■肌の美容は塩だけで十分? 美容アイテムとしての塩〜『アーユルヴェーダにおける、塩のお話<4>』~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.48

健康を促進し、美容にも大活躍する岩塩や自然塩。 自然界が授けてくれたこの偉大な浄化アイテムを、大いに活用してみて はいかがでしょうか。

塩のお話・最後の今回は、塩から得られる美容・健康効果についてお伝えしたいと思います。

 

★塩を全身に使い始めた背景

インドでの生活は、今思えば、忍耐の連続の日々でした。

ちょっとした日常雑貨品を買うだけでも店をはしごしなければならなかったり、急に水道から水が出なくなったり、電気がこなくなった
り(次にいつくるのか、全く誰にもわかりません)、修理を依頼しても一向に現れない業者。

マスタードの容器になぜかケチャップが入っているレストラン。

また、リキシャに乗ればいちいち値段の交渉が繰り広げられ、場合によってはケンカ腰で挑まなければならなかったりするので、

リキシャをひろってなんの問題もなくスムーズに目的地に着くことができた日は、「今日はなんてラッキーな日なんだろう」と嬉しくなり、チャイもひとしおおいしく感じられるほどでした。

チャイは癒しアイテム

 

日々がいちいちハードで、ただ普通の生活を送るだけでも戦いの連続のようなインド生活。

また、住んでいた場所が、気候的に乾燥が激しいデカン高原の真ん中にある都市で、夏には脱水しないでそのまま干した服が2時間程度で乾いてしまうような乾燥地帯だったこともあり、湿気をほとんど含まない乾燥した空気はいつも、排気ガス、ゴミの燃えカス、牛の糞などが混沌と混ざり合い、ちょっと外出して家にもどるだけで鼻の中が真っ黒になるほどの空気汚染……。

肌や髪にももちろん、こういったチリやホコリはつもります。

こんな環境だったこともあり、自分をつねに清め続けないことには、真面目に心も体も病んでしまう。という切羽詰った思いから、

それをいくらかでも緩和してくれそうなアイテムとして重宝したのが、この岩塩でした。

塩で全身を清めた後のなんともいえない浄化感と、他の美容アイテムがほとんど必要なくなるぐらいの肌引き締まり感とツルすべ保湿効果が得られ、すっかりヤミツキに……。

こうして、岩塩で全身をケアすることが日課になり、塩たっぷり入れたお風呂や全身パックは、その日の戦い疲れを癒してくれる必須アイテムのひとつとなりました。

つまり、インドがひどい国だったおかげで、塩の癒し効果も格別に感じられたわけですね。

……では実際、塩を体に使うとどういったメリットが得られるのでしょうか。報告されている効果は次のとおりです。

リキシャの運ちゃんに鍛えられたインドライフ

 

★塩から得られる美容・健康効果:
・肌の保湿バランスが保たれ、シワができにくくなり水々しい肌を保てる
・肌が柔らかくなり、艶が増す
・肌のトラブルを緩和する
・血行改善
・リラックス感がもたらされる
・体から汚染物質や毒を除去し洗浄する
・ストレスを緩和し、睡眠と集中の質を改善する
・神経と筋肉の適切な機能を助ける
・痛みと筋肉の痙攣を減らす
・免疫の改善を助ける

 

《おすすめ&効果的な使い方》

 

「全身塩パックの場合」:

・岩塩(または自然塩)の粉/100g~200g
・水またはお湯/ 使う塩の量に対し、塩が全部浸るぐらいの量を加え、濃い塩泥を作ります。
・好きな精油があれば数滴加えると、癒し効果がアップします。

⇒ 塩泥を全身に塗り、2~3分程度置いた後、よく流します。
※スクラブすると肌が痛んでしまうので、擦らずにあくまでも「肌につける」イメージで塗ります。

 

「塩風呂の場合」:

半身浴できる程度のお湯に自然塩を加えて「海水」に近い濃さにし、5~10分入浴します。入浴した後はお湯で流します。

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健康を促進し、美容にも大活躍する岩塩や自然塩。
自然界が授けてくれたこの偉大な浄化アイテムを、大いに活用してみてはいかがでしょうか。

■次回は、「秋を快適に過ごすためのアーユルヴェーダ・アドバイス」をお伝えしたいと思います。

 

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