生命の科学と呼ばれるアーユルヴェーダはインドの伝統的な治療体系で、5000年以上も前から続いていると言われています。
アーユルヴェーダでは肉体と心と魂の3つの要素がバランスよく維持されている状態が健康なのだと言います。
私はアトピー性皮膚炎で悩んでいたときに蓮村誠先生の本に出会いました。
蓮村誠先生はアーユルヴェーダを医療に取り入れた第一人者です。
食べ物について比較的多く書かれていますが、それ以外にも日々の生活、物事の考え方、ヨガや瞑想、浄化法についても詳しく書かれています。
体がボロボロになり、心も闇(病み)に閉ざされかけ、進むべき道を見失った私を強い光で導いてくれたのが「アーユルヴェーダ」でした。
アーユルヴェーダは「よりよく生きるための術」なのです。
ⅰ)エネルギーのバランス
私たちの体は精妙なエネルギーによって存在しています。
アーユルヴェーダによれば、特徴的な生体エネルギーは3つに分類されます。
・ピッタ(火のエネルギー)
・カパ(水のエネルギー)
・ヴァータ(風のエネルギー)
これら3つのエネルギーのバランスが取れているときに健康であるといえます。
このエネルギーは人間の体だけでなく、あらゆるものに存在し、影響し合っています。
例えば、食べ物や環境が持つエネルギーによって私たちのエネルギーは影響を受けます。
ほかの人のエネルギーによっても、また言葉のもつエネルギーによっても影響を受けます。
それほど、精妙で流動的なエネルギーによって私たちの体はできているのです。
ⅱ)理知の誤り
私たちは自分に対して間違った決断をしてしまう時がよくあります。それを理知の誤りと呼びます。
理知の誤りが起きると、生体エネルギーはバランスをくずし傾いてしまいます。
少しの傾きでしたら、すぐに元に戻ることができるのですが、ある程度大きく傾いて
しまうと、本来の正しさがわからなくなり、もっと傾くことをしてしまうようになります。
その状態が長く続くことで様々な病気が生まれます。
理知の誤りにはその重傷度によって3つの段階があります。
①誤った理解
間違った健康観や情報によって、間違った判断をしてしまっている状態です。
玄米がよいとかヨーグルトがよいとか、その本質を見極めずに妄信している状態です。
この場合は正しい知識が身に付けば、ちゃんと正すことができます。
②自制の欠如
タバコやギャンブル、ついつい食べてしまう甘いものなど頭では分かっているのだけれどやめられないという状態です。
この状態を正すのは少し大変かもしれません。
③記憶の障害
さらに重症になった状態です。この状態では正しい指導を受けても、正しい情報に出会っても、その正しさが理解できないという深刻な状態です。
ⅲ)アトピーに共通するエネルギーの特徴
アトピー性皮膚炎はカパ(水のエネルギー)が悪化した病気です。
カパの特徴は重く、冷たく、湿っていて、エネルギーの方向が内側に向いています。
カパは構造を生み出すエネルギーなので、カパの良い面が出れば、心身ともにガッチリとした安定感が生まれます。
しかし、カパが悪化すると、カパの悪い面だけが強調されます。
体の構造を保てなくなり、心も不安定になります。
冷え性になり、ジュクジュクした湿疹が出るようになります。
体の中に熱がこもり、かゆくなります。
ⅳ)カパを悪化させるもの
食べ物や環境などあらゆるものがエネルギーを持ち、私たちの生体エネルギーに影響を与えます。
カパのエネルギー傾向があるものに触れ続ければ、私たちの体もカパのエネルギーに傾きます。
甘いもの、冷たいもの、水分の多すぎるもの、量が多すぎる食事、高い湿度、寒い環境、お風呂をシャワーだけで済ます、くよくよ考える、声が小さい、部屋にものが多
い、など。
人には「理知の誤り」があるために、傾くともっと傾くという性質があります。
さらにそれが好きと感じたり、心地よいと思ったりしてしまう点が厄介なところです。
そのため、アトピーの人はアトピーになる選択をし続けてしまいます。
ⅴ)これからのアトピー改善法
理知の誤りを正すことが一番の近道です。
理知の誤りを正すにはしっかりと正しい知識を身につけることが大切です。
それと同時に、まやかしの欲求に惑わされずに自分自身の中心にある真我(アートマン)の声が聞こえる「耳」をもてるようにしましょう。
これからのアトピー改善法は科学的に裏づけされた行動とスピリチュアルな感性を磨くことの両面からアプローチしていくべきだと考えます。
今回の「PART1理知の誤り~」を導入とし、これから具体的にどう行動してどう考えるかをお伝えいたします。