『心理セラピスト』が教える!「目の前の誘惑」~自己実現を遠ざける危険な罠~

欲求不満と人生の関係

僕は自分で言うのもなんですが、崖っぷち人生は何度も経験していますが、それなりに満足した人生を多くっています。しかし残念な事に、世の中には不幸な人があまりにも多すぎます。だからこそ、自分の心を見つめ直す手段としてカウンセリングやその他セラピーがいろいろあるわけです。自分の問題は自分で解決する。もちろんその通りなのですが、時には客観的に自分を見つめ直す事もとても大切だったりします。

本来ならば、僕があなたの個人セッションをしてさしあげられたら理想的なのですが、物理的、時間的に限界があるので、今回は「何故、あなたは自己実現しないのか?」ということについて1つの考え方を教えたいと思います。
もし、今から言う事をしっかりと心に刻んで生きて行けば、きっと幸せの本質を理解し、どんどん本当の意味での自己実現をすることができると思います。

僕はずっと不幸でした。不幸自慢をするつもりはありませんが、世の中で自分ほど不幸な人間はいないと思っていました。もちろん、実際はそんな事はなく幸せだったのですが、これに気づくまでにはかなりの年月を費やしました。

その不幸の原因の大きな要因を1つ教えます。それは「欲求不満」です。そういうと、何割の方は決まって性的な話に結びつけるので「そんなに性的に欲求不満なの?」と思わずツッコミを入れたくなる事があります。それはそれとして、「欲求不満」というのは「欲求が満たされていない」状態の事を言います。ムラムラしている人だけを指す言葉ではありません。

その欲求ですが、たとえば「お腹が空いた」とか「眠い」とか「トイレに行きたい」とか、そのような原始的欲求もあれば「試験で100点取りたい」とか「銀行の頭取になりたい」とかそういった類の欲求まであるわけです。その欲求が強ければ強いほど、満たされないと「欲求不満」になってイライラしてしまったりイジイジしてしまったりするのです。

ところで、自己実現の話に戻しますが、実はこの欲求が大きく関係しているのです。自己実現とはすなわち欲求を満たして行く事です。つまり欲求にムラが無く明確で着実にそこにフォーカスしていれば、結構簡単に自己実現は出来るのです。

こんな人がいます。「仕事辞めたい。辛いし、同僚や上司は理解が無いし…」と毎日不平不満ばかり言う人です。「最低限の生活が出来れば辞めたらどうでしょう?」と思うのですが、いろいろ理由をつけて辞めない人が多いのです。

そういう人の話を聞いてみると、確かに仕事は辞めたくなるほど辛いのは痛いほどよくわかるのですが、その他の環境が奇妙なのです。たとえば、ブランドバッグが家に沢山あるのにもっと買いたいとか、高級時計を買いたいとか、外車に乗りたいとか、ラグジュアリーホテルでディナーしたいとか。これが、いつもなのかどうかという問題ではないのです。

決してそれらが悪いとは言いません。それらの欲求を満たす事が自分の人生の中で優先順位が高ければ、ぜひそれを優先して下さい。但し、本当に優先順位が高い欲求が満たされているのであれば「欲求不満」ではありませんので誤解を恐れずに言えば、仕事が辛かろうが、もっといえばイジメられていようが、それほど苦にはならないのではないかと思うのです。

自分自身の本当の欲求は何なのか。それがわからないとこのように不必要な欲求を自分の欲求と思い込み、そちらにパワーを注ぎ込みすぎて本当に実現すべき未来像には近づけないのです。

人間は気をつけないと目先の誘惑に簡単に負けてしまうのです。マーケティングを少しでも勉強すればすぐにわかるのですが「消費者の欲求を生み出す」のが仕事と言う人も少なくないのが現実です。つまり「ホントは要らないけど欲しい気がする…」と言う状態を作り出そうとしている人がたくさんいるのです。

たとえば仕事を辞めたいという欲求が日に日に募っているのであれば、そこにフォーカスしてみる事をお勧めします。「私は、仕事を辞めることで本当は何を得たいのだろう?」という質問を自分に投げかけてみて下さい。

「休日を増やしたい」「家でゴロゴロしたい」「人と関わりたくない」と、人によって違うと思うのですが、そちらの欲求の優先順位が高ければ、そちらに進むように脳内のナビを設定すれば良いのです。よくよく考えればわかるのですが、仮に生活できる程度のお金をある程度ためたら仮に給料が下がっても休日が多い職場に転職できる可能性はあると思います。職場の人間関係から解放されないのであれば、人間とあまり関わらなくて良い仕事を探すのも良いと思います。ただ、そこに加えてブランドバッグが……とか余計な事を考えるから自己実現できないのです。

何かを得るためには何かを失います。これが世の中のルールです。「どうしても譲れない欲求は何か?」が自己実現へのベストプロセスなのです。

今の話はビジネスとお金にフォーカスしましたが、恋愛でも趣味でも生活そのものでも同じです。ストレスや一時的な現実逃避のための欲求にフォーカスしないでください。それらは自己実現にプラスにはならないのです。

世の中には確かに世間体もありますし、見栄もあります。人間程欲深い生き物は他にいませんので、細かい欲求さえもものすごく重要な欲求と勘違いしてしまいます。ただ、1度きりの人生で神の如くすべての欲求を満たす事はできないのです。

笑われても、バカにされても、誹謗中傷されても、若干世間とズレていても、自分自身が実現したい欲求は何なのか。それにフォーカスして見て下さい。
未来は変わります。