2013 年、羽生善治を破って「名人位」3連覇、若手のエース・渡辺明からは「竜王位」を奪取。
将棋界の頂点を極める、森内俊之「竜王」「名人」が初めて明らかにする、半生と勝負哲学!
将棋界の頂点が実践した現状を打破する力
100戦100 勝はありえないし、強力なライバルが現れたり、同僚に先を越されてあせったりすることもある。そんな試練の時、雌伏の時こそ、現状を打破する「覆す力」が必要になる。状況を打開する「覆す力」が肝要になる。どこをどうやって切り拓いたらいいのか、どこに突破口があるのか、どうしたらいい方向に持っていけるのか……。
日常生活に、ビジネスに、そこここにある、そんな悩みに究極のアンサーをくれるのが本書です!
小学6 年生で羽生善治らとともに奨励会に入会。16 歳でプロ棋士、25歳での名人位挑戦は棋士として順調な経歴と言えた。しかし、名人戦の相手、羽生善治はそのとき七冠王になっていた!
水を空けられた相手に、どう戦い、何を考え、雌伏の時をどう過ごしたのか。世評を覆し、ライバルに追いつき、差を覆す秘訣は己を知り、敗北に学ぶことにあった!
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【覆す】 くつ‐がえ・す 〔‐がへす〕 [動サ五(四)]
① ひっくり返す。裏返す。「大波が船体を―・す」
② 倒して滅ぼす。転覆させる。「政権を―・す」
③ それまで正しいものとされてきた考え方や決定を根本から変える。
「常識を―・す」「第一審の判決を―・す」
(大辞泉より抜粋)
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実戦で役に立つ勝負哲学が満載!
羽生氏など、並みいる強敵に立ち向かうために考えぬかれてできた勝負哲学は、将棋ファンのみならず、ビジネスパーソンにも役立つもの。例えば、「敗戦は勝利のための必要経費。大事なのは敗戦から何を学ぶか」と言い切れるのは今や屈指の棋士となった著者ならでは。
「不調なときこそ、大胆な手を指す」
「成長につながる1つの負けが後の、2勝、3勝をもたらす」
といった言葉は、不調や敗北さえ成長への糧にする、著者の哲学が表れています。
【リアルな生活にすぐに役立つ、森内俊之竜王・名人の勝負哲学 】
■2回目のミスが致命傷になる!
→2回目のミスをなくせば覆せる!
ミスを完全になくすことはできないし、一度のミスは仕方ない。しかし、二度目のミスは相手も絶対に気づくし、結果的に致命傷になることが多い。二度目のミスは何としても防がなくてはならない。一度目のミスを犯したら、二度目を起こしやすい状況にあると思って、気をつけねばならない。
■敗戦は勝利のための必要経費と考える
→敗北を学習すれば覆せる!
人間同士の戦いで、全勝することなどない。敗北するのが避けられないなら、そこに学ぶことが重要。敗色濃厚であっても、徹底的に考える。敗色濃厚の時こそ、新しい手を試してみるべきだ。一つの負けが後の二勝、三勝ちをもたらすことがある。
■負けても、反省はするが引きずりはしない
→新たな気持ちでリングに上がれば覆せる
負けることは仕方がない。精一杯力を尽くして負けたのなら、「いい勉強になった」と思って、次に向かうべきだ。精神的なショックを引きずってしまうと、負けが負けを呼んでしまう。反省し、敗因分析したら、新たな気持ちで再びリングに上がるべきなのだ。
1970 年東京都調布市生まれ、神奈川県横浜市育ち。小学六年生で勝浦修九段に師事し、82 年、奨励会に入会。同期に羽生善治、佐藤康光、郷田真隆らがいる。87 年、四段に昇段、プロ棋士となる。2002 年第60 期名人戦で丸山忠久を破り、初タイトルとなる名人位を獲得。07 年、名人位の通算獲得数が5 期となり、永世名人の資格を得る。13 年、名人戦で羽生善治を3 年連続で破り3 連覇。同年、竜王位も獲得し、二冠となる。竜王位の40 代以上の獲得は史上初。名人位通算8 期は、大山康晴、中原誠に次ぎ、木村義雄と並ぶ、歴代3 位タイ(14 年2 月現在)。趣味はチェス、クイズ(「パネルクイズアタック25」で優勝経験あり)、スポーツ観戦など。
『覆す力』
著者:森内俊之
発行:小学館 小学館新書
定価:756円(税込)
発売:2014年2月3日