「あなたはひとりじゃない」~子宮頸がんの女性に届いたメッセージ『いのちのコール~ミセス インガを知っていますか~』

「あなたはひとりじゃない」
たまきの最後のリクエスト。DJマユミの懸命の説得

32歳のたまきは、人生の最後に大好きなFM放送局のDJ・マユミの番組に電話をかけることにした。
マユミは、長年のDJ経験の勘で、彼女が自殺を考えていることを察知。番組内容そっちのけで思いとどまるように説得を開始、やがて彼女が子宮頸がん患者であること、「子宮頸がん=遊び過ぎの病気」という偏見から夫から避けられ、職場も退職に追い込まれていたことがわかる。
マユミが絶望の淵から彼女を救うためにしたこと……それは、多くの患者からの励ましの声を聞かせることだった。
彼女たちの熱い応援のメッセージは届くのだろうか……。

「できればあなたの花嫁姿を見て、 あなたの子供も抱いてみたかった」
子宮頸がんを患い作品完成前に命を落とした 企画者・渡邉眞弓さんが託した、 すべての女性、そして夫婦・恋人たちに贈るメッセージ

渡邉さんは、2009年夏、子宮頸がんを発症、余命を宣告される。病気と闘いながら、検診の大切さと生きることの素晴らしさを伝えたいと、娘に手記を綴る。それを、プロデューサーの小池和洋が目にとめ、映画化を決意。しかし、完成をまたず、彼女は息をひきとった。渡邉さんのメッセージはすべての人の心を強く揺さぶることでしょう。
監督は31歳の新鋭・蛯原やすゆき。本作で劇場長編映画デビューを果たす。子宮頸がん研究の第一人者・横浜市立大学医学部の宮城悦子准教授が医療監修者として参加、子宮頸がん患者の日常や歩き方に至るまで細かな助言を与えるなど、リアリティーを追求している。

【子宮頸がん――日本人女性の年間死亡者数、3500人】
子宮頸がんにかかった女性を主人公に、患者が受ける肉体的、精神的プレッシャーを綿密な考証で描いた問題作であり、年間3500人の日本人女性がこの病で尊い生命を失っている現実を真摯に訴えます。子宮頸がんが、特徴的なのは性交渉によるHPVウイルスが原因で罹患する点です。 20~30代の若い女性の場合、一番かかりやすいがんと言え、一説には男性の9割程度が一度はHPVウイルスに感染しているといわれています。 知識の不足、病気への偏見は、患者さん逹へ多くの苦しみを与えています。
女性は、自分の体を大切にすること。
男性は、大切なひとを守ること。
女性だけでなく、男性にも、多くの人々に観ていただきたい作品です。

 

企画者 故・渡邉眞弓さんが一人娘へ遺した想い(抜粋)

娘へ

できればあなたの花嫁姿を見て
あなたの子供も抱いてみたかったと思います

ずいぶんと急いでさえくれれば
それも可能かもしれません

私が唯一あなたに残せるものがあるとすれば
それは大好きな私の友人たちです

その友人たちに囲まれて生きている今を
私はこの上なく幸せだと思っています

そしてその人たちは
私がいかにあなたを愛しているかを知ってくれているから
きっと手を差し伸べてくれると思います

だからあなたを残して死ぬことも
あまり怖くないのです

だって私はこの時まで
一生懸命生きてきたもの

あなたに恥じないように あなたに笑われないように・・・・・・・・・・

子宮頸がんってどんな病気?
*神奈川・横浜子宮頸がん予防プロジェクトサポータズより

【若い女性でもかかるがん】
子宮頸がんは、女性特有のがんの中で乳がんに次いで2番目に多く発症しているがんです。年間15,000人(上皮内がん含む)の女性が新たに「子宮頸がん」と診断され、約3,500人の女性が死亡しています。「子宮頸がん」発症率は50歳以上の女性では減少していますが、最近では20代、30代の女性間で増加しています。

【症状】
初期の子宮頸がんは、無症状である場合がほとんどです。比較的早い段階で現れる代表的な症状は、性交渉後の出血。出血といっても、おりものに血が混じってピンク色になる程度のものもあるので、見逃さないよう注意が必要です。さらにがんが進行すると、出血が常に起こるようになったり、悪臭を伴う分泌物が出るようになったりします。下肢の痛みやむくみ、下腹痛、貧血などの、はっきりとした症状が現れるころには、がんはかなり進行し、手術では取りきれない状態まで進んでいることが多いものです。
このように子宮頸がんは、初期症状に乏しいのが特徴なので、早期発見のためには検診を受けることが大切です。

 

『いのちのコール~ミセス インガを知っていますか~』
2014年初夏 シネスイッチ銀座他にて全国順次公開

■CAST
河原たまき(インガ):安田美沙子
ラジオDJ 杉田マユミ:室井 滋
たまきの婚約者 大島高志:山口賢貴
マユミの番組のプロデューサー青山:国広富之
さっちゃん先生 野川サチコ:筒井真理子
ディレクター・工藤:榊 英雄
構成作家・高橋:日野陽仁
ラジオ局アシスタントプロデューサー・マリ:小林さり
リスナー「ケイケイ」:風祭ゆき
リスナー「ひらりん」:大西結花
河原芳子:中野良子
ミキサー・岡部:岡本富士太
凧の親方:大和田伸也

■STAFF
監督:蛯原やすゆき
脚本:南木顕生
企画:渡邉眞弓
プロデューサー:小池和洋/榊田茂樹/岩本光弘
音楽:mojin
撮影監督:下元 哲
美術:高橋 努
録音:高島良太
編集:有馬 顕
助監督:松本 動
ポストプロダクション・プロデューサー:金子尚樹
医療監修:宮城悦子(横浜市立大学医学部付属病院・准教授)

製作:「ミセス インガを知っていますか」製作委員会
2013年/86分/カラー/ビスタ/DCP
©「ミセス インガを知っていますか」製作委員会

www.mrs-inga.com
@ingamovie
www.facebook.com/ingamovie

 

企画:渡邉眞弓
MAYUMI WATANABE
横浜市出身 東映映画のスクリプター、大手広告代理店のコピーライターを経て、オリジナル書籍の企画・制作などを手掛ける会社を経営。
2009年 子宮頸がん発症 余命半年と宣告される
2011年 プロデューサーの小池氏に本作の企画を持ち込む
2012年 4月3日亡くなる 享年56歳