セドナから愛をこめて「アイル・グラハムの光日記」 第18回

セドナには、古の時代からネイティブアメリカンたちの間で祈りの場所として大切にされてきた聖地がいくつかある。そのひとつが「カウパイ」。

直訳すると「牛の糞」。水や風で浸食された岩の形がまるで牛の糞のようだからこのような名前がつけられた。

セドナに最初に住み着いた白人たちによって名前がつけられたが、ネイティブアメリカンたちにとっては残念な名前が付いてしまった感じだ。

名前はともかくとして、今でも、ここはとてもパワフルな場所だ。
セドナは約2億7千年くらい前までは、海底の中に沈んだり、隆起したりを数回繰り返していた。

トレイルを入ると、すぐに赤い大地の上に黒い火山岩が転がっているのが見える。
これらは、海底だった時にマグマが吹き出てすぐに固まった石である。
 

母なる大地の奥深く地殻のところにあったこれらの石は、長い地球の歴史を知っている。たくさんの英知を携えている。
火山岩に触れると手のひら全体にチクチクと細かい振動が感じられ、母なる大地の癒しと英知と生きる活力を受け取ることができる。そして大地と再び強く繋がることを促してくれる。

そこには、岩を並べて渦巻きや円形状につくられたものがある。
誰が作ったのかはわからないが、渦巻きや円の中心に手を静かに持っていくと、チリチリとした磁場をしっかりと感じることができる。

一番大きな円の中で寝転び、全身で母なる大地の癒しを受けとる。
太陽の光をいっぱい浴びながら、体の表と裏、天然の岩盤浴を楽しむ。

たっぷりとエナジーを受け取り、円の外に出た時、ふわっと体が軽いのに気がつく。
母なる大地が自分にとって必要なのいものを吸い取ってくれたのだ。
母なる大地に感謝を捧げて、次なるポイントに移動する。

次のポイントは、水の浄化。
雨が降ると、雨は岩の表面を流れて低いところへと集まり、一時的な川をつくる。
その川の流れは、所々で渦を巻き、岩を削り、丸い穴をつくる。
  

長い年月をかけて、大地に雨の通るラインがつくられる。
ライン状に並ぶ丸い穴のいくつかは、炎天下の中でもずっと雨を溜め込んでいる。
何百年も乾く事のない水。以前この光日記でセブンスプールを紹介したが、ここも同じような聖なる水たまりだ。

新しい雨を迎え入れて、常に入れ替わっているかのようだが、その中の何パーセントかは、古代からの水を含んでいる。
太古の時代にここで聖なる儀式をおこなっていたネイティブアメリカンたちのエナジーや英知が含まれている。

水を体の各チャクラにつけて、しばらくの間、静に、水の通り道の上に横になってみる。勢い良く流れて行く水のエナジーを全身で感じることであろう。
まるで全身を清める エナジーレベルでの滝行のような感じかもしれない。

そして、さらに奥に向かって歩いて行くと、突風が吹く場所に行き当たる。風の通り道だ。
火山岩のところで、大地と強く繋がり、火のエナジーで活力をいただき、そして、水のエナジーで清めた後は、風のお清めである。

手を大きく広げて、全身でこの風を受け止める。
大自然の4つのエレメント、火・土・水・風の癒しを受け取り、新しく生まれ変わった自分を感じる。太陽の光を全身にあびながら、風が祝福してくれるのを感じる。

太古から聖なる儀式をされてきたカウパイ。訪れる人たちに、神聖な儀式を促してくれる場所。それは、心を静かにして、大自然の声に耳を傾ければ、自ずと、自分なりの儀式の仕方が見えてくる。

ここはセドナの秘境のひとつ。訪れるときは、ジープか車高がある車がベスト。
ぜひ大自然の4つのエレメントと共に、セドナの深淵に触れてみてくださいね。
いつもありがとうございます。

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