病は気から ~心身一如~

気ってつまるところ、つまるところエネルギーの流れなんです。

秋も深まってきました。夜は毛布が手放せなくなってきましたね。皆様、いかがお過ごしでしょうか。空気も肌寒くなって来ましたし、乾燥してきましたね。そのせいか「喉が痛い!風邪をひいたかも…」と言っている人もチラホラ見かけるようになってきました。季節が変わったことで空気の「気」が変わってきたように私達の気持ちの「気」も、それに適応させなければいけなくなってきました。

「病は気から」って本当?

「病は気から」ということわざがあります。病気にかかった時、気をしっかり持たないと治りにくくなったりするというような意味合いです。また、心配事をしすぎたり、思い悩みすぎたりすると病気になるとも言われます。逆に病気になった時に、気をしっかり持たないと気を病んでしまうとも言われています。

「気」というと、アニメ『ドラゴンボ―ル』のように、身体の周囲にボウボウと炎のような何かが出ているアレをイメージするかもしれませんね。「気」は気功の達人は見えるのかもしれませんが、基本的には見えないので、あの表現はとても分かりやすくて良いと思います。悟空の必殺技で『カメハメ波』というものがあります。手から「気」を放出して敵を吹き飛ばす技です。あれって何なのかというと、つまるところエネルギーの流れなんですよね。

話を戻して、つまり「気」というのはエネルギーなのです。エネルギーをどう使うかでメンタリティも変わってきますし、身体的な影響も変わってくるのです。このように考えると、「気」が弱ると病気になるという考え方も何となくしっくりきますよね。

『ドラゴンボ―ル』の中で、一部の強いサイヤ人達はスーパーサイヤ人に変身することが出来ます。スーパーサイヤ人になると、それこそ「気」の強さが格段にアップして戦闘力が宇宙最強クラスになります。一時期、悟空は修行することで随時、スーパーサイヤ人(強い気を放出している状態)でいることができるようになりましたが、普段はわざわざスーパーサイヤ人でいる必要性はないわけです。どういうことかというと「気」というエネルギーを常に使いすぎていると、心身に負荷がかかってしまうということなのです。これは、サイヤ人に限らず、私達のような普通の地球人にも同じことが言えます。

「気」を使いすぎると「気疲れ」してしまいますよね。『ドラゴンボ―ル』というと戦いのイメージが強いので、もしかしたら「気」とは戦いに使うエネルギーのことだけではないので念のため注意してくださいね。戦いに限ったことではなく、日常的なコミュニケーションや仕事、勉強などをしている時にも常に「気」は動いているのです。そのため、「気」というエネルギーの流れが弱ると、それがストレスとなり、心身が弱ってしまうのです。

誰もが多かれ少なかれ、心身にストレスを感じているかもしれません。必ずしも、身体に不調があると心が病んでしまうという訳ではありませんが、この『心身の繋がりの重要性』を意識する必要が大いにあります。

漢方では『心身一如』(しんしんいちにょ)といって、心の状態と身体の状態は密接に関わっているとされています。身体の不調が心の不調に繋がってしまったり、心の不調から身体の不調に繋がってしまったりすることもあるのです。この言葉は難しいので覚えられそうになければ「心と身体は繋がっている」という事だけはしっかりと抑えておいてくださいね。

心の健康は身体の健康あってこそ

便利な世の中ではありますが、現代人は何かと時間に追われ、バタバタと忙しく過ごしていて、ゆっくり休息を取ったり、食事を取ったり出来ないこともあるかもしれません。小さなストレスや身体の不調が、積もりに積もって大きくなってしまうこともあります。それがどうしようもなく大きくなってしまった時、「病気」になってしまうこともあります。このセルフコントロールこそ、先ほどからお話している「気」のコントロールなのです。

忙しかったり疲れたりして「気」が抜けていると、ついつい食生活が乱れたりしてくるわけです。当たり前ですが、食というのは私達の命の営みにおいて最も重要なものです。別の何かから命をいただいている神聖な儀式ですからね。だからこそ、「忙しいからテキトーでいいや…」というのは、昔風の言い方をすれば「罰当たり」に該当するので、栄養バランスが崩れたりして心身が弱ってしまったりするのです。そうなってくると「眠れなくて」とか「元気がなくて」とかいう状態になってしまうのです。当たり前すぎてあまり意識しないと思いますが、よくよく考える深い話ですよね。

世の中には健康に関するビジネスや商品、知識などがたくさんあります。しかし、「これだけ守っていれば」とか「これだけやっていれば」とか「これだけ食べていれば」という事はまずあり得ません。心身に不具合が起きた時に、お手軽簡単に対処療法的処置に頼りすぎると、それこそ「気」が乱れてしまいます。自分の身は誰も守ってはくれないのです。だからこそ、しっかりとした意識(「気」)を持って生活するように心がけてくださいね。