エンジェル・セラピスト®夫婦のスピリチュアル子育てPART.91~子どもが家庭に何を求めているか (潤治編)

子どもたちにとって、「家庭」は社会との接点です。 社会に慣れていくために、「家庭」はさまざまな役割を持ちます。 子どもたちが「家庭」に何を求めているのかは、子どもたちとのコミュニケーションで理解していく必要があります。母性や父性、練習の場、無条件に甘える場、支えになる場、依存する場、その時々によっても違ってくるでしょう。

娘の通っている幼児園では、スキーキャンプなるものがあります

3歳児が2泊3日で親元を離れてスキーをするわけです。
泣きながらもひとりで滑ることができるようになっていくそうです。

指導する先生たちの姿はとても3歳児に対するものと思えない厳しいものであるようです。
そのスキーキャンプを見越して、家族でもスキーに行くことにしました。
両親共にスキーの楽しさを味わってきた世代なので、娘に対する「スキーって楽しいよ!」という思いも強く、何よりスキーキャンプを前にして練習をしておこうと思ったわけです。

しかし、親の思惑通りになりませんでした。

スキーよりも雪遊びやソリを好み、スキー板を履くこともあまりなく、初めての家族スキーは両親の過剰なスキー熱だけが空回りしました。

2回目のスキー旅行では、スキースクールに娘を託しました。
どうなることかと思いましたが、スクールの先生には「とても3歳とは思えない運動能力で、体幹もしっかりとして、滑りも上手に習得していました。」とお話し下さいました。

スキー技術の習得度合いでもらえるシールも、ひとつ先のものをもらっていました。
親としては光栄なことです。
娘も嬉しそうにそのシールが貼られたカードを持っていました。

 

さて、「では、家族でスキーをしよう!」となると……。

娘の小葉は、スキー板を履くことに抵抗します。
両親が滑るのを見て、お付き合いでスキー板を履くのですが、すぐに嫌になってしまいました。

僕たちはスキースクールでの成果を見たいので、何とかスキーをしてくれるような環境を整えようとします。
しかし、両親の思惑とは全く逆に小葉はソリで遊ぶどころか、座り込んで雪遊びをし出してしまうのです。

ソリ遊びのために借りた子ども用の広場の入場料も無駄になり、親からすると「せっかく!」「無駄になる!」と苛立たしくなります。

残念ながら、そうなるとテコでも動かない頑固さを見せ、親の情熱を挫きます。

結局は、僕たち親の身勝手なので、強制することはできません。
娘の自由意志を尊重するのが穏やかな解決方法でした。

スキースクールの先生にも、体育会系幼児園に行っているために身体がしっかりしている、スキーの上達も速かったと言われ、その成果を是非とも見たいわけですが、親の思い通りに子どもは動かないことを改めて実感しました。

娘にとって初めてのスキーは、厳しい状況だったのか、パパとママと一緒にいられる時間は自分のペースでゆっくりと遊びたかったようです。
娘に訊いてみると……。
「今日はどうしたい? 雪遊びをする? パパとママと一緒にスキーをする?」
彼女は、こう答えました。
「今日はママに甘えたい。スキーは大好きじゃない。」

厳しい環境と思えるところで頑張った彼女は、心のバランスを取るかのように「甘えること」を僕たちに求めてきました。
幼児園でも先生たちに娘は「しっかりしている」「他の園児のお世話をしてくれる」「情緒が安定している」と言われますが、家では甘え放題甘えます。
ママにベッタリであることも少なくありません。
まるで猿の赤子のようです。

しかし、彼女はそれで心のバランスを取ろうとしているわけで、体育会系幼児園での厳しさが家でも続くようなら、きっと彼女の心のバランスは崩れてしまうかもしれません。

 

今回の出来事でより彼女が家庭に望むことが明確になりました。

彼女は自分で心のバランスを整えようとしているわけで、それを「どうしちゃったの? 幼児園ではキチンとできるのに? しっかりしなさい!」と僕たちが言うことは彼女を追い込んでしまうことになるようです。

それよりも、僕たち両親の生活する姿勢を見せ続けつつ、心のバランスを自ら保とうとする娘の言動を見守るほうが安らぎや喜びをお互いに味わうことができます。

「こうして欲しい。」というお互いの思惑がぶつかり合うスキー旅行でした。
親の期待や要求が大きくて、子どもたちがそれをを我慢してしまうようになると大人になってそれは発芽するかもしれません。

 

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