「自分の意見を言うこと」と「健康」の関係~正真正銘のあなたを表現すること

諸外国で生まれ育った人と接したことがある方は、きっと気づいたことがあると思います。

日本人と欧米人との間で「自分の意見を主張する」行動の違いは明らかです。私も気づけばイギリス、アメリカでの海外暮らしも計14年目になり、より一層自己表現の大切さを肌で感じているひとりです。

これまで、ヒーリングを通して様々な人種の方達と接してきましたが、自分の意見を上手く言えず悩んでいる欧米人は、実は少なくありません。
ましてや日本人の場合は文化的背景もありますし、多くの方が自分の意見が言えなくて、やり場のない悔しさを経験したことがあるかと思います。

以前、「人間関係とバウンダリー(他者との境界線)について」 の記事のなかでもお話ししたように、相手の気持ちを尊重した上での言動は、日本特有の相手を敬う素晴らしい文化だと思います。
でもその行動が、逆にあなたの心と身体の健康に良からぬ影響を及ぼしているとしたらどうでしょうか?

今あなたが生きている場所は、「あなた自身の成長のための世界」だと仮定します。
その上で、相手の望んだとおりに行動するため、又は相手との良好な関係を保つために自分の気持ちを押し殺す行為が、健康にどのような影響を及ぼしているか考えてみましょう。

 

まずは、「言いたいことや真実が言えない」時やその後によくある心や身体の反応を挙げてみます。

▼心の反応
怒り、悔しさ、悲しみ、失望感、敗北感、無力感、トラウマになる

▼身体の反応
筋肉の緊張、動悸、浅い呼吸、発汗、胃腸のムカムカや痛み、頭のもやもや感、喉の痛みや長引く咳

 

こうして挙げただけでも私たちの心や身体には相当大きなストレスがかかっているのは明らかです。
このような心身の反応は、あなた自身の内なる叫びと捉えても良いでしょう。これらの訴えを無視した行動は、結局のところ自分に「嘘」をついていることになるのです。
カウンセリングをしていると、「あの時思い切って本当の自分の気持ちをきちんと言うべきだった!」と数年、数十年前のことを悔やんでいる方、あるいは、自分の意見を言えなくて怒りや悔しさを身体に溜め込んでいる方の多いことには驚きます。

私たちの心や身体は、自分の言葉や行動と繋がっているべき存在です。
このようなことを繰り返していては健康を害しても全く不思議ではありません。果たして、自分の意見を言わずただ耐える姿勢は、本当に美徳だと言えるのでしょうか?

そうは言っても、湧いてきた気持ちを口に任せて発言するのも決して正しい行動だとは言えません。場所や状況をわきまえた行動を取るのも必要でしょう。

では、「どうすれば上手く自分の意見を言えるようになるのか?」、セミナーなどでお教えしていることをひとつご紹介しましょう。

私たちが、相手に対し愛と思いやりの心を持って、かつ自分の弱さも認めながら気持ちを表現したとき、言葉を通して正真正銘のあなたがそこに現れます。
そして、自分が心を開けば相手もそれに同調するように不思議と心を開いてくれる場合が多いのです。

その上で、あなたの発言や対応に対し相手がどんな反応をするかは、相手の感じ方次第であり、その点についてあなたが負うべき責任ではありません。この辺りもまたバウンダリー(境界線)と深く関わってきます。

このような表現法は、始めは難しく感じるかもしれませんが、コツを学び練習していくことでやがて自然とできるようになります。
実際セミナーで学ばれた方達も、自分らしさを上手に表現して自信を持てるようになったなど、大きな変化を遂げています

心と身体の声を聴き、それを上手に表現する行為は、あなたらしさを引き出すだけでなく、心と身体の健康を促進します。
ぜひ実践してみて下さい。