アトピー改善 PART.5「顔の湿疹が示すメッセージ」

「顔色」というように、顔には健康状態が明確にあらわれます。赤くなったり、青くなったり、白くなったり、黒くなったり、ニキビができたり、湿疹ができたり、皮がむけたり、とてもよく変化します。アトピー性皮膚炎で顔に湿疹が出る人は、その湿疹の出かたによって心の状態と内臓の状態をチェックしてみましょう。

心の状態による顔の湿疹

特にアトピー性皮膚炎の場合、イライラ、不安、苦痛、焦り、怒り、などのよくない感情を抱きやすくなります。このような感情は熱の性質を帯びているので、かゆい湿疹を引き起こしやすくなります。そして、熱の性質は上へと移動しますので、人間の体でいうと「顔」に出やすいのです。顔に湿疹が出た時は、足を温めるというのが基本です。これは覚えておくと良いでしょう。

顔の湿疹がどこに出るかを見れば心の状態を知ることができます。例えば怒りや、強い焦りなど激しい感情が心を支配するようになると「おでこ」に出ます。かゆみや痛みで「どうして自分だけ」という自分に対する怒りや不満でも「おでこ」に出ます。また、不安や失望などでクヨクヨしていると「口もと」に出ます。ストレスや心配事でオドオドしていると「口もと」や「頬」に出ます。

かゆみと痛みの中で感情をコントロールすることは難しいことですが、「深呼吸」を 繰り返しおこない、心を落ち着けましょう。ある意味あきらめるのも一つの手です。入院治療で劇的に良くなるケースがあります。入院してしまえば、仕事をしたくても できませんし、何もない白い壁の病室でただ「ボーっと」しているだけです。1週間 の入院なら1週間あきらめるしかありません。 このような環境が感情をコントロールして、治りを早めるようです。入院ができない場合でも、せめて休みの日は家で「入院している」と心の中で仮定して、家事も何もおこなわずにあきらめてみてください。顔の赤みが引いて、落ち着いてきます。

内臓の状態による顔の湿疹

顔の湿疹は内臓の状態を知ることもできます。人体の五臓に対応し、図のようになります。

おでこや生え際に湿疹が出るのは「肝」の働きが弱っている人です。ストレスが大きく影響します。おでこから眉間に出るのは「心」の働きが弱っている人です。心身の疲れが相当たまっています。
口の周りに出るのは「脾」の働きが弱っている人です。食べすぎ、胃腸のトラブルが原因です。
ほっぺたや鼻の近くに出るのは「肺」の働きが弱っている人です。脂分の摂り過ぎで皮脂が過剰に分泌したり、便秘気味のときに出ます。
あごや首に出るのは「腎」の働きが弱っている人です。ホルモンバランスが乱れている可能性があります。月経前に多く表れる症状です。

五行説と五臓とアトピーの関係

アトピー性皮膚炎の人は「腎」の働きが弱っています。図は東洋医学の考え方で用いられる五行説です。木、火、土、金、水の要素で表わします。これに人間の五臓を当てはめると木→肝、火→心、土→脾、金→肺、水→腎となります。

図の矢印が示す意味は外回りの矢印は相生関係といい、相手を生かす関係です。木が火を生み、火は灰土を生み、土は金脈を生み、金脈があるところに水脈があり、水は木を育てます。相生関係は次々とエネルギーを与える関係です。
これを五臓に当てはめると・・・肝臓が良くなれば心臓が良くなり、心臓が良くなれば脾臓が良くなり、脾臓が良くな れば肺臓が良くなり、肺臓が良くなれば腎臓が良くなり、腎臓が良くなれば肝臓が良くなります。

「腎」が弱いということは「肺」が弱いということです。
「肺」が弱いということは「脾」が弱いということです。
「脾」が弱いということは「心」が弱いということです。

まずアトピーの人は「腎」に注目します。「腎」はエネルギーを生み出すところです。アトピーの人はエネルギー不足です。その大切な「腎」が弱いのは、新鮮な空気を取り入れる「肺」が弱いからです。肺が弱いとエネルギーを生み出せません。不完全燃焼のようなものです。「肺」が弱い理由は「脾」すなわち消化器系が弱いからです。「脾」が弱いから正しく燃料補給できず、また免疫系にも悪影響が出ます。なぜ「脾」が弱くなるかと言うと、「心」が弱っているからです。「心」はストレスの影響を受けやすく、精神的なストレスの他、過労などの肉体的ストレスによっても消耗してしまいます。

これの逆をたどっていくと解決の糸口が見えてきます。

第1段階
「心」の回復……過剰なストレスがかからないようにします。
第2段階
「脾」の回復……消化器系を回復させます。
第3段階
「肺」の回復……少しずつ体を動かします。
第4段階 
「腎」の回復……「腎」を補うものを食べます。
第5段階
「肝」の回復……第1段階から第4段階をクリアーしていくことにより「肝」にエネルギーが送られます。肝は解毒をおこない、またエネルギーを蓄え、供給するなど実にさまざまな機能をつかさどる最大の器官です。肝の働きが正常になれば、心(ハート)も強さを取り戻し、またエネルギーが正しく循環するようになります。

悪くなる時も円が転がるように悪くなりますが、治る時も円を意識して、エネルギーを循環させるように良くしていきましょう。