セドナから愛をこめて「アイル・グラハムの光日記」 第15回

セドナで催された「Dawn Of A New Time / 新しい時代の夜明け」のギャザリグが終了した。

コロンビアの原住民の長老マモスたちによる英知が3日間によってシェアされた。
まったく違う異文化がそれぞれ解け合っていき、調和という平和ができていくのをかいま見れたすばらしい集会となった。
ギャザリングの場所は、セドナで最近建築されたコンサート会場。
現代建築のモダンで粋な感じが建物全体に行き渡っている。
壁を大きく抜きとったガラス窓からは、真っ赤なセドナの岩々が見渡せる。
そこに、真っ白な服に身を包んだ、コロンビアの部族、アルワコ族とコギ族がやってきた。

今まで、現代人とのコンタクトを意識的に避けてきた人々。
だが、今という時期、ご先祖様から受け継がれている英知を世界の人々にシェアをするときが来たということを感じて、山を降りて、現代の中にやって来た。
普段は、裸足で山を駆けまわっている。
特にコギ族は、山の上の方に住んでいる。
彼らは2日かけて山を降りて来た。
始めて山を降りたコギ族にとっては、人生において、これは初めての現代体験。
私たちにとっては、現代の中に、いきなり古代人がやってきた感じ。

マモスの姿を見ただけで、内なる何かが動き出し、ただただ涙をする人たちもいた。
マモとは、高僧のこと。たとえて言えば、メディスンマン・シャーマン・スピリチュアルドクター・スピリチュアルティーチャーのような存在。
幼少時から35歳まで、一般の生活環境とは異なる場所で、古代から守られている秘技や英知を学び続けて、それを終了したものたちだけがそう呼ばれる。

マモが数人いて、複数形のマモスとなる。
彼らと彼らの部族たちは、コロンビアのシエラネバタ山脈に住む。
ガスも水道も電気もないところで、ご先祖様たちから受け継がれている英知とともに、自然の恵みとともに暮らしている。

地球や現代社会地にとっては、このような人々は、まさしく生きる宝物。
彼らのエナジーと、彼らの英知が、言葉を超えて私たちの中に入って来た。
3日間を通して、語られる内容は、とてもシンプルだった。
「大地と共に、自然と共にくらす生き方にもどりましょう。
全ては還元しています。
大地から何かを受け取ったら、大地に返して行きましょう。
現代社会には、支払いというものがあり、みんな電気代を払ったり、水道代を払っている。
それと同じように、私たちが太陽のめぐみ、水の恵みをいただいたら、受け取るだけではなくて、ちゃんとそれに対してお支払いをして行きましょう。
それは、「感謝」「それに対する気配り」というお支払い。
そして、それを行動に移していきましょう。

現代社会に生きる人たちは、どこかの土地を訪れると、そこの石を拾ってきて、家の棚やテーブルの上に飾ったりしていますが、その石は、母なる大地とともに、そこに存在していて、そこで、エナジーが還元しているものなのです。
だから、人間の勝手で、その石を違う環境に置いてしまうことは、その石の自然の循環を乱してしまうことになるのです。
それは、川にダムをつくることも同じだし、鉱山から石を発掘するのも同じことです。

~連載第16回につづく~

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