あなたはどちらの野菜を食べたいですか?~固定種の種、F1の種~

ミトコンドリアは動植物、生命すべての細胞に存在します。
地球は46億年前に石で出来ていると言われ、呼吸してエネルギーを地上に供給してくれています。
美容=健康=食=地球
「すべてがつながっている」
野菜の勉強を通じて確信しました。

野菜のミトコンドリアは「種」ですね。種について知識がないと野菜は語れないですね。野菜を使った料理を提供するという使命感に燃えて、少し勉強しました。

固定種の種とは、何世代にもわたって育てられ、遺伝的に安定している品種です。F1種(交配種、雑種)とは、異なる性質の種を人工的に掛け合わせて作った雑種。今市場に流通している野菜や花の種は、ほとんどがF1です。種苗メーカーは製造過程の秘密を決して明かさないらしいです。こわいですね。

香りのないきれいな花。味のあまりない野菜……。
人間も似ていませんか?
美容整形をしたり、天然でない合成のものを食したり、吸ったり(呼気)、つけたり……。身体の中がホルマリン漬けになっていくよう。F1種野菜ばかり食べていると、人間の身体はどうなるのでしょうか?

東京オリンピックを機に高度成長時代以後、日本中の野菜の種が「自家採取」できず、大量生産の工業製品のように規格が揃ったF1の種を普通に買う世の中になってしまいました。今は固定種が壊滅状態でF1の野菜種ばかりがスーパーに並んでいます。
日本の野菜は、人間でいう無精子症の雄性不稔の種、大きさや揃いがよくなるF1の種の方向へと向かっています。世界中の食糧がみな雄性不稔になったら取り返しがつきませんね。

固定種の種は、一粒一粒が生産速度もバラバラで、個性があり、味も濃く、香りもよく、栄養豊富でとても美味しい。今後は有機無農薬栽培や無肥料栽培に向けて、オーガニック野菜&固定種の種 という時代がきっとくると私は思います。
広島には素敵な先生がいます。船越建明先生は、九州大学農学部卒業後、広島で農作物種子の研究をされています。東広島市で農業ジーンバンクで野菜の技術指導、特性調査などをされています。今年3月船越先生に会いに行きました。いろいろな質問をし、勉強させていただきました。

地方品種、伝統野菜の固定種は土地によって、種によって、姿・形が違うし、味も違う。生きた文化財です。
船越先生が活動されているのは、純粋な種を自分たちで採って守っていこうという、すばらしい活動です。私も時間があけば活動に参加して、いつか広めていきたいと思っております。


広島県農業ジーンバンクの保存、保冷室

湿度20~30%、気温マイナス8±2℃。野菜の種たちが、子宮・精子バンクのように大切に保存されています。
「精子バンクみたいですね」と言った私の発想した言葉で船越先生は大笑いされましたが……。
私は変わっているのでしょうか?

広島の伝統野菜の固定種をいただいて、矢賀ちしゃを契約農家さんに植えてもらいました。
お花畑のようにきれいでイキイキしたチシャの葉。苦味があり、昔ながらの野菜が持つ力強い味でした。5月、6月ナチュラルキッチン アージョでお客様に提供して、大変喜ばれました。

雑種でなく、日本に昔からある栄養価の高い、旬の伝統野菜。
「食」を通じて、本物の野菜とより多くのお客様に出会って、「食」「野菜作り」「種について」少しでも真剣に考えてもらえるきっかけになったと思います。
それが私の使命です。