アンガーマネジメントVol.40 ~ 最悪なレストランサービスに1万円以上のチップを払った夫婦 ~

感情がどうやって生まれるかをものすごく端的に表すと、こんな感じになります。

1. 出来事が起こる
2. 記憶や価値観と照らし合わせる
3. それに見合った感情のラベルを付ける

そう、出来事それ自体では感情は生まれず、それに「どんなラベルを貼るか」で感情が生まれます。
今回は、どうやったら自分にとって「良いラベルが貼れるのか」という点を、最悪なサービスに通常の12倍ものチップを払った夫婦のお話をご紹介しましょう。

1時間も待たされた$66の料理に、$100のチップを払った訳とは?

海外に行く方はおなじみですが、例えばアメリカではレストランに入ると、料理代金合計の10-15%を「チップ」としてウェイターに渡す習慣があります。

チップの額は客が自由に決められるので、良いサービスをしてくれると多目に、悪いサービスだった場合は少額なります。

しかし、アイオワ州に住むシュルツ夫妻は、最悪なレストランサービスに1万円以上のチップを払ったそうです。

シュルツ夫妻が土曜の夜に出かけたレストランは人員不足で、12ものテーブルをたった1人のウェイターが担当していました。

水が出てくるのに20分、前菜が出るまで40分、そしてメインが出てくるまで1時間以上も待たされたそうです。

レストランにいた客達は、レストランを馬鹿にしたり、なんて悪いサービスなんだと不平を口にしていました。

だったら何でこの夫妻は1万円以上のチップを払ったのでしょう?
夫妻の飲食代は$66(約7000円)ですから、せいぜい$8-$10も払えば十分です。
慣例の12倍も高いチップを払った訳とは…

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夫妻の心を動かしたのは、手が回らないながらも一生懸命真摯に料理をサーブしていたウェイターの姿でした

「夫に言ったの。これ、昔の私達みたいねって。私はウェイターの仕事は好きじゃなかったけど、全てチップを稼ぐためにやってたの。このウェイターはこんなに客を待たせたら、今夜はほとんどチップを稼げなくなってしまう。だからこんな時こそチップを渡したら、彼だけじゃなく、私達も気分が良くなるんじゃないかって」

そこでレシートに手書きでこうメッセージを添え、$100のチップを渡しました。

「あなたの気持ちが分かります。これから機会があれば、あなたも誰かをハッピーにしてみてね」

このストーリを読まれて、どう感じましたか?

普通の人はですよ、この状況で
「こっちは土曜の夜を楽しく過ごそうと思って外食に来たのに、頼んだ料理はさっぱり出てこないし散々だ!」
と頭に来て文句ブーたれる訳です。

でもシュルツ夫妻は、
「長時間待たされた」
という出来事は他の人と共通しているものの
「このウェイターを元気付けて、自分たちもハッピーになろう」
という道を選んだのです。

出来事それ自体は変えられませんが、それをどう解釈するかは
自分の見方や行動によって変えられるのです

夫妻の場合、ともすると最悪な土曜の夜になりそうな所
「ウェイターもハッピーになっただろうし、一生忘れられない夕食になったね!」と自分達まで嬉しくなる想い出に変えたのです。

このような思考や行動ができると、人生を自由に泳げるようになりますよ。

[参照]
http://www.desmoinesregister.com/story/news/2014/09/29/iowa-couple-generosity-tip-viral/16416777/?sf31726072=%5B%271%27%5D