シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.39~「スタミナをつける真の食事とは」

本当にスタミナをつける食事

世間一般では、肉などの動物性食品を食べるとスタミナがつくとか栄養満点だと思われているようですが、動物性食品を過剰に摂取すると、悪玉コレステロールが増えすぎて血管が詰まりやすくなります。そのため血流が悪くなり、高血圧の原因にもなります。血流が悪いと当然疲れやすくなります。肉食嗜好の高い現代、新聞や雑誌等でも当たり前のように肉類を使ったスタミナ料理と紹介されているのを目にしますが、このような誤った情報の氾濫にも原因があると私は考えます。

戦後、食の欧米化が進み、日本人の食卓には、肉・卵・乳製品などの動物性食品を使った料理が日常的に出るようになりました。その結果、戦前には見られなかったメタボリック症候群やガンなどの生活習慣病が増え続けています。

本来、人間の体内では、動物性食品は有効に使われておりません。消化酵素については、でんぷんを分解するアミラーゼがほとんどで、動物性食品を分解する酵素リパーゼはほんの数割にすぎません。そのために、分解しづらい動物性食品はほとんどが脂肪となって体内のいたるところに蓄積されてしまい、免疫力が衰え、これらが病の原因となっていくのです。

また、高たんぱくな食品の過剰摂取は、腎臓のろ過機能が目詰まりを起こし、血液の質の悪化を引き起こす場合があります。そして、腎臓機能の低下は、あらゆる病気を招いてしまうことがあります。

日本人は、数千年にも渡り玄米や雑穀を主食にし、野菜や海藻を中心に食べて進化してきたため、それに見合った身体の構造に形成されています。ですから、意識して動物性食品を摂らなくとも、玄米・雑穀を主食とすることで身体に有効なタンパク質を充分摂取することができるのです。

試しに、動物性食品中心の食事にして長距離を走ってみると分かりやすいと思います。逆に、私がすすめる玄米菜食を10日ほど続け、同じように走ってみると息が切れづらくなるはずです。

質のよい血液からスタミナは作られます。進化の過程で食されてきた気候風土に合ったものが質のよい血液を作ります。スタミナをつけたいのなら、動物性食品はある程度摂る量を抑え、私がすすめる玄米菜食にすることです。

血液の質を高めるシェフ佐藤の玄米菜食とは? http://chefsato.com/free/organic-centre

【焼きナス】
  

ナスは、油をよく吸う食材なので、調理の際は焼く・蒸すなど、油脂類はできるだけ使わないようにするのが一番です。

焼き網にナスをのせて、しんなりとするまで全体を焼き、焼けたら水を入れたボウルに入れて皮をむき、食べやすい大きさに切って器に盛り付けます。おろし生姜を添えて、好みで醤油や溶かし味噌をかけていただきます。

「秋茄子は嫁に食わすな。」この言い伝えにはいろいろな説がありますが、私が20代の時、歴史に詳しい方から聞いた話が有力と考えます。それは、日本にナスが入ってきた江戸時代、ナスを食べすぎた妊婦に流産が多かったことからいわれたそうです。これまで食と健康について研究してきた結果、私もそう思うようになりました。
ナスを始めとした南米原産のナス科の植物(ジャガイモ、トマト、ピーマンなど)は、日本古来の野菜ではなく、江戸時代に入ってきたものです。ジャガイモは、インドネシアのジャカルタを経由して入ってきたため、当時は「ジャカルタイモ」と呼ばれ、その後「ジャガイモ」と呼ばれるようになりました。これらナス科の野菜には、大変身体を冷やす作用があるので、妊婦や低体温ぎみの人、寒い時期、体調が悪い時は極力避けるようにします。