シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.20~「未病とは」

病気になる前の兆候に気づく

「未病」とは病気になる手前のことですが、この時すでにいろいろな兆候が出ているはずなのに、それを見落とす人がほとんどです。例えば、思わず鼻を覆いたくなるような口臭や体臭、尿や便の臭い。これらは身体が赤信号を送っていると考え、早急に食生活の改善をしなければなりません。

口臭・体臭は口内炎、歯槽膿漏、胃腸の弱い人に多く見られます。改善するには、動物性食品や化学調味料、食品添加物等を極力避け、私がすすめる玄米菜食を取り入れることです。また、インスタント食品やスナック菓子、化学的に作られたペットボトル飲料はできるだけ摂らないようにすること、毎食に梅干や海藻の味噌汁を摂るよう心がけましょう。

口臭・体臭がある人は、自分の健康状態をチェックしてみる必要があります。それには、まず左右の脇の下の体温をそれぞれ5分ずつ水銀体温計で測ってみてください。できれば、朝・昼・晩の食前30分前に計測するといいです。健康であれば体温は昼間は高く、夜は若干低い。理想値は36.5~37℃で、左右の脇の下の体温を測ると、やや左の方が高め。右の方が少しでも高い場合は、身体に何らかの問題が起こっていると考えていいです。また、体温の他に血圧と1分間計測した脈拍を知ることをおすすめします。

体調のチェックのしかた

体温が35℃台で脈拍が遅く、血圧が低い人は要注意です。血圧は上120~130、下70~80が理想で、脈拍の正常値は、50~70前後です。この数値に当てはまらない人、数値からかけ離れている人は未病、または既に病に侵されているかもしれません。低体温の人は血液に力がないために、脈拍が速くなる傾向にありますが、低体温でしかも脈拍が遅い人は、心臓の働きが衰えている可能性が高いです。また、低体温で血圧の高い人は、血管が細くなったり、目詰まりを起こしている可能性があります。

36℃台の体温であっても、昼よりも夜の方が高い人がいます。こういう人は、右脇の方が高めの場合が多く、血圧も高い傾向にあります。これは、動物性食品の摂り過ぎで血液が汚れ、血管内にコレステロールがこびりついて血流が悪くなっていると考えられます。このような人は、風邪を引くと扁桃腺が腫れやすく、高い熱が出やすいです。また、高熱が長く続くことがあります。そのまま放っておくと、そのうち心不全、心筋梗塞や脳溢血、脳梗塞他様々な疾病につながる恐れがあるので注意しなければなりません。

日頃から美食をしている人は、やはり健康状態をチェックしてみるべきだと思います。グルメ番組によく出演する芸能人に肥満や様々な疾病が見られるのは、高たんぱくで油脂類を多く使う料理を食べる機会が多いからです。体調がすぐれない時は、私がすすめる玄米菜食を1週間でいいので試してみてもらえれば納得できると思います。

根菜と海藻のカレー

インドのスパイスを使った薬膳カレーです。漫画「美味しんぼ第108巻被災地編」でも紹介されました。ポイントは、すりおろしたレンコンまたは長芋をルーの代わりに使うことと、味噌で味を整えることです。このカレーは、白米よりも玄米ご飯にぴったりなので、ぜひお試しください(カレースパイスは、身体を冷やす作用があるので、寒い時期は控えることをおすすめします)。
根菜と海藻のカレー レシピ http://yoboso.fiw-web.net/curry.htm
私が運営する自然食研究所では、料理教室も開催しております。薬膳カレーもお教えしております。また、健康を考えた調理法などのアドバイスもしておりますので、興味のある方はお問い合わせください。