一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.151 「ダンガル きっと、つよくなる」

レスリング愛の父の夢を娘が叶える!
愛と涙のインド版スポコン大感動作!

熱くなった。
ラスト、号泣!

手に汗握る白熱戦に大興奮、歓喜した!

インド映画の底力。
観客を楽しませることに命を賭けているインドの映画人たちの心意気に打ちのめされる。
いや、そんなことを考えたのは見終わった後だ。
とにかく、クライマックスまで観ている間は映画に夢中だった。
熱中した。
椅子から立ち上がりそうになったと言っても過言ではない!
私はギータの奇跡の試合にのめり込んだ。

なんて幸せな時間を過ごさせてくれた映画だろう。
私は映画を観ることがやめられない。
こんな、衝撃的な感動作とたまに出会えるからだ。
滂沱の涙に濡れまくったよぉ~。

さて、本作は実話だそう。
ま、実話にフィクションを混ぜている(インドらしい)そうだけど。

お話を少し。
レスリングをこよなく愛する男がいた。
彼自身も国内チャンピオンまで上りつめた強者。しかし、生活のため引退し、金メダルの夢は息子に託そう
とする。が、生まれた四人の子供はすべて女! 男は上の二人の娘の喧嘩強さを見て、彼女たちにレスリングの特訓を始める!
鬼のようになって自分たちに特訓を課す父親に娘たち、ギータとバビータは反抗もするが、やがてレスリングの大会で勝利を重ね、長女のギータはインド代表となって国際スポーツ・アカデミーに入団することになる。
しかし……。

 

女優たちのレスリングシーンの快!
アーミル・カーンの肉体改造の驚!

この娘たちの幼少期と青年期を演じる四人の女優たちはもちろん、レスリング経験一切なし。しかし、これまた大特訓によって、レスリング選手となった。
劇中のレスリングシーンは全て彼女たちが演じているのだと言う。
私は最初レスリング選手をキャスティングしたのだと思ってた。
それくらい、凄まじくリアルな試合シーンを魅せてくれる。
入魂の全力闘志の闘いぶりはプロ顔負けだろう。
ラストはもう、息を止めて成り行きを見守った。

インド映画ならではの、ダンスシーンはないが、歌で娘たちの心情を表現し、過酷な特訓シーンを流れるように魅力的に見せている。
父親を演じる「インドの宝」と言われるアーミル・カーン。
えらい、太ったな、と思っていたらなんと、70キロから97キロに体重を増やしたそう。
しかも、若い時代もアーミルが演じているのだそう!
絶対若い役者を使ってると思ったくらいピチピチな若さ(ちなみにアーミルは52歳です)と色気だったのでまたも驚愕!
しかもしかも、太ったシーンを撮ってから痩せたシーンを撮ったそうなのだ。
頭が下がります!(痩せる理由がなくなるというコメント)。

このアーミル演じる父親と、娘たちの関係がハラハラ。
娘は難しいのだよ。
しかし、心が通じ合えば父と娘ってのは最強なのだ。
母と息子より。たぶん。

 

何度も泣かされる。意地を張る
父と娘の心が通じ合うシーン

父と娘のシーンでは、ラスト以前にも何度も泣けるシーンが用意されている。
まず、ギータがスポーツ・アカデミーに入ってから父親との絆が揺らぎ始め二人の関係が上手くいかなくなる。
ギータはどうしていいかわからず、やっと父親に許しを請うために電話するのだが、そこでギータは電話口で何も言えない。
ただ、泣くだけなのだ。
そして、父親も何も言わない。
ただ、泣き声を聞いているだけ。
ここはもう、私号泣!
こういうとき私もかつて何も言えませんでした。
ただ、電話口で泣いてた。
泣いてたら喋れんけどね。

次に、ギータが父親にどうしたら優勝できる? と聞くシーン。
ここで父親はインド中のお前に憧れる少女たちの夢を背負って闘えば勝てる、と断言する。
インドでは女子が夢を叶えることはなかなか難しい。
しかし、ギータの成功で、インドでは何千人もの少女がレスリングを始めたのだ。
ここでも涙がうっ……。

 

ラストは、凄いよ!
素晴らしい映画は、元気をくれるのだ!

そしてラストのメダルを賭けた試合シーン! 涙腺決壊状態でした。
もう、力入り過ぎて肩凝ったくらい。でも、ラストは気持ちもスッキリ!
るんるんで家路についた。
パワーのある映画はほんとうに力をくれる。
素晴らしい映画は観終わって元気にさせてくれる。最近そういう映画が
減ってる気がする。
でも、本作に出会えた! 感謝だ!

ちなみに、ギータも吉田沙保里には負けたそうである。
霊長類最強、改めて、日本人は凄い!

 

監督・脚本 ニテーシュ・ティワーリー
脚本 ピユシュ・グプタ
出演 アーミル・カーン サークシー・タンワル ファーティマー・サナー・シャイク
サニャー・マルホートラ アパルシャクティ・クラーナー ザイラー・ワシーム
スハーニー・バトナーガル

※140分

※大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマTOHOシネマズ二条、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸、TOHOシネマズ西宮OSにて4月6日(金)より全国公開です。
©Aamir Khan Productions Private Limited and UTV Software Communications Limited 2016

 

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