赤川次郎原作の超スピリチュアルミュージカル。天国の空港に降りたった時手にしているパスポートは!?

数年前に観て、「こんなスピリチュアルなお話だったのか!?」と、ある意味驚愕した劇団四季のミュージカル「夢から醒めた夢」。原作は赤川次郎原作の子ども向け絵本。何度も繰り返し上映されているお話で、今年は6月に大阪で公演がスタートします。

 

主人公は、不思議なことが大好きで好奇心旺盛な女の子ピコ。
彼女が本物の幽霊である少女マコと出会うところから物語がスタートします。マコは交通事故で突然死んでしまったことで、悲しんでいる母を慰めにいきたいと一日自分と入れ替わってほしい人を探していました。不思議大好きなマコはこれを快諾。霊界へと旅立ちます。

ピコが霊界で見たのは、霊界空港。そこは、亡くなった人たちが光の世界へと行けるロケットが出発する新しい旅立ちの場所。けれど誰もが自動的に乗れるわけではなく、パスポートが手渡されます。それは現世の行いによって白・グレー・黒のいずれか。グレーや黒のパスポートの人たちは、ロケットに乗ることができません。
空港での労働を通して現世での罪の穢れを精算しなければ、天界へ還ることができないのです。

この霊界空港でピコはグレーのパスポートをもち、天界へと還ることができない様々な人たちとの出会います。そこで繰り広げられるのは、下界と変わらない嫉妬やいさかいそれでも、純粋なピコの心に触れて、グレーのパスポートを持つ彼らも次第に清浄な魂へと変化を遂げていく…、といった内容です。
このお話で、グレーのパスポートを与えられているのは、家族を顧みることなく働き過ぎの過労死をした部長、バイク事故で恋人と一緒に死んでしまった暴走族、ケンカで刺殺されたヤクザ。そして、自殺という自分を殺してしまった少年…。

良い行いで穢れがとれていくように、悪い行いをすればパスポートは白からグレー、グレーから黒へと変化していく。
生きている間の罪穢れを背負って、はい終了ではなく、死してなお、自分の行いを精算しなければ光には戻れないなんてナンテ厳しい天界の掟。この霊界空港の職員で、パスポートの審査を行うデビルの口癖が、「テメェのことばっかし考えやがって」。
ファンタスティックな演出のなかに、しっかり刻まれているカルマの積み重ねと精算。シビアだけれども、やっぱりこれが原則。日々をしっかり生きなくては、と考えさせれられるのです。

 

今回は大阪のみですが、定期的に全国で公演されているので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
魂にジーンと響いてきますよ。
あぁ、自分が死んだ時は、どうか白いパスポートが手渡されますように…。

 

公式サイトでは、キャラクター占いもやっていますのでチェックしてみて。
http://www.shiki.gr.jp/family/yume/