優しさが天国への光に気づかせる~「私の気持ちをわかって」と願い続けた少女のスピリット

人は亡くなったら皆天国に行くのでしょうか!?

私は「イエス」と答えます。
しかし亡くなられた時の状況により、スピリット(霊)になってもすぐに天国に行かない・行けない事もあると考えています。

心残り、後悔、怒り、恨み、執着、依存……そうしたものが強すぎたり、また遺族があまりに悲しみに沈んで我を失ったりしている時も、スピリットは天国に行くことをためらうことがあるようです。

あるお客様のミディアムシップを行っていた時に、若い女性のスピリットが現れたことがありました。
薄幸そうな、病死されている方のように感じられ、その時のセッションでメインにおつなぎした方ではなかったのですが、この機会に是非自分のことを知って欲しい……という感じで来られていました。

お客様の母方の親戚か遠い血縁関係のように感じられ、確認をとると、もしかしたら……と思い当たる方が一人いる、との事でした。

17歳くらいで病死している若い女性だそうです。

 

天国に行くことをためらう魂

その後しばらくして、そのお客様からの紹介で別のお客様のミディアムシップを行うことになりました。
セッションを行うと、現れたのはあの若い女性のスピリットでした。
お客様はこの若い女性の、より近い親戚にあたる方だったのです。

それでも、生前彼女と直接的な交流があった訳ではなく、しかし過去に原因不明の体調不良でお祓いに行った時に、霊媒師にこの若い女性の霊の影響であることを伝えられたことがあるそうなのです。

私は、この若い女性のスピリットは未成仏であると感じました。

なぜ、彼女は天国に行くことに抵抗するのでしょうか!?

そしてなぜ、自分の遺族と密な繋がりがあるわけではないお客様に、伝えたいことがあるのでしょうか。

 

私の気持ちをわかって、私に気づいてと伝えてきたスピリット

色々と確認をとっていくと、この若い女性は若くして亡くなれたことの薄幸さだけでなく、生前の家族関係もやや複雑で、死後も決して大事には扱われていないことがわかってきました。
彼女は、生前も死後も自分がぞんざいに扱われていることが辛かったのです。

天国に行く前に自分の気持ちをわかってくれる人が欲しかったのです。
それは恨みというより、17歳の少女らしい切望のように感じました。
彼女はなんとかして、自分の家族のことを知っていて、そしてスピリチュアルなことや霊的なことにも理解があるお客様と、私を結び付けたかったのです。

セッションをしているうちに、この若い女性のスピリットの波動がどんどん軽くなっていくのがわかりました。

それは思いの丈をやっと伝えることが出来たからです。
そして何よりも、お客様が深い同情と慈悲の心をもたれて彼女の気持ちに共感してあげた、そのことが大きかったと思います。
私が一番感動したのも、お客様の優しさでした。

 

優しさが天国の光に気づかせる

「霊があなたと話したがっている」と言われたら、多くの人はギョッとしてしまうでしょうし、人によっては理由を知ろうともせず拒絶、気味悪がる、「今すぐ祓ってください!」なんて言う人もいるかも知れませんよね。

でもお客様はこの若い女性のスピリットを拒絶せず、彼女からのあるリクエストに関しても、「できません」などと即座に否定せず、何とかしてあげられないだろうか……と思われました。

その優しさと誠意を感じた時、この若い女性のスピリットは癒されたのです。

私は彼女に「天国の光に気づいて。とても素敵な世界だから」と伝えました。
そして彼女がお客様の優しさに癒された時、天国から彼女を迎えにきたスピリット達の優しい波動を感じました。
(私は、亡くなった人を天国にお迎えする仕事を行うスピリット達がいると感じています)

セッションの最後には、この若い女性のスピリットは「もうあなた(お客様)に迷惑はかけられない」とまで言ってこられました。
そして天国に行ったサインを送ると伝えて来られました。
それは、お客様の心にはっきりと伝わると。

セッション終了後、お客様から感謝のメールと、その日の夕方にダブルレインボーを見たという写真が送られてきました。

欧米のミディアムシップは、未成仏だからと言って「祓う」という概念はないように感じます。

勿論、欧米でも悪魔祓いなどの分野があるのは知っていますし、生きている人間同様に、関わりたくなければ拒絶する権利が私達にはあります。

面白半分で関わってはいけない領域であるのは確かでしょう。

しかし、もし善良な霊が天国に行こうとしないのなら、そこには何か理由があって、多くは、気持ちを聞いてあげることや、遺族とのわだかまりを解消することで、彼らは安らかに天国に旅立って行くのです。

ミディアムはそのサポートもします。

私にとってもこのセッションはチャレンジングであると同時に、感動的な時間となりました。

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