■病気になるかならないかは、自分次第? 〜インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.34

この段階でもまだ、西洋医学の医師に相談した場合は、相変わらず「あなたはどこも悪くありませんよ」と診察されるかもしれません。

病気の6つのステージ
~第三段階・ドーシャの蔓延~

前回では、ドーシャのアンバランスが中和されなかった場合における「悪化」についてお伝えしましたが、今回は悪化した状態が放置された場合に起こる、次の段階「蔓延」についてご紹介したいと思います。

ニキビや吹き出物は血液中の毒素サイン

 

●第三段階:「ドーシャの分散、または蔓延」

これまでの段階では、悪化したドーシャは、それぞれの主な居場所(カファは胃の上部、ピッタは小腸、ヴァータは大腸)をいっぱいにしていましたが、この第三段階では、それぞれの場所だけでのコントロールは不可能となり、蓄積された毒素が、他のテリトリーへと広がりはじめ、全身循環へと至る地点です。

この段階はちょうど、バケツの水がいっぱいになり、水がバケツから溢れ出す状態に似ています。それぞれのドーシャが溢れ出す先は、次のような場所になる傾向があるとされています。

『ヴァータ』: 関節、筋肉、神経系
『ピッタ』: 血液、血漿(リンパ漿)
『カファ』: 脂肪組織、筋肉、血漿

この時点の兆候例としては、

◆ヴァータの場合: 乾燥肌、手足の冷え、耳鳴り、心臓の動悸
◆ピッタの場合: じんましん、湿疹や発疹、ニキビや吹き出物、灼熱感、酷い胸焼け
◆カファの場合: 体に水が溜まる、鼻づまりの増大、リンパの詰まり、気分が重たい

などの症状が現れるといわれています。

この段階になると、原因となっている要因を取り除くだけでは十分ではなくなりますが、実はこの段階においても、それ以上の悪化を食い止めるための能力がまだ、私たちの体には備わっており、シンプルな食事やライフスタイルの両方を変えて反転させることが可能な状態です。

この段階においては、ドーシャを胃腸管内のそれぞれの場所に返し、その後体外にそれらの毒素を排出するための、アーユルヴェーダの伝統的な五つの浄化治療プログラム(パンチャカルマと呼ばれています)が提案されます。

アメリカの加工食品の80%は他国から拒否されている

 

さて、この次の段階は、実際の病気が発現しはじめる第四段階「沈殿または浸透」と呼ばれるステージに入ります。

この段階でもまだ、西洋医学の医師に相談した場合は、相変わらず「あなたはどこも悪くありませんよ」と診察されるかもしれません。

(こういった意味で、アーユルヴェーダの見解力には本当に驚かされます。)

ところでこの第4段階に入ると、これまで私たちが知らなかった体の弱い部分が明るみになります。

それは遺伝的な要素であったり、過去なんらかの事故(何十年も前に起こった事故の場合もあります)によって損なったことのある組織であったり、加工食品のような、糖分や塩分が多量に使われている食品を長年にわたって食べ続けてきた結果、知らないうちに弱っていた膵臓や血液組織であったり、喫煙習慣で弱った肺であるかもしれません。

次回は、実際の病気が発現しはじめるこの第四段階について、お伝えしていきたいと思います。

 

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