錬金術」といったものも人気を集めており、それらを統合し、「カバラをベース」に独自のシステムを創り上げた魔術結社が登場しています。
お伽噺で語られる魔術ではなく、スピリチュアルな分野の影響を受けて成立したこちらの魔術は、「西洋魔術」「高等魔術」などと呼ばれて区別されるようになり、現代にまでその影響を与えているのです。

世界的なベストセラーとなった『ハリー・ポッター』シリーズの舞台がイギリスになっているのもこういったイギリス独自の文化が現代まで続いていること、また、神秘的な古いたたずまいを残している町並みといったものが要因といえるでしょう。
だからこそ、「現実の世界の裏側に魔術の世界がある」という設定をリアリティをもって感じることができるのです。

 

【今でも目には見えないエネルギーを伝え続ける国】

実際、現代でも前述したような西洋魔術を伝える魔術結社は、イギリスに存在しており「100年以上の歴史を持ったカリキュラムを伝えています」し、「エネルギーヒーリングなどを学べる学校も多く存在」しています。
ただし、イギリスはエネルギーヒーリングにも医療保険が適用されるというのは都市伝説であり、事実ではないようです。

ストーンヘンジという、現代までに残るストーンサークルを作った古代の人々、緑や木々を信仰していたケルト民族、さらにヨーロッパ各地からの文化、19世紀に流行した心霊主義や魔術、そういった伝統を捨て去ることなく、守りながらも伝えているイギリス。
日本でスピリチュアルという言葉を一躍有名にした江原氏が学んだことで知られる「SAGB」などをはじめとして、今でも質の高いスピリチュアルなカリキュラムを提供し続ける学校が多く存在できているのは、そういった「脈々と続く文化」がポイントといえるでしょう。

Spiritual culture brought about by old history.
England which continues to convey spiritualism and magic for over 100 years.

 

《ベーターくん さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/betar/?c=78809