幻視者にして聖女がビールに与えた力 人の心に影響を与え、癌を癒すホップ

中世ヨーロッパ最大の賢女が見いだしたホップは、現代でも私たちの身体と心を癒してくれますので、是非とも上手に活用しましょう。

そんなホップに関して、様々な研究が行われています。2011年には京都大学が「ホップがもたらす苦みを産み出す遺伝子」を発見しています。そして、この苦み成分には「抗炎症作用や細胞増殖抑制作用といった癌の成長を抑制する効果がある」こともわかっています。さらに2014年にはおなじく京都大学がホップから抽出した物質が「アルツハイマー病の発症を抑える力がある」ことを明らかにしました。

今から900年以上前から、人の心に影響を与えるとされてきたホップですが、最新の研究によって、「脳」という人の心を産み出す重要な器官にたいしての影響を与えることがわかってきたというのは、偶然というよりも、昔の人の理解がそれだけ深かったという証拠なのかもしれません。

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【ビールはダイエットにむいている】

ちなみに、他にもホップの効果として「血糖値の上昇を抑制したり、中性脂肪の蓄積を抑制するという生活習慣病の予防、さらにはダイエット効果もある」とされています。このように表現すると、そんなホップの含まれたビールが、「ビール腹」などという言葉があるように、不健康で、なおかつダイエットの敵というイメージがあるのは不思議に思うかもしれません。実際のところ、ビールという飲み物だけで考えると、決して不健康なものではなく、「ダイエットに向いている」のです。

前述したようなホップの効能によって、ビールは「カロリーに比べて脂肪になりにくい飲み物」であり、含まれているアルコールのカロリーも脂肪よりも熱となって体外に放出されやすいのです。では、なぜ、ビールが悪役になるのかというと、それは「おつまみ」にヒントがあります。ビールは苦みが強いお酒ですので、単品で飲むというよりも、なにか「脂っこいおつまみと一緒に飲んだ方が美味しいもの」です。そして、ホップには食欲増進作用もあるので、ついつい食が進んで、アルコールによる気分の良さもあいまって、「必要以上におつまみを食べてしまうことで、太ってしまう」というわけです。

カロリーの高いおつまみを食べないで、ビールの良さだけを受け取るためにはどうしたらいいのかというと、最近人気となっている「低糖質低カロリーアルコール0%」のビールを飲めばいいのです。このようなタイプのビールにもホップは入っていますので、ビールのいいところだけを受け取ることが可能です。苦くてどうしても辛いという方は、野菜やナッツ類など炭水化物が少ないものをおつまみにしましょう。

中世ヨーロッパ最大の賢女が見いだしたホップは、現代でも私たちの身体と心を癒してくれますので、是非とも上手に活用しましょう。

 

【参考サイト】

ホップ抽出物でアルツハイマー病の発症を抑えることに成功(サッポロビール株式会社)
http://www.sapporobeer.jp/news_release/0000020737/

ホップの苦味成分を作る遺伝子を発見(京都大学)
http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2011/111227_1.htm

Isohumulones modulate blood lipid status through the activation of PPAR alpha.(PubMed)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16099209

Prevention of diet-induced obesity by dietary isomerized hop extract containing isohumulones, in rodents.(PubMed)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15852044