シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.33~「生命を掌る塩」

生命維持に塩分は必要不可欠

私たち人類は、約40億年前の太古の海で誕生しました。塩は生命維持には不可欠なもので、塩を摂るということは、ミネラルを補給して身体の中で細胞が活動する環境を保つことです。

人間の身体の3分の2は水です。この体液や血液の塩分濃度は0.85%、7.3±0.03の弱アルカリで、魚類の体液と全く同じ濃度です。これは、海水の約3分の1の濃度を保っていることになります。この4分の3は細胞内に含まれ、残りは細胞外液として血液やリンパ液として体内を流れています。

生命をはぐくむ羊水は、海の水と同じ成分を持ち、やはり0.85%の塩水です。胎児は、母親の羊水の中で単細胞の精子と卵子が結合し、人類が進化した約30億年の過程を経験しながら成長します。まさに人体は宇宙であるといっても過言ではありません。
長い進化の過程で、海水から体液がつくられた私たちの身体に合った塩とは、その内なる海である古代海水やミネラル組成を再現できるようなものです。

では、どんな塩が身体に合っているのかというと、まずその国や土地のものであること。そして、ミネラルやカルシウム、マグネシウムを適度に含み、食品添加物を使用せず、昔ながらの製法でつくられた海塩がおすすめです。ヨーロッパの水はミネラル・カルシウム・マグネシウムを多く含んだ硬水ですが、日本は火山灰土なので土中のミネラルが少なく、水もミネラルが含まれていない軟水です。よって、日本人は水からミネラルを摂取できないので、岩塩よりもミネラル・カルシウム・マグネシウムを豊富に含む海塩の方が理想的といえます。ミネラルを取り除かれた精製塩については、身体に有効な調味料ではないと私は考えます。

体液を弱アルカリ性に保つことで健康は維持できますが、誤った食生活でバランスが崩れてしまうと、身体にいろいろと問題が起きてきます。妊婦に関しては、羊水の質で赤ちゃんが健康に生まれてくるかどうかが左右されます。

近年は、何らかの異常を持った新生児が増えている問題が出てきています。これらは、妊娠前・妊娠後の誤った食生活による妊娠糖尿病や高血圧などの疾患のため、正常なお産ができなくなっている傾向にあることもひとつの原因です。加工食品やスナック菓子などには、化学的に作られた精製塩が多く使われているので注意しましょう。

人類が進化してきた長い歴史のなか、この半世紀足らずで自然とはいえない人工的な食品を日常的に摂取するようになりました。これは異常なことです。異常な食品ばかりを食べれば病気になるのは当たり前のこと。でも、それに気が付く人が少ないのが残念です。
病気になったらとりあえず薬でしのごうとする人が多いのにも疑問を感じます。昔はなかったアレルギー疾患や難病が増え続けている現代、私たち人間は原点に帰り、食生活を見直す時期に来ているのではないでしょうか。

【自家製梅干】

塩分は、塩をそのまま摂るよりも梅干や味噌、醤油から摂取する方が身体には有効です。梅干は、仕込んでから3年以上熟成させたものが美味しいです。私は、熟した梅を漬けています。漬ける容器は、環境ホルモンが出ない甕をおすすめします。市販されている梅干は、砂糖やハチミツが使われていたり、色を鮮やかにさせ、口当たりをよくするために着色料や化学調味料がふんだんに使われているものが多いようですが、これらは、アレルギー体質の人には逆効果になってしまうので、毎日の食事には自然塩のみ使用された手作りの長期熟成梅干が理想的です。

梅干作りは健康維持に欠かせない!
http://ameblo.jp/szato/entry-10588697127.html 
シェフ佐藤の梅干づくり
http://chefsato.com/free/organic-centre