シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.1~「食と病の関係」

地球上のすべての生物には、それぞれに合った食べ物があり、その食べ物で身体は作られています。そして身体は常にサインを出しています。もしも、不適切なものを食べ続けているとすれば、個人差はありますが高血圧・低血圧、低体温、肥満などのサインとなって出てきます。このサインを無視し続けると、やがて「病」という形で現れます。

戦後、食の欧米化・多様化によって、あらゆる食材に恵まれた私たちの食生活はすべてが満たされているように見えます。しかし、その一方で、障害や奇形、病気など生まれながらにして何らかの問題を抱えた人も増え続けています。誤った食生活を続けた母体が胎児に与える影響は、子だけでなく、その次の世代にまで悪影響が及んでしまいます。このような悪循環が蔓延しつつある現代、私の連載を読んでいただくことで一人でも多くの人が誤った食生活の改善に取り組んでいただければ幸いです。

食生活の改善にあたって、まず調味料から見直し、自然の食品・食材、昔ながらの製法で作られたものを選ぶ必要があります。一般に売られている工業生産された味噌や醤油、油脂類など。普段何気なく使っている調味料も、化学調味料や食品添加物が使われている場合があり、これらは自然とはいえない調味料といえます。日常的に化学調味料や食品添加物を摂取することは、病気やアレルギーを引き起こす可能性もあるのです。

人間の体内には、もともと自然治癒力が備わっています。この自然治癒力によって、ウィルスが体内に侵入するのを防ぎ、病気から身体を守ることができます。日頃から自然治癒力を高める食事を心がけていれば、ちょっとしたことで体調を崩すことはありません。

この連載では、自然治癒力を高める食事、例えば主食として理想的な玄米雑穀ご飯の炊き方や根菜・海藻を使った調理法、自家製味噌作りも含め、料理人からみた自然食について紹介していきたいと思います。

日本人の食卓に欠かせないのがぬか漬け。昔は、各家庭にぬか床がありました。しかし、現代では漬物が苦手だという人もいるようです。ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は胃酸で死滅してしまいますが、漬物に含まれる乳酸菌は腸まで届く身体に有効なものです。
ぬか床は毎日の手入れが必要なので作るのはちょっと……という人も、私のレシピを参考にぜひ挑戦してみてください。

▼シェフ佐藤のぬか床レシピ
http://yoboso.fiw-web.net/nukadoko.htm