体と心を濁らす水毒に気をつけよう

かけがえのない水も溜まると毒になる

こんにちは、鍼灸師のSUMIYOです。まだまだ湿気の多い季節が続いていますね。今回は今の季節に特に注意してほしい【水毒】についてお話したいと思います。

本来なら、水は私たちにとってはかけがえのないものです。「その水が毒になるなんて!」と思う方もいるかもしれませんね。でも水毒は‘水の毒’ですが飲むものではないのでご安心下さい。そう、「飲む」ものではなく、「溜まる」ものなんです。

中医学の世界では、人体には余分な水や劣悪な水が溜まって水毒となり、人体に様々な病気を起こすといわれています。「流れる水は腐らない」といわれるように、水は体内をキレイな川のように流れて排泄されていれば、清らかで私たちの健康にしてくれます。しかし水が流れず身体のなかにドブ川のように溜まると、ドロドロと濁ってしまい様々な病気を引き起こすのです。

では水毒とはどういったものなのでしょうか?

実は水毒には目で見える有形のものと、目には見えない無形のものがあります。
有形の水毒の代表が“痰”です。その他にも鼻水やむくみ、関節の腫れなどです。無形の水毒はさらに身体に悪影響を与えていて、四肢のだるさ、疲労感、頭痛、めまい、冷え症やアレルギー疾患、癌などにも影響していると話す中医師もいます。

だいぶ水毒の怖さをわかって頂けたことかと思いますので、次に水毒が溜まる原因と予防についてお話しましょう。

水毒が溜まる原因はさまざまですが主なものは以下の通りです。

●排泄機能の低下
●水分の摂り過ぎ
●冷え
●暴飲暴食
●湿気の多い環境
●ストレス

排泄機能が悪い方は、どうしても身体がむくみ、水毒が溜まりやすくなります。尿を我慢してしまったり、汗をかきにくい方は気をつけましょう。水分の摂り過ぎも原因の一つです。

「美容や健康のために水をたくさん摂りましょう」。雑誌やテレビではよくこんな風にいわれていますが、水で身体を冷やしてしまって冷えを招き、代謝を下げて排泄機能を悪くする場合もあります。水分を多く摂る場合は、冷えないようにし、摂取した水分がしっかりと体外に出ているのかをみたうえで、適切な量を摂ってください。

また暴飲暴食は体内バランスを崩しますし、老廃物を溜めてセルライトを形成し、むくみの原因にもなります。特に、甘い物や冷たいものは先ほどと同様に冷えを起こすため、摂り過ぎに注意が必要です。そして湿気が多い場所や時期は「湿邪」といって身外から湿気の邪気が体内に入ってきます。そのため普段よりも体に水分が溜まりやすくなるのです。しっかりとした除湿を心がけしましょう。

ストレスでも水は溜まる

そして最後に忘れてはいけないのが“ストレス”。水毒にとって一番悪影響を与える感情は「考えすぎ・思いすぎ」といわれています。

さきほど流れる水は腐らないというお話と同じく、感情もその時、その時で処理をして流していけば体に悪影響を与えないのですが、ずっと同じことを考え悩んでばかりいて行動にせず思いばかりが停滞していくと、心は濁り毒となるのです。そして反対に水毒が溜まっている人は心も重くなり「考えすぎ・思いすぎ」になる場合もありますのでご注意ください。

水毒を体内から出すためには、今までお伝えしたことを参考に、お風呂にゆっくり入ったり、運動をして汗をかくことがおススメです。利尿作用のあるはとむぎ茶やコーン茶やハーブティーを飲む。むくみを改善するリンパマッサージをするのもお勧めです。そして自分の思いや考えを溜めないように心がけましょう。

水毒を体外に出して、心も体もスッキリと流れる清い自分になりましょう。

天・地・人の恵みに感謝を込めて
鍼灸師SUMIYO