オーガニックでヘルシーエイジングライフ PART.2~種と人間との関係~

このタイトルを見てなぜ、種子が人間と関係があるのかと疑問に思った方も多いのではと思います。 オーガニックを語る上で一番大事なのが、忘れがちな「タネ」。要するに「生命の源」です。 この世に生を受けたもの「人間」「動物」「植物」は子孫を残します。 人間や動物の生命の誕生はご存じのように精子と卵子の結合ですが、植物は「種子」。この種子に今大変なことが起きています。

オーガニック野菜・果物は、もちろん種子もオーガニック。 種子には様々な種類があり、「在来種」「固定種」「有機の種」「一代交配種」「GMO種」「自家採取の種」「家宝種」とこれだけあります。この中で「在来種」「固定種」「有機の種」「自家採取の種」は安心できる種子といえます。しかし現在スーパーや八百屋さんに並んでいる野菜や果物の種子のほとんどが「F1種」「交配種」と呼ばれる種子から栽培されたもの。

昔まだ農薬や化学肥料が無かった時代は、農家が種を自家採取していました。 しかし農薬や化学肥料が使用され始めると、種子を自家採取しなくなり、受粉前に雄しべを切り取ったり、二酸化炭素で受粉したり、細胞同士を無理やりくっつけたりして親の違うF1種の農作物を作り始め、農家はこの種子を購入して農作物を栽培するようになりました。中には放射線を浴びせて優性遺伝だけを残した種子もあります。


茶色味を帯びた「固定種」の種

野菜や果物の植物細胞にも、人間を含む動物細胞にもミトコンドリアがいることによって生命体として成り立っています。 ミトコンドリアとは生命のエネルギーを作り出す細胞内の小器官のことで、呼吸によって取り込んだ酸素や食べ物から摂取した水素を反応させてエネルギーに変換し、生命体を動かしています。 そして、不要になった細胞の自死、子孫の誕生の手助けをし、ミトコンドリアは機能が衰えてくると活性酸素を発生させ、癌や老化をもたらします。 またミトコンドリア遺伝子(ミトコンドリアゲノム)は、母親から子供へと伝えられていきます。 受精のときに精子のミトコンドリアは卵子に入っていくようですが、精子のミトコンドリアは排除され卵子のミトコンドリアだけが子供の細胞の中で働くそうです。 ミトコンドリアは老化と関係があること、ミトコンドリア遺伝子は母親から子供へ伝えられていくこと、この二つが「種子」と「人間」の関係に深く関わりが出てきます。

前出で、植物にもミトコンドリアがあると説明しましたが、「F1種」の中にはミトコンドリアが傷つき、ミトコンドリア遺伝子に異常が見られる種子があります。 植物の花には雄しべと雌しべがあり、受粉によって子孫を残していくのは周知の事実ですが、「F1種」の植物には雄しべがなかったり、雄しべがあっても花粉がなかったりするものがあり、これを雄性不稔といい、要するに子孫が残せず種子ができません。 そしてこの性質は遺伝していきます。

現在のF1種の中には優性不稔は少ないようで、高価なメロンなどに見られるのみのようです。しかし、これから雄性不稔のF1種が増えていく可能性があり、このミトコンドリア遺伝子に異常がある「雄性不稔のF1種」の野菜や果物を食べ続けていった場合、細胞レベルで、人間の生命のエネルギーを作り出すミトコンドリアに影響がでないのかという疑問が生れました。

実際のところ、このことはまだ科学的にも医学的にもまだ解明されていません。 戦後農薬が使用され、「在来種」から「F1種」にとって代わってからずっと私たちはこれらの野菜や果物を食べ続けています。雄性不稔おF1種が人体にどんな影響があるのか誰も知る由がない状態です。

~続く~