オーガニックでヘルシーエイジングライフPART.3~食べ物と人間の体と心~

「You are what you eat」。オーガニックに関心のある方なら一度は聞いたことがある言葉だと思います。この言葉には二つの意味があると私は考えていますが、一つは「あなたは自分が食べた物で出来ている」。 要するに、いくつもの細胞でできている人間の体は自分が食べた物で細胞が作られているという事です。

よって栄養価が高い健康的な食べ物を食べていると、細胞再生サイクルが正常な美しい肌になります。 二つ目の意味は「食べている物で、その人の人と也がわかる」。 食べ物でその人の生活、性格、価値観、はたまたその人の心身の状況まで分かってしまうという意味です。

前回のPART.2でミトコンドリア遺伝子に異常があり子孫が残せない「雄性不稔のF1種」の農産物を食べ続けた場合、人間のミトコンドリア遺伝子には異常が出ないのかという疑問が出ました。 先に述べたように人間の細胞は自分が食べたもので作られているので、あくまでも仮定ですが単純に考えると、雄性不稔のF1種を栽培した農作物を食べると人間の細胞にあるミトコンドリアにも、すぐではなくとも少しずつ異常が出てきて子孫繁栄機能が弱まっていくと推測できます。 しかし、これが仮定や推測の話ではない現象が実際に起きています。

化学薬品も農薬も化学肥料もなかった約60年前の日本は、小規模農家が自然栽培を営む農業が主流で、有機(オーガニック)農業という言葉すらありませんでした。 その時代の成人男性の精子の数と現代の成人男性のそれを比べると4分の1に減っているそうです。 また、PART1でも述べたように人間の体は年々弱くなってきており、アトピー性皮膚炎、アレルギー体質、虚弱体質、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、化学物質過敏症などの子供が多くなってきています。 原因として様々な要因が考えられますが、「人間の細胞はその人が食べた物で作られる事」、「ミトコンドリア遺伝子は母親から子供へ伝えられていくこと」を考えると在来種・固定種・有機の種ではない農作物を含む食べ物が大きな原因のひとつであることは紛れもない事実であると思います。

日本は少子化が進み、このままだとあと数十年後には労働人口が減り、高齢化社会になると予測されています。 そして、現役世代の税金、社会保障負担が高くなり経済活動が損なわれることが懸念されています。 そこにきて添加物の多い食べ物やストレスの多い社会環境などでますます人間の体が弱くなっているとあれば、日本は将来的にマイナス方向へいってしまうのではと心配でなりません。 そんな中、一つでも自分達自身で修正できるものは、自分の体を強くすること、子孫を残していくことです。

人間の三大欲の一つである食べ物は重要で、食べ物によってその人の幸せ度が変わると言っても過言ではないと私は思っています。 ここで「You are what you eat」の二つ目の意味「食べている物で、その人の人と也がわかる」が関係してくるのですが、体に良くない食べ物を食べ続けていれば、ゆくゆくは体に異変が起きて病気になる確率が高くなります。 そして、体調が悪いと性格も暗くなりがちで、毎日の生活も活力のないものとなるでしょう。 これでは幸せな状態とは言えません。 ヘルシーな栄養価の高い生命力に満ちた食べ物を食べるかどうかの選択によって、健康にもなり病気にもなる、要するに食べ物で自分の幸福度が変わっていくという事です。

ヘルシーな栄養価の高い生命力に満ちた食べ物とは、それは農薬も化学肥料も使用しない、団粒構造の腐葉土から栄養を十分に蓄えた野菜や果物、自然農法や有機栽培の農作物のことだと私は考えています。 農産物の栄養は土によって左右されますが、河川・湖沼・地下水が清らかなで健全な水環境、小動物・鳥・虫などの多様な生物が住む豊かな環境、微生物が多い団粒構造の腐葉土の健全な土のある調和のとれた農業環境で栽培された農産物は栄養価が高く、生命力に満ちています。 これがオーガニック農業です。