シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.28~「痔は今や国民病?!」

確実に増えている痔

近年、痔を患う人は、男女とも3人に1人といわれているほど実に多くなっています。イボ痔、キレ痔、ハレ痔、脱肛などありますが、痔の種類は問わず、手術をしても食生活を改善しない限り再発する確立が高くなります。痔で相談をしに来る人たちに共通なのは血流が悪い、胃腸が弱く、冷え性ということです。

私は、痔の相談に来た人には薬で対処するのではなく、食物繊維を多く含む玄米、雑穀、根菜、海藻等を毎日の食事に取り入れること、そして動物性食品、油脂類、甘い食べ物やアルコール類を控えるようにすることをすすめています。特に、甘い食べ物やアルコール類は胃腸を緩め、消化器官機能が低下するので、症状をさらに悪化させます。

痔が国民病となりつつある背景には、昔は雑穀中心の食生活だったのが、パンや麺類などの粉中心になってきている現代の食生活があります。欧米人に比べて2.5mも長いといわれている日本人の腸は、雑穀等の消化に適している一方、粉の消化に対しては消化器官が長すぎるため、腸内を移動する際に理想的な便ができなくなってしまいます。

食生活を改善していくことで便の腸内移動を速め、理想的な便が毎日決まった時間に排出されるよう便通を整えることが痔の改善につながります。

私は、痔を患った人には玄米ご飯を主食にして根菜の煮しめや海藻の味噌汁、梅干・ぬか漬け少々を毎日摂ること。そして、甘い食べ物・辛い食べ物、アルコール類、動物性食品はしばらくの間止めるようにすることを勧めています。このことを忠実に守ることで、痔は改善する可能性が高いです。

【つわぶき】

つわぶきの葉は、痔全般に効果があります。もしも膿が出ているようでしたら、つわぶきの葉を火であぶり、やわらかくして冷めたら局部に貼ると膿を吸い出してくれます。
つわぶきを使った自然療法は、私が子供の頃、近所のおばあさんから聞いた治療法です。実は、私も20年ほど前、つわぶきにお世話になったことがありますが、実際とても治りが早かったです。痔の人は、このつわぶきを濃いめに煎じ、これをガーゼにひたして局部をこまめに拭くようにすると効果的です。
つわぶきの葉は、火にあぶってやわらかくしてから冷ましたものを火傷や湿疹、皮膚病全般、打ち身、肩こりの患部に当てると腫れがひいたり、症状をやわらげる効果もあります。また、蓄膿症の人は、煎じ汁で鼻うがいをすると効果的です。この自然療法は、食事改善と併用することで、改善・完治が早まります。