アーユルヴェーダで使われてきたハーブたち~ペパーミントの薬効とさまざまな使い道〈1〉~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.77

ある時、インド人女性の友人宅に行った時に、チャイと一緒に、インドのローカルなおやつ「チャーット」なるスナックが出てきたことがありました。

引き続き、アーユルヴェーダのハーブシリーズでお伝えしていますが、今回は「ペパーミント」のお話です。

 

インドで生活し始めるまでは、ほとんどなじみのないハーブだったペパーミント。

和食にはほとんど使われない食材ですし、当時は近所のスーパーで売られていることもなく、当時みかけることができた場所といえば、都会にある高級デパート内の野菜売り場のほんの小さな一角で、ほんの数本の束がすごい値段で売られていたことを記憶しています。

その時のペパーミントのイメージは、西洋風の飲み物やデザートなどにほんの一枚程度、飾りとしてついているもの。といったイメージしかありませんでした。

このように、日本で暮らしていた頃にはほとんど使ったことのなかったこのペパーミント、住む国が変われば全く違い、インドで暮らすようになってからは、日常的によく使う食材になりました。

ハーブやスパイスがふんだんに使われるインド料理の世界では、ミントはとても頻繁に使われるなくてはならない食材のひとつ。
近所のローカルな野菜市場へ行けば、かなりボリュームのある束になったものが、タダ同然の値段で手に入ります。

当時は、ミントの使い方を全く知らず、一束でもかなりボリューミィなミントの束を見て、一体この量をインドの人たちはどうやって使うのだろうと、首をかしげたものです。

そして、暮らす中で自然に、ミントをふんだんに使った料理を、当時同居していたインド人女性や、インド人の友人から教わることができました。

 

ミントのフレッシュな生葉は、主にチャツネを作るために使われます。

(チキンビリヤニと一緒に食べられるチャツネ)

このチャツネは、コリアンダーの生葉や、生ココナツ、レモン、ショウガ、グリーンチリなどと一緒に組み合わせ、ミキサーにかけてドロドロにしたソースのようなものです。

チャパティやパラタと呼ばれるインドのパンや、炊き込みご飯(ビリヤニ)と一緒によく食べられ、このチャツネがあるかないかで、食欲がまるで違ってくるほどのいわば「食欲増進の素」のようなもの。
(当時、近所にビリヤニがおいしいと評判の店があり、チャツネのついたそこのビリヤニにはまり、通いつめたこともありました)

ある時、インド人女性の友人宅に行った時に、チャイと一緒に、インドのローカルなおやつ「チャーット」なるスナックが出てきたことがありました。

このチャーットは、油で揚げてある小さなせんべいのようなものに、ムング豆やヒヨコ豆のモヤシをパラパラのせ、さらにミントチャツネ、ヨーグルト、デイツとタマリンドを混ぜた、一見とんかつソースのようないでたちの不思議なソースをかけたもので、組み合わせもさることながら、日本ではまずありえない類いの味(というか想像すらできない味)で、かなりインドテイストの濃いスナックだったのですが、なぜかクセになりそうなスナックでした。

その友人曰く、このチャーットはなんでも、インドのギャルたちが大好物のスナック(ストリートフード)とのことでした。

(インドのスナック「チャーット」)

というわけで、インドの食卓にも頻繁に登場するこのペパーミントは、もちろんアーユルヴェーダにおいても長年に渡って使われ、その効果が実証されてきたりっぱなハーブ薬。

次回からは、そんなミントの薬効が得れるヘルシーレシピや、肌、髪のケアに使う方法などを、数回に分けてお伝えしていきたいと思います。

★次回は、ミントを使った「夏に向けての痩せレシピ」をご紹介します。

 

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(トップ画像/ミントとコリアンダーのチャツネ)